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- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784751527795
感想・レビュー・書評
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3500年前の青銅期の古代ギリシア。リュコニアの森に妹と二人で暮らす「よそ者」の12歳の少年ヒュラスは、ある日突然黒い戦士たちに襲われ、飼い犬を殺され妹ともはぐれた。逃亡の中、墓に隠れた折、死を待つケフティウ人から青銅の短剣を渡され、彼はヒュラスに海に行くと告げて息絶えた。その短剣こそ、カラス族と呼ばれる黒い戦士たちの力の源で、彼らはそれがある限り無敵と言われていたが、「よそ者がその短剣を振るうときコロノス一族は滅びる」とのお告げも出ていた。その「よそ者」がヒュラスではないかと疑うカラス族は、彼を殺すべく追いつめていく。イシを探すこともできぬまま彼は運命の渦に巻き込まれていく。
神々や精霊が人々に影響を与えていた時代、自らの運命を拓くべく奮闘する少年と少女、支える動物たちの姿を描くアドベンチャーファンタジー。
*******ここからはネタバレ*******
「クロニクル 千古の闇」の作者らしく、しっかりした時代考証に安心して物語の世界に浸れる。
ただ神々の裁量が大きすぎるので、物語が都合よく展開しすぎ、興醒めになる点も多々あった。
また、ヒュラスの元親友テラモンの変容の理由や、テラモンの父が一族の中でどのような立場だったのかも最後まで明かされず残念。
さらに、ヒュラスに短剣を渡したケフティウ人が、カラス族にとってどのような存在であったのか、どうして短剣を盗んだのか、これも最後まで不明で、未消化感が残る。
中学生以上とされていますが、高学年で十分いけます。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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