誇り高き老女たちの食卓

著者 :
  • NTT出版
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本棚登録 : 19
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757150737

作品紹介・あらすじ

「珍しくて、おいしいものは七十七日生き延びる、と昔の人は言ったものだよ」-人生の歳月を重ねてこそ、ほんとうに欲しいものを「ぽっちりと」いただくことの幸せを描いた表題作を含め、食をめぐる出会いと思い出に満ちた、味覚の豊穣な時間の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 随筆家、翻訳家の本間千恵子さんの作品を久しぶりに読みました。彼女の本は20年近く前に「父のいる食卓」を読んで以来ですが、随筆スタイルの文章と内容は私のお気に入りの一冊です。私の母と同じ年代の方なので、今回は老境に入った彼女の今まで交流のあった方々にまつわる食の文化のお話になっています。所々にとっておきの料理のレシピが載っているのも料理好きの方には見逃せないでしょう。

    父のいる食卓でも彼女に大きな影響を及ぼした彼女の父親の貪欲なほどの食いしん坊ぶりを幼少の頃の記憶を通して描写していましたが、今回も欠かせず登場します。その他海外で料理店を開いて活躍した姉のミチコさんの事、婚家の味つけとお姑さんの人柄、親友とのお話、坂本龍馬の故郷高知のお酒の話、評論家の故石垣綾子さんとの晩年の交流など‥生涯食の文化活動に力を入れてきた彼女そのものの美味しい文章が満載です。
    食育という言葉が今あらためて叫ばれている中、家族が食卓を囲む事の大切さを何年も前からこうした作品を通して啓蒙してきた意義は大きいと言えます。

  • おばあさんの年代の人が書いた食に関してのエッセイのようなもの。
    所々に老人の頑固さみたいなものも少し見え隠れしますが、概ね面白いです。
    手間は掛かりそうだけど作ってみたくなるレシピがいくつかのっています。

    鳥、子供の頃に私も小さい鳥の丸焼きみたいなものを食べたことがある様な気がする。あれはなんの鳥だったのかな。

  • もっと小難しいエッセイと思ったが、ちょうど私の母くらいの年代の食に関する思い出、主張のエッセイであった。私の食に関する意見に近い考えの方で、「なるほど、本当にそうだ」と思えることが多かった。生まれ育ちはこの年齢にしてはハイソサエティ、インテリジェンズの高い部類に入る人生を送っておられるが、その中で親子3〜4代の家族の食をになってきた方、また、海外の食事情をよくご存じの方で、この歳でこんなに前向きで、現代的な考えを持って生きていらっしゃることに脱帽である。この方の本をもう少し読んでみたくなった。

  • 2010.02.21 朝日新聞で紹介されました。
    赤のジャケットに釘付け・・・

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