ふうふうつみれ鍋 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ 19-9 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.72
  • (20)
  • (47)
  • (36)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 371
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758442893

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 居酒屋ぜんや シリーズ7

    小十人番士の旗本の次男坊・林只次郎は、鶯が美声を放つよう飼育するのが得意で、その謝礼で一家を養っていた。

    林家の長男が、家督を継いで、両親が、只次郎の部屋に移ってきたため、只次郎は、家を出て、ぜんやの裏長屋に越してきた。

    心配の種であった、ルリオの後継問題も、雛が成長し、美しい声色で歌い始め、一段落した。

    そんな只次郎に、縁談が舞い込んできた。
    一年前に、彼を見初めた、大店「三河屋」の娘、お浜の婿にと望まれたのだ。

    お妙への想いと商人になりたいという、夢を天秤にかけたまま、どちらも決めかね、揺れ動く只次郎。

    ようやく、心を決め、お妙に、想いを打ち明けようとした矢先「三河屋」から、お浜は、番頭と添わせることにしたと・・。

    姪のお栄が、お年寄りの部屋子として、大奥へ、
    裏長屋のおえんが待望の妊娠・・

    と、只次郎の周りは、動いていくが、只次郎とお妙の仲は、なかなか、先が見えない。

  • シリーズ第7弾。

    只次郎に恋する三河屋の娘・お浜。ここで三河屋が娘の婿になれば、出店を持たせてくれるという、おいしい縁談を持ち掛けてきます。
    お妙への想いと、商人への夢で揺れる只次郎。
    そして、お妙の気持ちは・・・?という事で、只次郎とお浜との縁談は、停滞(?)していた関係に一石を投じたような効果があったように思います。
    只次郎も何気に成長して“いい物件”になりつつあります。
    あとはお妙さんの気持ち次第、というところですかね。

  • 楽しいですねー。
    お勝さんのあの性格、大好きです。
    そして気になる二人の仲。
    以前よりもいい感じになったとは思うのですが、なにせあの性格のため、まったく話が進みません!こちらも先が楽しみですねー。

  • ぜんやに居候が続く只治郎。
    ルリオの息子達の行方も決まる。
    自分の身の振り方に迷っているところに縁談が。
    お妙への気持ちをどうするのか?
    只治郎のこの先が見えないところ。
    暑い時に食べる冷たい冷汁やふうふう言いながら食べるつみれ汁などなど。いつもながらに美味しそう。

  • 美しい声音で歌い始めた鶯を馴染みの旦那衆の
    誰に譲るか。林只次郎は、居酒屋「ぜんや」で
    美味しい食事を囲みつつ決めることに…。丁寧で
    美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに
    描く人情小説第7巻。

  • ジレジレ

  • 2024.2.25 読了。
    「居酒屋ぜんや」シリーズ 第七弾。

    前作までで一応善助殺しの黒幕も判明し、少し穏やかな雰囲気に戻った一冊。
    只次郎の姪・お栄の大奥入りやルリオの子鶯たちの譲り先、子ができた枡川屋とお志乃の夫婦喧嘩、そして今後の身の振り方に悩む只次郎のところに舞い込む俵屋からの婿入りの問題などを描きながらぜんやの常連たちはお妙の料理に舌鼓。

    俵屋に婿入りすれば商人になりたいという夢が叶うが自分のお妙に対する気持ちを残していくのもまた辛いと迷い揺れ動く只次郎の気持ちがやっと決心がついた!という時にまた大きな話題が転がり込んで来てしまうというちょっともどかしい展開で次作に続くようだ。

    相変わらずお妙の作る料理は旬の食材を使い美味しそうなものばかり。
    そしてお妙も善助の件が一段落したことによって只次郎への気持ちにも触れられている。

    今作は重苦しさが少なめで、初期の雰囲気に戻ったような感じだった。

  • 食事の描写が良くてまるで実際に前に出されてるような気持ちになった。
    めちゃくちゃ美味しそう。
    話も面気になるし、短編で本も薄いから読みやすい。

    主要人物、既視感あるなぁと思ったらめぞん一刻に酷似してる。
    美人だけど素直じゃない実は芯の強い後家の管理人さん、恋焦がれる年下の男性、妖怪じみた老女、賑やかな隣人と長屋住居、イケな恋敵……

    なかなか進展しないのも似てる。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    武家の次男坊・林只次郎は、当代一の美声を誇る鴬ルリオの雛が成長し、美しい声音で歌い始めたことに喜ぶ。その雄の若鳥一羽を馴染みの旦那衆の誰に譲るかを、居酒屋「ぜんや」で美味しい食事を囲みつつ決めることになった。豆腐と筍のうま煮、筍羹、筍ご飯と筍づくしの絶品料理が並ぶなか、旦那衆は鴬への愛情をそれぞれの表現で主張するのだが…。庶民の味方の居酒屋「ぜんや」、女将・お妙が癒しの笑顔でお迎えします。心にも体にもしあわせ沁み渡る、傑作人情小説第七巻。

  • 三河屋の入り婿にどうか、と見染められた只次郎。もともと鶯の飼育にとどまらない生来の商売上手であり、双方にとって悪くない良縁なのだが、一方でままならぬ腐れ縁?もあるのだった。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂井希久子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
坂井 希久子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×