- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751529348
作品紹介・あらすじ
10歳のゴードンは、独自の魔球を編み出し、無敵のピッチャーとして活躍していたが、その野球人生には大きな壁が立ちはだかっていた。抜群の調査能力で、ゴードンは明るみにされていなかった真実を知り……。
感想・レビュー・書評
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野球小説だと思って読むと、「思ってたんと違う」となるので小学生男子が読書感想文に使おうとするのにはあんまりおすすめできない。
真面目な児童文学作品であった。ケイティが男子顔負けの素晴らしいピッチャーで、リトルリーグのスカウトも受けるけど、規約上「女子はリトルリーグに入れない」というところから断念せざるを得なくなる。
ここで作者としては二つの道が用意されていて、一つはリトルリーグ側の主張を覆して新たな扉を、いっちまえばガラスの天井を突き破るストーリーライン。もうひとつは本作で採用したような、この挫折をバネに「かつていた女子メジャーリーガーの記録の発掘」からの学校での発表、ついには新聞の取材、シールズスタジアムでの現役選手との一打席勝負――。後者のほうがリアリティ、つまりは現実的に取れる行動なのではあろうが、圧倒的に面白いのは前者だったろうと思った。
作者としてはウーマンリブ的な側面のメッセージ性を推していきたかったのだろうが、読書感想文は嫌いだけど野球は好きな小学生男子がようやく見つけてきた「読めそうな本」がこれだとちょっとかわいそうかなあとは思った。なんとか読んで書いてたけど。最後の方は「おれの好きな変化球」ばっかり書いてたけど。 -
100冊ビブリオバトル@オンライン第22ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。
2020.08.22〜23 -
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11442364
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女の子、黒人、日系人…。偏見からくる不条理と、どのように闘うべきかが分かる童話。
主人公は、野球が大好きな10歳の女の子。舞台は、1957年のサンフランシスコだ。
公民権運動や、スプートニクショックといった、アメリカ社会の通説に脅威を与えた事件のことも、知ることができる。
アメリカ的でも日本的でもないチーム“シャザム”のメンバーは、はた目には目標が違っていても、それぞれが支え合い、常に自分で考えている。
それは、コロナ禍であっても、善く生きていくために必要不可欠なことでないか、と私は思う。 -
表紙とタイトルからするとスポ根もののようだけど、実力があっても、規則をたてにリトルリーグに受け入れられず悔しい思いをしている主人公のケイティが、忘れさられて歴史のなかに埋もれている過去の女子選手たちのことを調べ、研究をまとめていくという話。理不尽なことへの対抗手段をケイティに教え、しっかりとサポートするお母さんをはじめ、ケイティのやる気をしっかりとみとめてくれるまわりの大人たちもすてき。「そういうものなんだからしょうがない」と、長いものに巻かれてしまわないことって、大切なんだと思わされる。
ひとつだけ「ジャージ」は、そのままカタカナで書くとトレーニングウエアを思いうかべるけど、米語のjersey はユニフォーム(レプリカ含む)のことですね。そこだけ気になった。 -
女の子だから、という理由で大好きな野球ができないなんておかしい!主人公は野球の歴史を調べてジェンダー問題に真っ正面からぶつかっていく。
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児童文学書はあなどれない。わたしたちが、大人になってから読んでも、人の心をつかむことが多々あるからだ。
1957年、アメリカの小学5年生が、魔球のような特殊な変化球を武器に、友達と野球を楽しんでいるところを、リトルリーグのスカウトに誘われ、トライアウトを受けるものの、女の子であることを理由に参加を拒否される。そこから、リトルリーグに対して、過去の実在の女性選手の存在などさまざまな情報を武器にして、この組織の考え方に風穴を開けようとする物語だ。その執念たるや凄まじいものがあ
り、熱風のようなものを感じることができるため、一読をお薦めしたい。 -
ケイティ・ゴードンは、草野球のエース。剛速球と変化球で男子バッターを次々と打ち取っていた。それを見ていたリトルリーグのスカウトに選抜試験への参加を薦められる。自分が女子だと言わずに試験に参加したケイティは見事合格したものの、「女子は参加できない」という規則に阻まれてしまう。ゴードン家の女性は、決して負けない。ケイティは「女子には野球はできない」という偏見と闘うため、野球の歴史を調べ始めた…。
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主人公もお母さんもお姉さん,友達に至るまで,女性が生き生きと自己実現していくところにワクワクした.男性の性差別は今でもあるが,1950年代はもっとひどかったことがよくわかる.たくさんの女性たちが頑張った結果なのだろう.