詠う! 平安京 (4) (Gファンタジーコミックス)

著者 :
  • スクウェア・エニックス
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757542341

感想・レビュー・書評

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  • 平安時代の独特の感性が光る古文が好きな人も、その独創性に妙な苦手意識を持っている人も楽しめる内容になっている
    図書室に置くのに相応しいか、その点はやや微妙であるが、少なくとも、授業で使ったらウケは良さそう
    『うた恋い』(杉田圭)、『ちはやふる』(末次由紀)と共に、和歌にハマりたくなったなら、読んでおきたい一冊
    『うた恋い』は多くの作者の多種多様な“事情”を丁寧に描き、『ちはやふる』は百人一首に魅せられた人たちの熱い生き様を豪快に描いているが、これは設定が設定なので、フィクション色が割と強めな一方、最低限、押さえておくべき点はちゃんと収めてくれているので、三冊の内では最も、ストーリーに入り込みやすい
    この第四巻まで思ったのは、詰まるトコ、時代が移り進んだ事で人の気質には変化があったかも知れないが、人の本質は大きく変容したりしないってコト
    語弊があるかも知れないが、平安時代の人らは、現代の日本人と少し違って、自分の「やりたい事」がちゃんと解っていて、「やりたい事」をやる為に一生懸命だし、「やるべき事」をやる事に疑問を感じていなかったように思える。夢を叶える為には、着実に、自分が足を乗せても簡単には崩れたりしない段差を作っていくのが一番、そんな華美の背景に見える地道な努力が、現代の人らの一部を魅了してやまないのだろう。きっと、彼らに憧れ、それを意識して、または自覚せずに同じ行動が出来る現代人が「超一流」とその他大勢の人に讃えられる人物になるのだろう
    また、五感に刺激を受けた物を心から「美しい」や「素晴らしい」、「恐ろしい」、「偉大だ」と思うし、大事な人からの手紙に一喜一憂する。自分と器のデカさが違う人に対して憧れたり、嫉妬したりもする。酷いフラレ方をすれば怒るし、恨んだりもする。自分の現状を嘆くし、世の理不尽さに憤りもする。笑いを取りに走ったりもするし、淡々と目の前の出来事を伝えるだけで終わる時もある
    心が揺れ動いた、そんな時、平安時代の人は和歌を詠み、現在の人は声に出して歌う
    人の日常には古来から歌が付き物だったのだろう
    誰かに伝えたい感動、逆に、誰にも知られたくない本音があるからこそ、平安時代の人は筆を取り、技巧を駆使し、時には、一切の飾りもせずに詠んできた
    そのアピールしたがる“遺伝子”は確実に、現代の人間にも受け継がれているに違いない
    この巻では、かけがえのない人との別離、大きなドス黒い陰謀が動いている気配があり、これからますます、面白くなりそうな予感がする

  • 久しぶりに大泣きしました。
    悲しいけど、とてもいい話。
    そして主人公と同じく私もあの詠を最初に覚えたからすごく共感できたし、あの詠がより一層好きになりました。

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