虎が雨―立場茶屋おりき (ハルキ文庫 い 6-18 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2012年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758436649
感想・レビュー・書評
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巳之吉さんのおりきさんを見つめる熱いまなざしが容易に想像できるほど巳之吉さんの想いがひたむきで胸が熱くなる。
なかなか進まない二人の仲がじれったい!
「虎が雨」なんて言葉初めて知った。
ほんと日本語の季節を表す言葉、表現が豊かで美しいなぁと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
立場茶屋おりき、、、腐んの笑いと涙を湛えつつ・・・大好評のシリーズ11段と、、、帯に書かれているのだが、おりきの奮闘ぶりが、毎度感じられる。
料理の内容の明細が、女性時代小説を読むたびに、詳しく掲載されている。
作り方まで、、、細々と、書かれているのだが、、、昔は、一人で、そして、七輪や竈で、ここまで、料理の数を作ったのだろうか?と、思われる節が、否めない。
女将の素質におりきとおふでの違い。
育ちの良さは現れるもの・・・傍目には、ふわりとした仏性(ほとけのしょう)の女ごに見えても、芯に、何があろうとも微動だにしない強さを秘めている・・・と。
6日の菖蒲に10日の菊って、端午の節句、重陽の節句になぞらえて、1日遅れりゃ無駄になるという言葉を知った。
2月の節分の時の巻きずしも、廃棄になる量が膨大で、今年は、予約とかの配慮で、皆自粛ムードだったが、この言葉は、なるほどと、思えた。
東京の品川にはよく行くのだが、、、「虎が雨」の所で、南駅(なんえき)品川宿の説明で、御殿山の花見に始まり、品川沖の潮干狩り、富士詣に大山詣、江の島弁財天詣、湯治客、、、、品川三役の七夕、大龍寺施餓鬼、二十六夜(にいざよい)、八月の十五夜、九月の後の月(十三日)、、、、
なるほど、品川が、栄えた理由が、よくわかった。それに、大川の川開きの頃よく雨が降るので、「虎が雨 玉屋鍵屋も貰い泣き」という川柳があると、初めて知った次第である。
時代小説を読むと、今まで知り得なかったことが、なるほどと、おもわれることが、多い。
そして、人を思いやる日本人の気質を垣間見ることが出来る事が、今の自分だけ良ければという気持ちの人の多さの中で、安心できることである。 -
立場茶屋おりき
従業員は家族・・・世話しつづける
おりきってエライ -
3月15日~19日
四月八日の灌仏会(かんぶつえ)。品川宿にある立場茶屋おりきでは、子どもたちが賑(にぎ)やかに書を認(したた)めていた。そんな折、「榛名のご亭主が息を引き取った」という知らせが、女将のおりきに届いた。おりきは参勤交代の津山藩を迎えると、素庵の診療所へと急いだ。仲間は死んだ後も我が仲間と考えるおりきは、墓の手配まで自らが動くのだった……。立場茶屋おりきは、沢山の笑いと涙を湛えつつ、明日への希望を照らしつづける―。大好評シリーズ第十一弾。 -
あすなろ園を手伝うことになった榛名、昔働いていたおふで、女に刺された与之助、白血病のこずえと源次郎。
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第十一弾
読み忘れをしていた
内容・構成に大差はないが、どうも悲しい内容が多い
人を個人的に助けるには当然限度があるし、
やはり、悲しさばかりが想いに残る! -
この作家さんの作品は読んだことがなかった。
文庫書き下ろしのシリーズ11作目だそうだが、登場人物が
多く、人間関係が複雑なため、シリーズをずっと読んできた人
には楽しめるのだろうな、と思う箇所がけっこうあった。
基本的に、料理自慢の旅籠とはいえ、奉公人にかなりいい物
を食べさせていたりすることもあって、江戸時代の設定だとは
思えない。 -
おりきさんがあまりにもいい人すぎて★三つ。シリーズ最初の頃はこんなに無情にバタバタ人が死んでしまっていいの?と心配になったが、最近はかなり甘い作品に....。