- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435154
感想・レビュー・書評
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面白かったです。
上巻の続き…なのですが、ある意味別のストーリー。
下巻の前半は、上巻で起きた誘拐事件のからくりが明かされます。
それを語るのが犯人のうちの一人の心情と首謀者の手紙、という個人的にはあまり好きではない手法なのですが、そういった私の嗜好をもってしても面白いと思える仕上がりでした。
独白とも言える首謀者の手紙における、感情・感性の描写の細やかさというか、繊細さというか。
下巻の後半は舞台が仙台に移り、上巻で起きた誘拐事件そっくりの事件が起きます。
被害者となる家庭の長女の手記によって記されるこの事件の真相が、とにかく痛快。
事件はさっぱり解決していないのに、爽快さを覚えるから不思議。
面白かった、と声に出して呟いた一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上巻の淡々とした感じから、いきなり深くなってくる感じ。
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連城さん、初読み。 面白かった。でも、難しかった。
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うわっ、こう来たか!という感じ。次から次へと「実はこうだった」という真相が明かされ、その全てが予想の斜め上だった。一つの誘拐事件を、マトリョーシカのように幾重もの箱で包んで、それを一つずつ箱から出していくかのようなイメージ。しかし、川田が実は○○○だった、という部分こそが本書のハイライトにして最大の種明かしだと思うので、最終章はやや蛇足に感じた。エピローグにしてはやや長い上に読み応えもあるので。
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3
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美しい。
文章が、トリックが、感情描写が。
犯人は、最初は色仕掛けで共犯者を操ったかのように書かれていたけど、第2の事件では違うことが分かる。
そういうのを超越した魅力が、この犯人にはある。
ただ事件が起こって、犯人を推理するだけじゃない面白さが、ミステリなんだけどその枠を軽く越える。
登場人物みんなが癖があって、面白い。 -
最高の誘拐ミステリだった。