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- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784752100386
感想・レビュー・書評
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スコット・フィッツジェラルドはかつて20歳だった頃の僕がとても好きな作家だった。
中でもこの本に収められている「冬の夢」という短編はついにかなえられなかった美少女への静かな、そして強烈なあこがれを冬の夢という言葉で表現した力強い物語である。この頃ある女の子に夢中になっていた僕は、この話に自分を重ね合わせていた。もうこうした恋をすることもないのだろうが、この話を今読むと、あの頃の心の震えの残像がかすかによぎるのだ。
フィッツジェラルドの短編集は文庫でもいくつか出ているが、この本の翻訳はなかなか素敵だと思う。神田の三省堂書店のそばにある古本屋で、この全集(3冊組)を手頃な値段で買えた時は、とても嬉しかった。あの頃は日がな一日、古本の背表紙を見て過ごすという贅沢な日々でもあったのだ。機会があれば是非手に入れて下さい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
その後のフィッツジェラルドを知っているからか、
この煌めきが一瞬で終わるからこそ美しい、と思わせる短編集。
喧噪のなかに感じる孤独感を味わえる。
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