明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)

著者 :
  • アスキー
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756150943

感想・レビュー・書評

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  •  著者は電通のクリエイティブ・ディレクターだが、私には「www.さとなお.com」の「さとなお」さんとしてのほうがなじみ深い。

     「www.さとなお.com」は日本の個人サイトの草分け(1995年開設)で、私も自分がネットを始めてすぐのころから巡回サイトに加えている。ほぼ毎日更新される同サイトを通じて、かれこれ10年近くもさとなおさんの生活の一端に触れているのである。ゆえに、一面識もないのに昔からの知り合いのような気がする。

     だいたい私は広告業界にあまり興味がないから、さとなおさんの著書でなければ手に取ることもなかっただろう。
     だが、読んでみたらたいへん面白い本だった。「広告のいまとこれから」を、私のようなド素人にもわかりやすく、手際よく概説してくれる良質な入門書である。

     著者は、ネット時代到来からのこの10年間で、広告の置かれた環境は激変したという。

     「広告は消費者へのラブレター」と昔から言われるが、喩えるなら昔の広告はモテモテ男で、ラブレターさえ出せば相手(消費者)はすぐなびいてくれた。
     しかし、いまやすっかりモテなくなって、相手はラブレターを受け取ってさえくれない。たまに受け取っても、そこに書かれた口説き文句をなかなか本気にしてくれない。だからこそ、時代の激変に合わせてラブレターの中身も口説き方も変えなければならない。

     ……というふうに、本書では一貫してラブレターの比喩が使われていて、わかりやすい。それでいて内容は最先端で、「広告のいま」を知るための用語やトピックが、ひととおり理解できるように作られている。

     主要読者として想定されているのは、広告業界に入りたての若者とか、仕事上広告とかかわってはいるが業界の最先端がよくわからなくなっている人たち、なのだろう。
     しかし、まるで門外漢で、むしろ広告業界に対してよい印象を抱いていない私(=1980年代の広告文化全盛期に、おいしい広告仕事とは無縁の駆け出しライターだったことからくるルサンチマンの集積による)にとっても、面白くてためになる本だった。

     随所にちりばめられた、最先端の広告事例を読むだけでも愉しい。

     たとえば、バスの屋根に「飛び降りるな!」というコピーを大書した、人材派遣会社の広告があったのだという。
     その例のように、「いままでメディアと思われていなかったものを、アイデアによってメディアにしてしまうことをメディア・クリエイションと呼ぶ」のだそうだ。なるほどなるほど。

  • 「スラムダンク1億冊感謝キャンペーン」に携わった、佐藤氏の書籍。何かtoCでMKTとかするときようのメモまで。

    【機能→情緒に変わった消費者を待ち伏せる7つの方法】
    気まぐれにメディアを渡り歩く消費者にどう偶然を装って出会うか。やや無理して7つにしている印象もあるが(相互に関連しているところもあるので)、

    1.消費者のコンタクト・ポイントで待ち伏せる
    顧客との接点を全て抑えておく必要がある。ネット、店頭、友人、Amazonなど、その中で気持ちを高めるさせる。(Amazon検索→そのまま購入には勝てないが…)

    2.新しいメディアをつくる
    ナイキがゴミ箱をバスケットゴールに見立て、消費意欲を高めた、など

    3.口コミを利用
    人に伝えられることを目的にしたコンテンツを配信(パロディられる、シェアされる前提)

    4.CGMで待ち伏せる。
    Consumer Generated Media。有名人や名ブロガーに「いいね!」の言葉を引き出すように働く。悪例としてペニオク。

    5.エンタメで待ち伏せる
    映画の劇中で商品を利用してもらうことで広告とし、視聴者を消費者にする。

    6.検索結果を利用する
    SEO(Search Engine Optimization)。検索の結果画面の上位に自社サイトが表示されるよう対策する。AISAS(Attention→Interest→Search→Action→Share)

    7.メディアをニュートラルに考える
    メディアといったらCMやWebに縛られない。ドックフードなら電柱広告もあり。

  • 明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)

  • kindleストアで購入。

  • 一流の広告マンの考え方に触れられる

  • ラブレターが相手の手に渡りやすかった。他に楽しいことがなかったので、ラブレターが喜ばれた。渡したラブレターをちゃんと読んでくれた。

  • 読了

  • 広告関係の仕事をするために読みました。
    他のレビューで書いてあったように入門書として読みやすく、作者の経験談を織り交ぜながらの展開は広告の仕事の魅力が伝わりやすかったと思います。
    もちろんそれだけでなく広告業界で仕事をするにあたり意識すべき点など学ぶところも多かったです。

  • わかりやすい内容でネットが出現してからの広告のあり方、コミュニケーションデザインについて必要性、考え方、チームビルディングについてなど書かれている。

    わかりやすい文言でとても読みやすい。また、事例を一緒に挙げていて理解しやすく配慮されている。

    マーケだけでなく、企画、メディア、営業さんなどすべての消費者に向く仕事をしているひとに一見の価値ありだと思う。

    ただ1点だけコミュニケーションデザインで最も重要としている消費者の理解する部分の具体的なやり方や手法が載っているとより実際にアクションに起こしやすいと思う。

  • 当時広告業界にはかなり衝撃的な内容だったと思います。デジタル化とソーシャルメディアの浸透で今までのマスコミュニケーションが機能しなくなったことをわかりやすく説明しています。

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著者プロフィール

◉──株式会社ファンベースカンパニー創業者、取締役会長。大阪芸術大学客
員教授。助けあいジャパン代表。花火師。1961年東京都生まれ。
◉──㈱電通入社後、コピーライター、CM プランナー、ウェブ・ディレクタ
ーを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築す
る仕事に従事。2011年に独立し、㈱ツナグ設立。19年、㈱ファンベースカンパ
ニー設立。
◉──著書に『明日の広告』『明日のコミュニケーション』(アスキー新書)、
『明日のプランニング』(講談社現代新書)、『ファンベース』(ちくま新書)な
ど。最新刊は『ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ス
トーリー』(津田匡保氏と共著、日経BP)。

「2022年 『ファンに愛され、売れ続ける秘訣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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