ジプシーの幌馬車を追った: 流浪の民のアウトドア・ライフ (奇聞総解 1)

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  • 大村書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756350077

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  • 迫害されれば人間は雑草のように強くなる。
    ユダヤ人は戦後、賠償を求めたが、ジプシーはしなかった。ユダヤ人も故郷を失った流浪の民だったが2つの民族の違いは、ユダヤ人は財力と権力を求め、社会の上層に向かおうとしたが、一方ジプシーは社会の中で目立たぬように下方、アウトローを目指した。
    ジプシーにとって乞食は商売である。
    ジプシーにとってヨーロッパ社会は略奪の対象でしかない。
    ジプシーといえば占い。しかしこれも略奪だから当たるかどうかなんてのは胡散臭い。
    いつも思うが、欧州にインド風のジプシーがいたら中世時代はさぞかし不気味な存在だったんだろうな。
    ジプシーには文化がないのだ。文化のないところに発展はない。文化の基礎は文字だ。ジプシー語には文字がなく文法書もない。
    ナチスがユダヤ人という人種を標的に弾圧したことが明確だったのに対して、ジプシーは弾圧されたのか、放浪者だったから取り締まられたのか、はっきりしない。一言で言えば、人種差別か治安対策かの違い。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1949年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業。1974年、朝日新聞に入社。サンパウロ支局長、バルセロナ支局長、ロサンゼルス支局長などを歴任、40年にわたり主に国際報道の分野で取材を続けた。2014年に朝日新聞退職後も、フリーのジャーナリストとして各国の取材を続け、精力的に執筆と講演を行っている。「コスタリカ平和の会」共同代表。「九条の会」世話人。

大学時代、キューバで半年間、サトウキビ刈り国際ボランティアとして汗を流した。4年生の夏休みに朝日新聞社から内定を得るが、産経新聞社が進めていた冒険企画に応募。スペイン語とルーマニア語の知識があったことから「東大ジプシー調査探検隊」を結成して東欧へと旅立った。東欧では「日本のジプシー」を名乗り、現地のジプシーと交わって暮らした。日本初のジプシー語辞書を作り、帰国後は新聞にルポを連載、ジプシーを扱った映画『ガッジョ・ディーロ』ではジプシー語の翻訳を担当した。ジプシー調査でジャーナリズムの醍醐味を知り、1974年、再度入社試験を受けて朝日新聞社に入社した。

朝日新聞時代も、学生時代の突貫精神そのままに、市街戦の銃弾をかいくぐりながら、そしてときには会社とも闘いながら取材を続けた。フリーになった現在も変わらない記者魂を、本書の随所で感じることができる。

「2019年 『世界を変えた勇気 自由と抵抗51の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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