飢える私――ままならない心と体

  • 亜紀書房
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本棚登録 : 113
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515779

作品紹介・あらすじ

あの日の私を守るために食べてしまう。
そんな自分を愛したいけど、愛せない。

レイプ、過食、嘔吐、超肥満、差別、同情……。
少女時代から作家になっても続く苦悩と辛酸の日々。

『バッド・フェミニスト』を超えた
骨のきしむような回顧録!

感想・レビュー・書評

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  • ポットキャストで聞いている過去のラジオ放送で、野中モモさんが登場し、「野中モモの『ZINE』小さなわたしのメディアを作る」が紹介されていた。手作りの「ZINE」の魅力を伝えてくれた野中さんの話にとても興味を抱き、図書館で借りて読んでみた。
    「野中モモ」と検索すると、他にも面白そうな本がたくさん検索結果に出てきた。気になったものを2~3冊チェックして借りた一冊が、「飢える私」。
    12歳のときに性被害にあった作者。両親にも言えず、その傷を一人で抱えることになる。いつしか恐れや不安から自分を守るように、何かを満たすように食べ続けるようになり、体は不自由なまでに太ってしまった。
    その過程での恋愛関係や、「めちゃくちゃ」だった生活、家族との衝突、大きな体を抱えることから受ける蔑視や偏見など、赤裸々に綴られている。
    2014年、作者は足首を骨折し、入院することになる。自分のことを心配する人たちに囲まれて、自分を大事に思う人、必要とする人がいることを知った作者。それを機に、ずっと目を背けてきたことに向き合い、人間関係をどう築いていけばよいかを考え、壊れてしまった自分が癒やされる希望を見いだしたのだった。そして自分の体験を小説にすることで両親にも知られることになり、それまで作者のことを理解していなかった両親との和解へとつながった。
    性被害に遭うことがどれほど深刻な傷を残すのかを突きつけられる。また、太っている人に対する偏見が社会には根深くあること、ルッキズムに支配されていることについても言及している。その点についても私自身深く考えさせられた。
    語り口がこれまで読んできた本と少し違っていたので読みづらい面もあったけど、学ばされることの多い一冊でした。

  • 性加害は最悪。よく生きてくれてた

  • 自分の思っていることを述べていて、それはここでは要約できないような感じだと思った。
    自分はこう!ってはっきり言えないような部分を文章で表現しているから、私は慣れていないような文体なのかなと思った。
    アメリカでは肥満の人間がたくさんいるということのせいで、肥満についてその人が思っていることを深く考えようとも思ってこなかった。当たり前だけど、1人ひとり肥満の原因や考えや思いが違うのに、一括りにして「肥満の問題」とかって考えていたなと気づいた。

    読み終わってから1日たって、ずっとこの本のことばっかり思い出してる。読んでる時は何を言いたいのか分からなかったところも今頭の中で繰り返されることが多い。

  • 悲しくなりそう、、、

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    あの日の私を守るために食べてしまう。
    そんな自分を愛したいけど、愛せない。

    レイプ、過食、嘔吐、超肥満、差別、同情……。
    少女時代から作家になっても続く苦悩と辛酸の日々。

    『バッド・フェミニスト』を超えた
    骨のきしむような回顧録!
    https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=886&kw=%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%A4%20

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著者プロフィール

1974年米国・ネブラスカ州生まれ。ハイチ系アメリカ人の作家。インディアナ州ウエストラファイエットのパデュー大学で教鞭を執りながら、フィクション、ノンフィクションの両方の分野で執筆活動を行う。2014年、初のエッセイ集『バッド・フェミニスト』がベストセラーに(邦訳版小社刊)。同年刊行された長編小説『アンテイムド・ステイト』は映画化のプロジェクトが進行中。他にマーベル社のコミック『ブラックパンサー:ワールド・オブ・ワカンダ』の原作等も担当。2017年には短編小説集『ディフカルト・ウィメン』(邦題『むずかしい女たち』河出書房新社)を上梓。本作は2冊目のエッセイ集となる。

「2019年 『飢える私 ままならない心と体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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