こどもたちは まっている (亜紀書房えほんシリーズ〈あき箱〉3)

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 398
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515984

作品紹介・あらすじ

今日も水平線から日が昇る。いつもの風景、季節の移ろい、突然の雨、特別な夜。

繰り返す日々のなかで、みんな、いつもなにかを待っている。
船が通るのを、貨物列車を、雨上がりを、夜明けを……。


国内外で活躍する荒井良二の新しい代表作が誕生!




 ぼくが大学生の時に、長新太「ちへいせんのみえるところ」を
 手に取ることがなかったら、絵本を作っていなかったと思う。

 いまだにぼくは、この地平線の見える風景の中にいて、
 優しさや不安や笑いや寂しさや怖さや希望の風に吹かれている。

 そう、まるでこどもの時のぼくがそうして立っているように。

 ぼくが絵本を作る時は、必ず頭の中で一本の線を引き、
 そこからぼくの絵本の旅を始める。

 やがて、その線は見えなくなってしまうが、
 時おり顔を出してはこどもの時のぼくが「ちへいせん」を眺めて立っている。

 いつか、ぼくの「ちへいせんのみえるところ」を描いてみたいと思っていたが、
 もしかしたら、この「こどもたちはまっている」が、そうなのかもしれない。


 そして、この本を長さんに捧げたいと思う。

 荒井 良二

感想・レビュー・書評

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  • 白状します。
    荒井良二さんの絵本、実はあまり好きではありませんでした。
    勢いに圧倒されて。しかもなんだかよく分からなくて。
    でも何故か荒井良二さんの絵本って気になって。
    なんだろう、この人の絵本を眺めていると生きる希望みたいなものを感じるんだよね。
    明日も(今日も)いい日になるかもしれないっていうさ。
    結論。
    今でもよく分からないけど、荒井良二さんの絵本好きなのかもしれない。

  • 水平線を眺める、子どもたちがいる・・・今日も日が昇る。 船がとおるのを待っている。 ロバが来るのを待っている。 雨上がりを、夏を、ラクダが来るのを待っている。 雪が降るのを、お祝いの日を、夜が明けてるのを待っている。・・・いつもの風景、季節の移ろい、繰り返す日々のなかで、子どもたちは、いつもなにかを待っている・・・。 煌めく色彩で、子どもの心の内を描いた<荒井良二>さんの夢想。

  • こどもたちが待っている日々が素敵なものでありますように。世界情勢が不安定で、新型コロナや、災害で心休まる日がありません。子どもたちの心が少しでも、希望が持てますように。荒井良二さんの黄色をはじめとするカラーに癒されてます。

    追記
    2022.4.21の朝日新聞の29 文化面に長谷川義史さんの記事を読みました。「絵本を読んで笑っていられるためには、平和な世の中じゃないといけないんです。」
    ウクライナの青・黄の二色旗のように思えてきて、改めて読みました。どうかこどもたちがおだやかに、明るい空や山をゆっくりとみつめられるようになりますように。「こどもたちはまっている」
    優しさや希望や夢を待っています。

  • 毎日、いつも、何かしらを待っている。
    お昼休憩、終業時間、夕飯、週末、図書館で予約している本の順番、長いお休み、観たい映画の公開日…
    それは楽しいことだ。
    まぶしい。

  • (2023.8)
    あとがきに

    ぼくが大学生の時に、長新太「ちへいせんのみえるところ」を
     手に取ることがなかったら、絵本を作っていなかったと思う。

    と書いてあった。
    何の気なしに読んで、いい本やなぁ~と思ったけれど、でも、その本ができるまでに深い思いがあったんだなぁと、じーーーんとする。

    絵本を通して人生を考えてしまった。

    山形県のおいしいコーヒー屋さんに置いてあった絵本。
    よく見たら作者も山形生まれ。
    なんか、それっていきじゃないか!!もしかしたら、ほかの絵本もみんな山形県出身の作者さんを集めたのかな??と思って、見たら…。


    たまたまだったのね。(笑)
    でも、かわいい本が置いてあって、店主の(ファンっぽいマダムがいたから店主ではないかもしれないけれど)絵本のチョイスに感動。そしてコーヒーも薫り高くておいしい。また絵本とコーヒーに会いに行きたいな。

  • 荒井良二さんの絵本、こどもはどうも好きじゃないようで見せてもいつも「いらん」の一点張り。しばらく読むのはやめようと思う。

  • 写真のようなリアルな絵ではないのに情景が浮かんできて、色づかいが素敵で元気が出る。

  • おとなの絵本かな、と思う

  • 待っているっていいな。わくわくする。

  • 何かをまってるときのワクワク。
    子どもの頃のピュアなきもち。
    忘れずにずっと持っていたい。

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著者プロフィール

1956年山形県生まれ。『たいようオルガン』でJBBY賞を、『あさになったので まどをあけますよ』で産経児童出版文化賞・大賞を、『きょうはそらにまるいつき』で日本絵本賞大賞を、『こどもたちは まっている』で日本絵本賞を受賞するほか、2005年には日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど国内外で高い評価を得る。また、NHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストを担当、2018年まで「みちのおくの芸術祭山形ビエンナーレ」芸術監督を務めるなど、その活動の幅を広げている。

「2023年 『みんなたいぽ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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