- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757743717
作品紹介・あらすじ
「書かなくてもいい。ずっと側にいる」-そう告げるななせに救われた心葉。だが、そんな彼を流人の言葉が脅かす。「琴吹さんのこと、壊しちゃうかもしれませんよ」…そんな時、突然、遠子が姿を消した。空っぽの家に残るのは切り裂かれた制服だけ。心葉は遠子を追えるのか?露わになってゆく真実に、彼が出す答えとは?遠子の祈り、叶子の憎しみ、流人の絶望-その果てに秘められた物語が今、明らかになる…!"文学少女"の物語、堂々終幕。
感想・レビュー・書評
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シリーズ完結。狭き門を通った遠子先輩は幸せになれるとよいな。
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"文学少女"シリーズ本編の最終巻。
本シリーズは主人公井上心葉と
先輩であり"文学少女"である天野遠子を中心に描かれたミステリー。
1作目の『死にたがりの道化』を読んだときは衝撃を受けた。
本シリーズでは1つの話ごとにモデルになる物語があり、
その物語に登場人物をリンクさせながら話を進めていく。
例えば『死にたがりの道化』では太宰治の『人間失格』、
最終章となった本作ではジッドの『狭き門』である。
モデルの著作以外にも様々な本とその内容について話がでることもあるが、
その描写が幻想的だったりユーモア溢れたりして、
「読んでるこちらもその著作を読んでみたい」と思わせるほどだ。
また、作品の展開についても1作品で
登場人物の誰かに必ず心境の変化が起こり、
シリーズとしての物語の進行についてその変化が無駄になることが一切無い。
(ただ、2巻と6巻は個人的に読みにくかった。)
そして、そのシリーズの最終章となる『"文学少女"と神に望む作家』。
「素晴らしい」の一言に尽きる。
下巻の後半は読むのが止まらなくなり、
本編の終わり方とその後のエピローグの終わり方、
読み終えた際、それぞれ余韻が残り目頭が熱くなった。
内容についてはここでは言及しないので是非手に取って欲しい。 -
みんなお互いを大切に思っているようでいて、なんて傲慢な人たちの集まりなんだか。
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最終巻か、と寂しくなりながら読み始めました。しかし、読み終えるとすごくスッキリした気分。最後まで期待を裏切りませんでした。流人君は神に臨む作家上でかなり性格が黒く描かれていたけれど、心はもろくて不安定だった。それはともかく、ハッピーエンドで終わって良かったです。
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遠子先輩が心葉くんの物語を見つけてくれた人だったことが、私も嬉しかった。真実は残酷なものもあって、でもそれがわかったからこそ今の彼らがいるのであって。ようやくみんな幸せになれるのかなと思う。長い時間を経て、それぞれの幸せに向かって歩んでいってほしい。