近代日本の中国認識 徳川期儒学から東亜協同体論まで

著者 :
  • 以文社
4.25
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753102914

作品紹介・あらすじ

― グローバル時代の〈他者理解〉のために ―
江戸期儒学から「帝国」日本の思想的帰結としての東亜協同体論まで、日中関係の精緻な思想研究の成果に立って、グローバル時代の日本の国民的課題である〈他者理解〉の問題を照射した画期的思想史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 近代日本の中国認識 徳川期儒学から東亜協同体論まで
    (和書)2011年11月23日 21:45
    松本 三之介 以文社 2011年8月11日


    柄谷行人さんの書評から読んでみました。図書館へリクエストして購入して貰った。感謝しています。柄谷さんの書評は外れがないから安心です。

    とても面白い内容だった。もっと自分自身も踏み込んだ考察・思索・運動・活動をするべきだと思うようになった。

    僕は右翼というものの暗黒圏みたいなものに囚われてしまうことを恐れていた。しかしそういうものをもしっかり自分自身で捉えていかないと駄目だろうと思った。中国と日本の関係の中にある「相手を軽蔑する方法」というもの。簡単に言えばそういった「相手を軽蔑する方法」のようなものが自分自身に向けられることも自分自身がそれに囚われてしまうことも両方怖かった。

    そういう姿勢にある矛盾を絶えず意識すること、自己矛盾を意識することによって恐れず考察・思索・運動・活動していきたいと思った。

  • 東2法経図・開架 319.1A/Ma81k//K

  • 松本三之介『近代日本の中国認識 徳川期儒学から東亜協同体論まで』以文社、読了。「聖賢の国」としての敬意から「固陋の国」としての蔑視へ。本書は江戸期から日中戦争へ至る日本人の中国認識を的確に通観する一書。西に向かうことは東を見直すことでもある。優れた他者理解の思想史。

    翠点は日清戦争。基本的に日本は中国の軍事力を非常に恐れていた(戦後には忘れられたが)。以後、アジア諸国の連帯で西洋列強に対抗するという発想もあるものの、三木清の東亜協同体論にみられるように日本中心へシフトしていく。これが限界か。了。

    余談、松本三之介『近代日本の中国認識』以文社。眠いので細かいのは後日。ただ明治日本の清朝脅威論を読むと、岡本隆司『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)を想起。倭寇以来、中国には日本の軍事力に対する警戒も続くとの指摘があるから。名誉白人的欺瞞に対する不信の増長も視野に入れておきたい

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1926年茨城県に生まれる。1948年東京大学法学部卒業。現在,東京大学名誉教授。
著書
『天皇制国家と政治思想』(1969年,未來社)
『国学政治思想の研究』(1972年,未來社)
『近代日本の知的状況』(1974年,中央公論社)
『近世日本の思想像 歴史的考察』(1984年,研文出版)
『明治精神の構造』(1993年,岩波現代文庫、岩波書店)
『明治思想における伝統と近代』(1996年,東京大学出版会)
『吉野作造』(2008年,東京大学出版会)
『近代日本の中国認識 徳川期儒学から東亜協同体論まで』(2011年,以文社)
『「利己」と他者のはざまで 近代日本における社会進化思想』(2017年、以文社)など、多数。

「2018年 『増補 明治思想史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松本三之介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
中村 江里
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×