- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784752010722
感想・レビュー・書評
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少年犯罪で補導委託という制度があることは、全く知らなかった。
バイト先で暴力をふるった円人がの補導委託を引き受けたのは、煙火店を営む深見。
複雑な生い立ちの円人と、辛い過去のある深見がお互いを信頼していく過程が丁寧に描かれていた。
深見が円人は花火師に向いていると感じた3つの理由「当たり前のことを当たり前にやる」「観察力がある」「花火に心を動かされる」は、どんな仕事をする上でも大事なこと。
先入観を持たず、そういう円人のよさをしっかり見抜いてくれる人と出会えたことが、本当によかったなと思った。 -
YA向け。
表紙が美しくて、手に取るだけで花火の話だとわかるのがいい。
子供だけでなく大人も、本の内容がわからない時は、だいたい書名と表紙で読む本を決めてしまうので、これほど見事な花火を見たらついつい手に取ってしまう。
傷害事件を起こした少年、円人が信頼できる大人たちに見守られ、成長する姿がよかった。真面目で寡黙で、家庭環境が厳しかったから、ついつい手が出てしまっただけで、彼は悪くない。相手が悪い。でも、殴ってしまったから犯罪。そういうことって、世の中多いのだろうな。
職人さんが減っている現代。職人さんになろうとする若者が増えるといいな。 -
安全に、美しくひらくのを周りの人が見守る、花火も人も。
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障害事件とか少年鑑別所とかショッキングなワードのある中、
表紙の見事な花火から始まる本書を、反抗心があるのだけれど、素直な言動の主人公に安心しながら読み終えることができた。 -
花火の、夏の、青春小説だと思ったら、大間違いです!
児童文学作家だけあって、読みやすく、するする進める物語ですが、しっかり読みたい作品でした。
花火や家族、補導委託先の皆さんの優しさ、心に変化が起こる青春もの。
また読みたいと思う良き作品。 -
煙火店の面々が温かいよね。
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ひとは誰しもあやまちを犯すことがある。見事な装丁と少年の成長。
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アルバイト先で暴力事件を起こし試験観察処分となった17歳の鳴海円人(えんと)
補導委託を引き受けた煙火店を営む深見静一(せいいち)のもとで暮らすことになる
花火師の修業に励む双子の兄弟
静一の家族の隠された事情
そして円人の不幸な生い立ち
〈もしかしたら家族ってこんな感じなんだろうか。〉
折り合いの悪い祖母と二人で暮らしてきた円人が煙火店に居場所を見つけ、前に向かって歩み出そうとするが……
子どもの本からYA・青春小説まで、さまざまなかたちの家族をあたたかく描き続けるいとうみくの最新刊は“心をゆさぶる再生の物語”、2023年8月刊
〈この瞬間を忘れずにいたい。〉
打ち上がる円人の花火とともに回収される伏線がストーリーをあざやかに彩る -
中学から。しっかりと落ち着いたドラマが見えてくる文章。補導委託先の煙火店との縁によって、1人の少年が温かい人との繋がりと花火の仕事を知っていく。感情のコントロールや、仕事の大切なことが描かれている作品。