結び布 着物始末暦(十) (ハルキ文庫 な 10-10 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2018年2月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758441483
作品紹介・あらすじ
呉服太物問屋の若旦那・綾太郎は悩んでいた。商売敵とはいえ、三百年続いた京の呉服問屋・井筒屋の暖簾をこのまま消してよいものかと。悩んだ末に相談に行った本両替商・後藤屋の大旦那からまさかの条件を突き付けられた綾太郎は、決着をつけるため、着物始末屋の余一とともに井筒屋へと向かった。一方、一膳飯屋の看板娘・お糸は十五のときから一途に思いを寄せていた余一と結ばれ、これから生まれてくる我が子の幸せを願い、ひと針ひと針、愛情を込めておしめを縫っていた-。市井の人情や温かさを描いた感動の大人気シリーズ、堂々の完結!!
感想・レビュー・書評
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着物始末暦 シリーズ10 (完結編)
余一は、井筒屋の愁介が、自分の腹違いの弟だと打ち明けた。
三百年続いた京の呉服問屋・井筒屋の暖簾を守る為、綾太郎は、本両替商・後藤屋に相談に行く。
余一とお糸夫婦にも、無事女の赤ちゃんが産まれた。
この終わり方は、大団円と言うのかなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思いがけず、読み始めたこのシリーズ。
また、新たな書き手に出会えた
着物の始末という今は無い仕事の面白さ
江戸の人々も苦労あり喜びありということがわかった
他の登場人物のその後も読みたい -
何となく読み始めたシリーズ、正直10冊も続くとは思っていなかったが、ここまでお付き合いしたからには結末を見届けたいという気持ちで読み続けた。
終わってみれば、余一と井筒屋との繋がりの謎、桐屋の先代が犯した罪など、当事者が腹をくくれば乗り越えられる程度のことだった。
しかし店主に罪があっても店や奉公人に罪はなし、綾太郎や余一には苦渋の決断だと思うが、これで良かったのだろうと思う。
またおみつの結末としても、これで良いと思う。やはり彼女はお玉に仕えるのが一番だろう。
ただ六助を襲った女の正体や、正吉が後藤屋にどうして気に入られたのかは謎のまま。
余一が予想以上に親バカになりそうなのがホノボノしていた。 -
終わってしまった、大好きなシリーズ。
お糸と余一に育まれるお結布は幸せな子になるだろうな。お糸に叱られつつも甘やかしまくる父と余一の姿が浮かんで、ほほえましくなる。
井筒屋の行く末など、ちょっとどうよという気持ちもあるけれど、余一の、今いる家族を大切に守りたいという気持ちの表れと思えば、納得。 -
2021.10.10
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202104~5/全10巻まとめて。着物始末職人と彼をとりまく人々との物語。良く言えば人間らしいんだけど、性格の嫌な部分が目につきすぎて登場人物達があまり好きになれなかったのと、恋愛話ターンにあまり魅力を感じずハマるまではいかなかった。奉公人おみつが一番苦手。六助の特殊能力設定も必要に思えなかった。話によってメインになる登場人物が変わるタイプの短編なので、別話・別視点だけど同じエピソードが再三出てきたり、時系列でみるとわかりにくい時も。とはいえ、巻を重ねるごとにキャラ達への多少の愛着もわき笑、若旦那綾太郎達の成長もみてとれ、全巻面白く読めた。巻末に着物柄説明が入っている趣向も良い。
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着物関係の仕事をしていたので、楽しく読めました。
時代小説のラノベかな。 -
何かにつけて邪魔をしていた井筒屋が商売の風向きが悪くなり店を閉めていた。
六助や余一、身代わりになった千吉は、許せない。
が300年も続けてきた老舗を無くしても良いものだろうかと、綾太郎は考えた。
主人が悪く、間違った方向へ走った店は、その中の職人や家族、手代など店のものまで路頭に迷わしてもいいのだろうかと、綾太郎は余一を説得。
全てが治るようにと、最終話。