俳句の玉手箱

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  • 飯塚書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752220534

感想・レビュー・書評

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  • 黒田杏子さんの、『俳句列島日本すみずみ吟遊』 に続く本です。二年以上空いています。実際は、『黒田杏子句集成』 が去年の暮れに刊行されていますが、まだ読んでいません。

    御影堂へ さみだれ萩の 風すこし

    お守りに 足摺山の 椿の實

    かなしびの 湖深ければ 除夜の鐘

    特に 「金剛福寺」 の椿は、四万十川ウルトラマラソンを完走した次の日、先輩と一緒に訪ねて、ことさら感慨深いものがあります。「季語の現場へ」 という黒田さんの姿勢に共感します。『日本列島桜花巡礼』、今は残花巡礼、『四国遍路吟行』 すばらしいです。黒田さんはどこへでもタクシーで乗り付けます。弘法大師の御心は無辺なので、それはタクシーでもかまいませんが、できれば私は走って回りたいと思っています。

    「手書きの箱」 と 「もんぺの箱」 は、評価しません。黒田杏子さんの俳句はいいが、地の文は、金子兜太さんと同じでかなり胡散臭いです。「隠れ俳人」 だとか 「生涯一女書生」 だとか、まあ、それが魅力でもありますが....黒田さんの 「もんぺ」 は、「もんぺ」 にして 「もんぺ」 にあらず。もんぺ狂いは止めてほしいです。これは、大塚末子さんの 「もんぺスタイル」 による新しいファション、「ニューもんぺ」 とでも言うべきものです。親父の代から50年、日本の 「もんぺ」 の生地を提供してきた私が言うのだから間違いありません。「花衣」 として 「もんぺ」 は着ません。「もんぺ」 にももちろん色んなデザインがあります。「インドやバングラディッシュとか、そういうところで作られている...染色品で、...とてもリーズナブルな値段なんです。」 限がないけど、「水性ボールペン、ちょっと線が細くなったりかすれかけると、すぐ新しいのに替えちゃう。...それくらいのぜいたくは許してもらえるでしょう。」 とか、耳を覆いたくなります。

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著者プロフィール

1938年東京生まれ。東京女子大学心理学科卒業。「夏草」同人を経て「藍生」創刊・主宰。第1句集『木の椅子』で現代俳句女流賞と俳人協会新人賞。第3句集『一木一草』で俳人協会賞。日経俳壇選者。
主な著書『俳句と出会う』『黒田杏子歳時記』『証言昭和の俳句』『布の歳時記』『季語の記憶』『俳句列島日本すみずみ吟遊』他。

「2008年 『俳句の玉手箱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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