- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758442060
感想・レビュー・書評
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応援したくなるスーパー!!
がんこ野菜
ネーミング最高だなっ!!買いたい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リストラの危機にあい、紹介された転職先は潰れかけの弱小スーパー。娘からの『逃げている』というキツい言葉にかちんときて入社を決めたが、店長からの心証は最悪。ひどく冷遇されるが、パートリーダーの女性を味方につけ、殺伐とした接客態度やありふれた商品の改革。お客の居場所作りなど様々なことに挑戦する。次第に疑心暗鬼の店長の心も解きほぐされ、一丸となったスーパーは温かい人間関係に満ちた場所となった。心を込めて無農薬で丁寧に野菜を作る農家の人たち、買い物難民の高齢者たち、小さな子を連れたお母さん。様々な立場のひとの交流が生まれる
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かたむいたスーパーの再生物語。好きなパターンだが上手く行き過ぎだな。2020.2.17
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軽く読めるエンタメもの。
人と人をつなぐって、出過ぎない謙遜しすぎない。淡々と衝突を避け、静かに意見はする。アイデアをデータに基づく話し合いの元、形にしていく。いい意味でローラモデルな話だった。 -
早期退職の勧告を受けた青葉一成、妻の友枝と中2の娘の3人家族。
友人からの転職の誘いもあり、自ら退職する。
ところが転職先の社長が替わったため、開発課長の後任ではなくスーパーの副店長として研修することになった。
行ってみるとそこは今にも潰れそうな店で、白い外壁は薄汚れ看板は色あせている。
店内は証明が暗く客もまばらで店員もあいさつ無し。
単身赴任の一成に会社が用意してくれたのは、かなり年季の入った木造平屋建て四棟借家の一棟でお隣は8歳ぐらいの品の良さそうな小柄な老女が住んでいた。
しばらくの間、店内の掃除と商品の陳列ばかりの日々が続く。
最初の定例ミーティングでアイデアを出すも店長は声を荒げて否定されるが、女性スタッフからは知恵を出し合おうと声をかけられる。
いろんなアイデアが出されるようになり、店の雰囲気が変わっていき客も増えていく。
”がんこ”とは何? 一成は家族と仲直りできるのか。 -
今日から新年度となり、来月からの元号も「令和」になると発表された。元旦と4月1日は一年の中でも色々な意味で区切りの日だが、桜咲くこの季節は初々しい新入社員や新入学生が街を軽やかに歩いているので、ウキウキとした記文にもなることが出来る。
読書好きとしては気分的に落ち着く秋の読書も好きだが、気持ちが体の外側にバーっと発散されるこの季節の読書も好きだ。そんな季節だけに、前向きで元気が出るような物語を読みたくなるというのも、これから花が咲き乱れて服装も軽やかになっていく時期だからだろう。
そういえば、英会話やヨガなどのスクールも4月に入る人が多いそうだ。学校関係が4月始まりだというだけではなく、4月という月は、春という季節は、何かを始めたくなる季節でもあるということだろう。
また、3月末に定年退職して、4月から新しい人生を歩み始める人も多くいらっしゃることだろう。人生100年時代になり、50代になってもまだまだ若造と思われる昨今。50代だろうが60代だろうが、新しいことを始めるのに遅いということはなさそうだ。
山本甲士さんが書かれた「がんこスーパー (ハルキ文庫)」は、人生捨てたものてはないし正直者は報われるということを感じさせてくれる物語だ。温かみのある登場人物は、さすがに山本甲士さんならではだなと思う。
主人公の青葉一成は、中堅クラスの会社でつい最近営業課長になったばかり。特に取り柄は無いものの、真面目に正直に働いてきた中年サラリーマンだ。ところが、課長になったがために管理職を対象としたリストラを勧告されることになる。それでも、旧友のつてで新たな会社に課長待遇で再就職できることになったが、その会社の社内事情に振り回されて倒産寸前のオンポロなスーパーに派遣されることになってしまった。売り上げを大幅にアップさせる必要に迫られながらも、がんこな店長にはスパイ扱いをされ家族からも冷たく扱われる始末。それでも青葉は、持ち前の真面目さと謙虚さで新たな取り組みを展開していく。
この物語は端的に言うと、小さいながらもサクセスストーリーだ。多少のトラブルは発生するものの、主人公を中心に素晴らしい人々に囲まれて、少しずつながら皆が幸せになっていく様子が素敵だ。
憎らしい悪役が出てきてハラハラする物語も楽しいが、思う通りの展開で次々と良い方向に展開するこの物語も楽しい。世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる展開は、ひょっとしたら自分の回りでも起こるのではないかと思わせられるような、そんな身近なささやかさがまた良い。
人間関係で悩む人の多い現代だが、だからこそ人のご縁や思いやりが丁寧に書かれている物語を読むことは大切だ。こんなことが起きると素敵だなと思わせてくれる一冊であり、こんなことを起こしてみたいなとも思わせてくれる一冊だった。 -
「どろ」「かび」「とげ」「つめ」「ひなた弁当」「ひかりの魔女」・・・、山本甲士さんの作品、読み応えがあってはずれがないです。「がんこスーパー」(2018.10)も楽しめました。大手会社をリストラされた青葉一成が2つの大型スーパーに挟まれ、今にもつぶれそうな弱小スーパー、みつばストアを再生する物語。前半は苦労ばかりでしたが、地元産有機野菜、形よりも味と健康を重視した「がんこ野菜」のアイデアから、店員、お客との一体感が!後半はワクワクしながら読了しました。
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リストラにあった中年男が、潰れそうな小さいスーパーに再就職し、少しずつ再生をしていく。地域の人、お年寄り、わかりにくい若者、連携してこうなったらいいね、っていう暖かなお話。
最近、スレているのか、こいつは悪いんじゃないかとか、裏を読もうとしたりとか、変に疑うのはよくないねえ。