- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758413268
感想・レビュー・書評
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〈豊後のヘラクレス〉と呼ばれた天徳寺リイノと、豊薩合戦を描く。
以前の主・戸次鑑連や、恩師・冨来太郎兵衛といった、重要人物との過去が描かれないまま、唐突に現れる。
過去の章と現在の章も分断されているため、どこかに本編があるスピンオフのような感じ。
自分の出世のため、欲のため、裏切りと殺戮が当たり前だった、柴田治右衛門。
最初は身勝手な人間だけれど、どこか憎み切れない、人間的魅力があった。
キリスト教に改心していく、細かな変化もうまい。
天徳寺リイノとなってからは、聖人過ぎるきらいがあるが、大友のために尽くす姿はすがすがしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【天徳寺リイノ】
主人公。キリシタンであり、大友のヘラクレスと呼ばれる猛将。前半生は悪人、後半生は聖人。
【大友宗麟】
リイノの主君であり恩人。元は北九州一帯を治めた大大名。気分屋であり、前半生は名君、後半生は暗君。
【戸次鑑連(立花道雪)】
リイノの心の師。
負け知らずの名将。
島津家に敗戦を繰り返し、滅亡寸前の大友家を秀吉の援軍到着まで持ちこたえさせた、天徳寺リイノというキリシタンの物語。
前半生の悪行が後半生になっても苦しめ続けていた。
大友家の終盤は、よく生き残れたな!と思うような状態だったが、大友家のために命を懸けたヘラクレスがいたからこそだったんだな
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人は、変わることが出来るのか。罪は、償い切ることが出来るのか。
最近本を読んでいて気になりだしていることがある。それは作者の「人となり」である。雑誌などで作者自身が作品について語っていたり、SNS等で発信をしていたり。他者による批評も、とても気になる。もっと、作者のことを知りたい。 -
んー、なんだろう、このよくわからない読後感は。何かが起こるかと思って読み進めたら、なにも起こらなかった大円団というか、変化球がすっぽ抜けて、全部まっすぐど真ん中みたいな。んー、徒労感。