茶の本

  • パイインターナショナル
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756252807

作品紹介・あらすじ

〝美のカリスマ〟岡倉天心が世界にアピールした、日本人の本当の美意識

日本の美の心を茶道の美意識から説き起こして、世界に衝撃を与えた名著の初のビジュアルブック化!「茶の本」は、茶道の作法などを解説した書物ではなく、茶道を禅や道教、華道などとの関わりから広く捉え、日本人の美意識や文化観を欧米人に向かって説いた評論ですが、日本人にも「美の本源」「芸術の本質」「人生の本義」を教えてくれる一書でもあります。大川裕弘氏の美しい写真と共に、その世界観が味わえます。

感想・レビュー・書評

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  • 明治期に日本文化の発信に尽力した岡倉覚三(天心)の『茶の本』を、イメージ写真を織り交ぜながら再編した本。

    岩波文庫で一度読んだのだが、元が短い文章なうえ、細かい字で書いてあるため、読み流してしまった部分もあったように感じていた。そこで、イメージを浮かべながら読むことのできやすそうな本書で再度『茶の本』を読み直すことにした。
    が、結論から言うと、本書は岩波文庫版よりも読みにくかった。写真が文章の途中で挟まり、さらにイメージの元となった文章が再度引用されるため、頭の中で内容がとぎれとぎれになってしまうのだ。いっそのこと、本文すべてを載せるのではなく、写真と引用文だけにし、『茶の本』の導入本とした方がよかったのではないだろうか。

    内容についての感想は以前に読んだ岩波文庫版で書いているので省略するが、ロシアのウクライナ侵攻など不穏な世界情勢の中で、多様な文化を尊重する心を説く『茶の本』は、現代にこそ求められる内容といえるかもしれない。

  • 岡倉天心の名著 茶の本。
    言葉遣い、文体含めて染みる本。

    メモ
    ・茶道の要義は不完全なものを崇拝するにある
    ・真理は反対なものを会得することによってのみ達せられる。
    ・真の美は只不完全を心の中に完成する人によってのみ見出される。人生と芸術の力強い所はその発達の可能性に存した。茶室に於いては自己に関連して心の中に全効果を完成することが客各自に委されている
    ・傑作と言うものは我々の心琴に奏でる一種の交響楽である。心は心と語る。無言のものに耳を傾け、見えないものを凝視する

  • 「茶の本」といいつつも、人生において大切なことを教えてくれる本。
    「茶室」「芸術鑑賞」「花」「茶の宗匠」からは自分の暮らしの改善点が多くわかり、特に学びになった。

    【自分の部屋について】
    ・自分の心から美しいと思うものを1点選ぶ。それにあうように空間をつくっていく
    ・その美しさを妨害しないように無駄なものを置かない
    ・収集することに価値をおかない
    →断捨離、掃除、シンプルな部屋

    【芸術鑑賞について】
    ・美術館は気になった作品を時間をかけて楽しむ
    ・前回よりも少しでも美しくなって美術館へ行く
    ・記念にとりあえず買うのではなく、本当に気に入った作品のポストカードを購入する

    【生活について】
    ・部屋、身なりを第一に気を配る
    ・欲求に惑わされずに、日々すべきことを後回しにせずに行う

    「変化こそは唯一の永遠」。これを機に暮らしを変化させ、綺麗な人になりたい

  • 粋につうじる美学。
    本当のオシャレは流行を追うだけではない、掛け軸と同種のものを活けるのは野暮、など、日本人が感じる美しさがよくわかる一冊。
    岡倉天心ってたしかボストン美術館の学芸員だったような(うろ覚え)。
    だからこそ、客観的に見える部分もあるんだろうなと思いながら読んだ。
    トーンを抑えた写真が「侘び寂び」の世界観を写し出していて、読んでいて心に静寂をもたらす。
    ”人は己を美しくして始めて美に近づく権利が生まれるのであるから”
    という一文。
    そして千利休の生きざまに胸を打たれた。

  •  抹茶、緑茶を味わう人の写真や、抹茶の入った湯飲みの鮮明な写真が写真の方は特に良かったです。  以外だったのが、人は茶を昔薬だと思って飲んでいたという所でした。

  • 大川さんの写真をさらに追いかけたくて
    手に取った。

    茶の心について、芸術について
    美について。
    深く考えさせられた。
    今回も、大川さんの写真があることで
    引き込まれ、極上の茶をいただく想いで
    ページを繰る。

    美しい言葉と写真が
    すーっと入ってくる。

  • 表紙にやられて。岡倉天心の茶の本。

  • 岡倉天心がお茶の事、心を教えてくれている。
    作法うんぬんじゃなく、まずは心得を学んでからで作法は二の次じゃないかなって思いました。
    その心を広く世界に発信している事に感動です。
    日本の文化を自信を持って世界へ、今こそ世界へ❣️

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