あきない世傳 金と銀(六) 本流篇 (ハルキ文庫 た 19-21 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2019年2月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758442336
作品紹介・あらすじ
大坂天満の呉服商「五鈴屋」は、天災や大不況など度重なる危機を乗り越え、江戸進出に向けて慎重に準備を進めていた。その最中、六代目店主の智蔵が病に倒れてしまう。女房の幸は、智蔵との約束を果たすべく立ち上がった。「女名前禁止」の掟のもと、幸は如何にして五鈴屋の暖簾を守り抜くのか。果たして、商習慣もひとの気質もまるで違う江戸で「買うての幸い、売っての幸せ」を根付かせたい、との願いは叶えられるのか。新たな展開とともに商いの本流に迫る、大人気シリーズ待望の第六弾!
感想・レビュー・書評
-
いよいよ江戸へ進出する幸と五鈴屋
なにが良いって大坂から自分の右腕として連れて行く人の人選がいいよね
そりゃそうよ!幸の右腕になれるのはこの人しかおりません!
そして「買うての幸い、売っての幸せ」を頑なに貫くことできっと江戸でもお客の信頼を得て行くんだろうなぁ
今の世の中でも似たようなスローカーブを掲げる企業は多いけど、本当に心からそう思って実践している企業はいったいどれほどあるんだろう?って思ったりしました
もちろん、創業者や社長はそう思っていたとしても、それを社員一人ひとりまで徹底させることてとてつもなく難しいことだと思いますが、五鈴屋の面々を見ているとそれってゴールじゃなくてスタートなんよってことがよく分かります
商売をするものが当たり前に備えていることなんやなぁと
お騒がせ企業の経営者たちよ
幸と五鈴屋に学びなさい! -
話は面白いんです。江戸時代にも興味が湧くし。
江戸と大坂の違いも、今に通じるようで面白い。でもね...今更ですが、なんか主人公の幸に感情移入が出来ないのです。感情を表に出さない人だから?平穏をこよなく愛する私にとって、幸は商いの戦国武将だから...?うーーん、なんだろう違和感。
それとも脇の方々が魅力ありすぎて、幸が霞んじゃうのかな?そう、脇キャラが多いし、濃い!
やっぱりここで語るとすれば、私の第二の推し、お竹どんですね。半眼の仏像さんの時から素敵な方だと...。まだまだ可能性を秘めた方ですよ。そしてまさかの私より年上だったとは。
きっと、この方があの方なのですね、ひま師匠!(強引な呼びかけ)-
2024/01/17
-
惣ぼんが出てくるのかと思ってましたよ(^^;)
嬉しいですね〜お竹どん、まだまだ会えるのですね!ついていきますよ〜お竹どん!惣ぼんが出てくるのかと思ってましたよ(^^;)
嬉しいですね〜お竹どん、まだまだ会えるのですね!ついていきますよ〜お竹どん!2024/01/17
-
-
幸の仕事はCSR調達、エシカル消費、サステナブル経営に基づいている様に思う。けど、安く提供するのは良いことだけど、その日暮らしの人達に頑張れば買える絹織を提供するというのは、欲を喚起して、マーケットを開拓する経済活動の様に思え、ちと酷薄な資本主義にも感じる。
-
まだ半分ということは、同じだけ、いやそれ以上のワクワクが待っていると思うと、なんと幸せなことか…。しばらく本屋さんで「つぎはどれを読もう?」が不要。ま、それも楽しいんだけど、迷う必要がないのは嬉し過ぎます。
-
人気シリーズの6作目。
大坂天満の呉服商「五鈴屋」に奉公に出て、やがて若い主人に嫁いだ幸。
3兄弟に次々に嫁ぐという数奇な運命をたどったが…
商才に恵まれた幸は、理解ある夫の智蔵に支えられて、江戸進出を目指していました。
大阪では「女名前禁止」という掟があり、女性が店の主となることはできなかったのです。
智蔵は人当たりがよく、店の主人に必要な付き合いなどはうまくこなせていたのですが、商才は幸のほうがはるかにあると認めていました。
智蔵が病に倒れ、さすがに呆然とする幸。
だが智蔵と考えてきたことを無駄にはできない。
大阪にいては、店を親族か番頭などの男性へ継がせるしかないのです。
とはいえ、店で働く者たちはみな幸を頼りにしています。
起死回生の手段はあるか…?
足掛け3年だけの限定で、中継ぎの主となる道を切り開き、江戸に店を出すことにした幸。
慎重に江戸の様子を調べ、喜んでもらう方法を考えて、満を持して開店する、その心意気がさわやかです。
お侍が多い江戸の好みは、地味目だったんですね。
でも、少しはおしゃれをしたい、特にわが子には綺麗なものを着せてやりたい、女心は同じ。
女衆(家事をする女中のこと)の先輩だったお竹どんの才を見抜いて共に江戸に出て、店の仕事を担当してもらうことにします。
近所の女性たちとの交流など、女同士のつながりができていくのが素敵ですね。
楽しみなシリーズ☆ -
ようやく江戸進出
それまでの苦労が報われましたね。これからもさらなる苦労が待ち受けているのでしょうが。
江戸店開店最初の若い母親とのやり取りは五鈴屋の方向性を示すいいくだりでした -
夢中になって読んでしまった。電話もメールもないこの時代。情報の行き来にこんなにも時間がかかっていた、それが当たり前の時代。大坂・江戸間を歩く。もう2度と戻れないかもしれないという覚悟。すっかりこの時代を生きているような気になっちゃった(⌒▽⌒)
-
第(六)巻 本流篇を読み終わった。 ついに艱難辛苦の末に江戸は浅草寺近くの居抜き店に五鈴屋 江戸店を開くまでの話。やんごと無い事情から七代目店主となった幸サチの知恵が随所に活きて、今風に言えばマーチャンダイジングとマーケティングに裏打ちされた戦略戦術を駆使した開店(笑) 今回もよく出来ていました♪
-
高田郁さんの作品を読むのは、初。
名前は、かおるさんで、1959年生まれの方で、兵庫県宝塚市出身、とのことです。
したがって、この作品を書かれた時の年齢は、60歳位になります。
●2020年8月29日、読了。
久々に時代小説を読んだ。
7月は、鬱状態で小説を読む気がしなかったので、それを思うと、状態は良くなっているようだ。
ただ、依然として、精神安定剤の服用は続いているので、薬の効果ともいえるが。
で、今回読んだ作品は6巻(本流篇)だが、内容的に興味深いので、
1巻から読んでみようと思う。
まずスローカーブを突っ込みなさいよ!
まずスローカーブを突っ込みなさいよ!