- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758413145
感想・レビュー・書評
-
前に安積班のレビューに安積のキャラクターを成形するのに外側からの視点つまり他の登場人物からの視点をたくさん提示することで達成しているというようなことを書いたんですが
今回はそれに時間という縦軸を加えた感じ
安積の周りにある円をギューっと狭めていたのに対して螺旋を辿っていくとその先に安積がいるみたいなイメージです
そしてこの外からの視点で安積のキャラ付をすることで周りの人間の安積に対する信頼や尊敬がわかりやすく感じられるとともに安積を中心とした円のなかに登場人物が配置され全体の一体感が演出されていると思うのです
よって今回も安心して読めるのです
安積と臨海署の面々の絆が強固であることに何の疑念もなく読み進められるのです
(そろそろその絆にヒビが入るようなとんでもない長編が来そうですね逆に、安積と須田が対立し実はそのどちらにも深い信頼を寄せる村雨が間でおろおろするなんて面白そうそして速水だけは泰然自若みたいなね)
ただ今回はマイナス点が1つ
最後の短編の題名がずばり『家族』なんですよね
話の雰囲気や登場人物たちのやり取りで家族って思わせるのが粋なんじゃん
もう!無粋だわ〜w詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
安定感抜群の読みやすさ安積班シリーズ、今回は安積の警察学校時代から現在の係長に至るまでの歴史がメインの短編集。
若かりし頃の安積も真っ直ぐな男でカッコいいし、お気に入りの村雨も昔から杓子定規だし(良い意味で)、須田の洞察力もさすがだし、安積班のメンバーは昔からやっぱりイイ(≧∇≦)b
過去の話から現在に戻り村雨係長代理もいいね!行くゆくは村雨係長になり、○○署村雨班シリーズなんかが出ると嬉しいですね。 -
2021/07/03読了
#今野敏作品
東京湾臨海署の強行犯係に起きる
事件の短編集。
仕事に対して熱い安積係長の影響で
署内のメンバーが成長し、
家族のようなチームが作られていく。
ストーリーも明快で面白い。 -
4.3
面白かった。
安積の若い頃の話を読んで、思っていた以上に熱い奴だったんだなと、ますます好きになりました。
他の安積班面々のサイドストーリーもあり、より安積班に愛着が湧いちゃいました。
あとは黒木と速水の話を読みたいですね。
水野の安積班に来る前の話とかも。
-
安積班シリーズ最新作。
今回は趣向を変えて、安積の過去へ遡り、現在へと戻る。
俺が俺がの青い頃の安積が如何にして現在の、部下の話を聞き信頼し任せる理想の上司の姿になったのかが描かれている。
一番は本人の資質だろうが、やはり良い影響を与えた人々との出会いがあったからこそだと思える。
同期の速水、初めて配属された地域課やその後に配属された刑事課の先輩や上司、頼れる鑑識課の石倉等等…。
年齢を重ねるに連れて落ち着いてきた安積だが、その熱意や誠意は変わらない。
今回も部下を信頼し任せる姿が素敵。こんな上司のためなら部下も一生懸命付いてくるだろう。
このシリーズは短編の方が好き。キレが良い。 -
短編にして、安積をはじめとした各登場人物のいままで触れられてこなかった過去のストーリー、いわば”エピソード0”的な位置づけの内容になっています。
これを読むと、安積と速水の関係や村雨に対する安積の態度、鑑識の石倉係長がなぜ安積からの依頼に対して最優先で対応してくれているのか、など日頃の態度の裏側にあったものが明らかになります。
予めここまで考えていた内容なのか、本作を書くにあたり考え出された内容なのかはわかりませんが、こういったバックボーンがあることで各キャラクタの特性が引きたち、物語にも奥行きがもたらされることなろうというもの、いや、さすが今野敏です。
それにしても今日の”安積”は本人がもともと持っていた志や資質もありますが、三国をはじめとする数々の人たちとの出会いが大きく影響していることがわかります。
本シリーズを深く知りたい場合に、既出の「安積班読本」とあわせて読みたい一冊です。 -
安積の若い時からそれぞれのメンバーの過去まで掘り下げたとても楽しい短編でした。
-
シリーズ12作目だが、新作と云うよりサイドストーリ。各メンバーの過去の話が散りばめられている。ハンチョウ、いいなあ~
-
安積警部補シリーズ 第18弾
ベイエリア分署復活編 第11弾
安積の初任科から現在までの短編10作。
・初任教養
・捕り物
・織火
・最優先
・視野
・消失
・みぎわ
・不屈
・係長代理
・家族
安積と速水の初任科での出来事から、鑑識係・石倉との出会い、須田、村雨とのエピソードなど、これを読めば、なんとなく安積シリーズの魅力が解る1冊。
警察小説だけど、登場人物がみんな魅力的。
次はどんな事件が待っているのかな?