- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784752100027
感想・レビュー・書評
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一頃、何度も繰り返し読んだ大好きな作品。
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五つの短編が含まれているが、何といっても「倒錯の森」が素晴らしい。
(この「倒錯の森」だけは、中編といってもいい長さではある。)
こんな小説が書けたら死んでもいい。
あるいは死ぬときはこんな小説を読んでいたい。
というくらい。
壊れた詩人と、その詩人に壊される女の話。
「荒地ではなく 木の葉がすべて地下にある 大きな倒錯の森なのだ」
サリンジャーの物語はいつも「俗世」と「そうではないどこか純粋な世界」とが出てくる気がする。
あらすじがどうこうよりも、小説から発せられる光でぐいぐい読み進めさせる。
文章の密度が高くなく、少しの「すき間」が文章にあり、そこから発せられる木漏れ日のような光。
思春期のせつない記述から始まり、大人になって少しずつ壊れていく人間達。その崩壊には思春期のせつない記憶が多大に影響している。
俗世間では「精神的に壊れている」と呼ばれる芸術家達。しかしそれを「壊れた」と呼ぶのは果たして正しいのかな?
お風呂で読んでて「まだ読みたい、まだ読みたい」となって、お風呂からなかなか出られない、そんな本だった。
そして読み終えたことがさみしくなる、まだまだ読んでいたい本だった。 -
サリンジャーって、すごい面白いと
改めて感じさせられた。
読むたびに、違う印象を受ける感じ。 -
これで,とりあえず日本語で書かれているサリンジャーは制覇.
サリンジャーに関してはもはや書きすぎたので,もう書かなくてよいかと思う.
ライ麦畑でつかまえて,が一番有名なのだけれど,グラース・サーガのシリーズの方がずっとよいと思う.ちなみに村上春樹のキャッチャーインザライは論外.台無し. -
あまり陽の目に当たらない作品集なんだけども なんというかサリンジャーの中で一番人間味の溢れてるんじゃないかと思う 特に良かったのが『ブルー・メロディ』
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サリンジャー もう一度だけ 書いてくれ