破天の剣 (ハルキ文庫 あ 27-1 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.10
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本棚登録 : 188
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758439497

作品紹介・あらすじ

群雄割拠の戦国時代、九州は薩摩の戦国大名・島津貴久の四男として生まれた家久は、若年の頃より「軍法戦術に妙を得たり」と評されるほどの戦巧者であった。だが兄弟の中で家久だけが母親の違う出自の為に深い懊脳を抱えていた。家久はその思いを払拭するかのように大友宗麟、龍造寺隆信といった九州の名だたる大名と奮戦を繰り広げ、島津の九州統一の夢に奔命する。しかし、天下人・豊臣秀吉とその弟・秀長が率いる大軍が島津家の前に立ちはだかる-。島津家の知将・島津家久の波乱に満ちた生涯を描く、第十九回中山義秀文学賞受賞作、待望の文庫化!!

感想・レビュー・書評

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  • 九州の島津家久を主人公とした歴史小説。九州を舞台にした戦国時代の物語は初めて読みました。軍略の神と称された主人公が、巧妙な策略で大軍を破るシーンは興奮しました。若い歴史小説作家の他の作品にも期待です!

  • 島津の素敵さがぎゅっと詰まっています。合戦描写にも胸躍りました。

  • 5

  • 人は、認められたい生き物。

    島津四兄弟の末っ子、家久の小説。自分だけが妾腹(しかも、父の胤ですらないかもしれない)と悩む。兄弟として、一族として認められたい一心で、軍略の才を発揮していく。

    自分が求めるところと、自分ができることは、必ずしも一致しない。いや、むしろ一致することの方が、少ないのかもかもしれない。
    生きていくというのは、本当にしんどい。

  • 島津家久すげーな。

  • 北方謙三の激アツな文章に慣らされてしまっているので、これだけ静かな筆致でこれだけ熱く表現できる作者の才能を感じます。
    他のも読んでみたい。

  • 戦国時代、九州で覇権争いをした、島津家を描く。秀吉による天下統一の陰で戦った者たちの生きざまが描かれていて、読み応えがある。九州での具体的な経緯は知らないことが多く、興味深い。
    軸となる家久が魅力的。日常のピントがずれた感じと、戦での神がかった姿のギャップが面白い。天才なだけでなく、並外れた努力もある。島津4兄弟の関係性も、面白かった。

  • 島津四兄弟の末弟・家久が主人公。
    4人兄弟の中でたった一人だけ母親が違う、そして実は父親は貴久ではないのでは?などという噂まであった家久。
    家久自身、戦でしか居場所がない。と思い続け、兄たちや周囲の人に認めて貰いたい一心で「軍神」といわれる立場まで登りつめる。
    本当に求めたものって?
    居場所は戦場ではなかった。
    最後に気付いたけれどそれを掴み取る事が出来なかった家久。
    戦いのシーンと家久の内面との差が悲しい。
    長兄・義久は弟たちに劣等感を持ちつつ当主として、兄として毅然と立とうとしている。
    次兄・義弘は初め家久に対抗心を持っていた。
    三兄・歳久はなんだかんだと家久の面倒を見ている。
    この本の中では1番家久を「弟」として見てたのは歳久だと思う。
    最後は本当に切ない。

  • 島津の夢、軍神の夢、、儚くも散る。しかし、秀吉でも打ち破れなかった兄弟・親子・妻子との"絆"♪。

  • 読み出してすぐ面白いと感じた。そのような書評をよく見るが、実際に読むとそうでも無くかなり我慢をする小説は多い。人にもよるのかと思うが、確かにこれはすぐ引き込まれる。技量かプロットか、とにかく今まだ50ページほどでもう完全に引き込まれていることに気がついた。

    前回何だったかの小説は、100ページまで我慢して200ページで腹が立った。広告宣伝に騙され、読みながらも自分の感覚を犠牲にして時間を無駄にした。そのことを思い出して積ん読を恐れない為に記入する。

    読了。しばらく積ん読にした。理由は不明。面白いのに勢いが削がれると積ん読になるのかも。

    良い小説は自分の内面との対話であることを思い出して読了。良い小説であった。

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著者プロフィール

天野純希
1979年生まれ、愛知県名古屋市出身。愛知大学文学部史学科卒業後、2007年に「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『破天の剣』で第19回中山義秀文学賞を受賞。近著に『雑賀のいくさ姫』『有楽斎の戦』『信長嫌い』『燕雀の夢』など。

「2023年 『猛き朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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