あきない世傳金と銀 三 奔流篇 (ハルキ文庫 た 19-17 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2017年2月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758440684
作品紹介・あらすじ
大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断を下し、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に呑み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は?大好評シリーズ、待望の第三弾!
感想・レビュー・書評
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「ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし」
いよいよ面白くなって来ましたよ!
新たな夫となった五代目徳兵衛こと惣次の理解もあり、本格的にあきないの戦国武将への道を歩み始めた幸
幸が商売にからんでくることで俄然面白くなってきたのですが…
いやぁやっぱ人の根はそんなに簡単には変わらんものなのかね〜
もうバカ!ほんと男はダメだわ!
結局のところあきないってものを分かってないのよ!(自分は分かってる立ち位置での発言)
結局大事なのは「信」なのよ!
そして、相変わらず引きが強い!
どうなるの?どうなっちゃうのよ五鈴屋は?!
そして幸は?! -
主人公幸の影が薄い...。周りのキャラが濃すぎるからか?「私の陰に...」のセリフもなんや多いし。
もっと幸の商才が見たいわ〜と思ってたら!ら!
ついに動きましたよ!未来の商いの戦国武将が。
最後の数ページで、それを予言するかのような動きがドドドドドッと。みんなビックリよ。
でも女子に手を上げてはいけませんよ、惣次!
これは次巻の動きが楽しみですねえ〜。 -
シリーズ第三弾。
ますます面白くなってきました。
きものが好きなので、西陣、桐生、丹後ちりめんの由来も興味深く、
仕入れる反物を生糸から見直そうとするあたり、わくわくしました。
「力を貸してほしい。商いの道で知恵を絞ってほしい。」
惣次に望まれ、四代目の後添いから五代目に嫁ぐ決意をした幸。
二度めの祝言の席で嫌味を言われながらも、
「笑って、勝ちに行く」と毅然と振る舞う幸の姿にほっとしていたのに…
あぁ、どうしてこうなっちゃうんだろう…
二人三脚で五十鈴屋を盛り立てていくのかと思いきや、
そう簡単に、幸せにはしてくれないんですね。
たしかに商いの才能には長けていても、
情に薄い人のような気がしていました。
聡明すぎる女房への嫉妬にかられる惣次の気持ちも、
わからなくはないけれど、手を出したらいけない。
治兵衛は「影に隠れる振りをして、旦那さんを掌でうまく転がしなはれ。」と助言してくれたけれど、幸にそれができるのか心配。
幸の心のよりどころである治兵衛には、少しでも長く元気でいてほしい。
本書に登場する治兵衛の好物・江州名物鮒鮨。
昔頂いた時、その強烈な匂いに負けて食べられなかったんですが、
再チャレンジしてみたいです。 -
人気の高田郁「あきない世傅 金と銀」シリーズ3作目。
2作目のあっと驚く結末から‥?
幸は、大坂天満の呉服商「五十鈴屋」に奉公に出ていた真面目な娘。
店主の祖母である「お家(え)さん」と、番頭の治兵衛に、働きぶりと素質を認められ、四代目店当主の後添いに。
ところが、商売に身が入らない四代目は、まだ幼さの残る幸を認めることもないうちに、あっけなく‥
次男の惣次があとを継ぐことになりますが、その条件として、幸を嫁に迎えたいと宣言します。
兄が全然気づかなかった幸の一見地味だがりりしい美しさも、その知恵も、惣次は気づいていたのです。
「力を貸して欲しい」と言われた幸は、「お心に添います」と。
前よりは、よほどまともな関係に。
ではこれでおさまって上手くいくのかというと、良いこともありましたが、良くないことも‥?
惣次は仕事熱心だけれど、元々かなりきつい性格でもあり、不景気で厳しい時代だから必死でもあり。
呉服商ということで、当時の絹織物の産地や商売の有り様が具体的に描かれていて、興味深い。
幸の熱意と工夫がどう生かされるのか?
またまた、あっと驚く急展開で以下次号!(笑)
4作目をこれから楽しみに読みます☆ -
2020年9月12日、読み始め。
●人物メモ
・幸(さち)---武庫郡津門村(むこぐんつとむら)生まれで、学者の子。第1巻では、7歳の少女として登場。第2巻では14歳、第3巻では17歳になっている。
・文次郎---綿買い商人。幸よりも30歳位年上。
・鉄助---治兵衛の後継番頭。2巻で番頭になっている。
・賢吉---丁稚。治兵衛の息子。
・辰吉---丁稚。
・安吉(やすきち)---丁稚。
・広吉(ひろきち)---元丁稚。2巻で手代・広七になっている。
●色メモ
・刈安色(かりやすいろ)---青色がかった黄色。
196頁まで読んで、図書館に返却。 -
四代目徳兵衛の後を継ぎ、五代目徳兵衛となったのが弟の惣次。
幸の商売の才能を認めていた惣次は幸を嫁にすることを条件とした。
奉公人には厳しすぎるが、商いには真面目で、何よりも幸を思う惣次の嫁になった幸。
これから二人で困難を乗り越え、五鈴屋を盛り立てていくのかと思ってたら…
え”====!!!!
こんな展開になるの?!
幸はどうなるのよぉ!!
あ~、もう続きが読みたい!!! -
動き出した物語。いよいよ、幸が商いに関わる。漸く、安定して、新しい夫に愛されて物語が続くのかと思いきや、早くも立ち込める暗雲。上手くいっていたのに、強欲な資本主義の権化に夫が陥ってしまう。中々、上手くはいかない。
今回も、色々学ぶ。
間に入って叱責された人に、叱責した人の本意、何故そういうメッセージになったかの心情を解説してみせることで、人を繋ぐ糸口を引き出す幸。
そして、不安に悩む番頭に、客観的な状況を伝えて視野を広げること。
良い働きするなぁと。
図太く生き、笑って勝ちに行く。
そうありたいものだ。 -
学者の娘として生まれた幸。父親の死がきっかけで大阪・天満の呉服店「五鈴屋」女衆となるが、その聡明さを買われて三代目徳兵衛の後添えに。しかし三代目が急死。
弟の惣次が四代目を継ぐことになるが、惣次が出した条件が「幸を嫁に」ということだった…。
ありゃま!幸~ついに惣次の嫁に!?
私としては三男の智ぼんと一緒になってほしい~
ってなことをモヤモヤ思いつつ
幸の商才は惣次と組んで花開いていくことに…
「江戸に打ってでるで~」
と息巻く惣次と新しいアイデアで夫を支える幸
上手くいくかと思ってたのに…
あ~もう!
「女は前に出るんじゃない。」的な…
惣次はあせっちゃったんだよね~
「やばっ!俺、嫁より商才ないんじゃない?俺、商いの天才やのに~」
ってことでちょっとずるい考えが…
さてさて一難去ってまた一難
幸と惣次はこの局面をどう乗り越える?
やっぱりあきない(仕事)は「真心」と「信頼」が大切よね。
響いたわ~
4巻へ続く~! -
高田郁『あきない世傳 金と銀 3 奔流篇』ハルキ文庫。
シリーズ第3弾。NHKの朝の連続テレビ小説を観るがの如き展開が続く。五鈴屋四代目徳兵衛の不慮の事故死により17歳にして寡婦となった幸は四代目の弟である惣次と夫婦になり、惣次は五代目を継ぐが…
一難去って、また一難。幸の波瀾に満ちた人生が描かれる。商いの世界で戦国武将になると決意した幸は次第に商いで才覚を見せるが、一方の惣次の金の亡者の如き変貌に幸の行く末が案じられる。五鈴屋の運命や如何に。
何巻からかな?まだまだ?
何巻からかな?まだまだ?