あきない世傳 金と銀(十) 合流篇 (ハルキ文庫 た 19-25 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2021年2月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758443920
作品紹介・あらすじ
呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。
だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。
男女の違いを越え、身分を越えて、江戸の街に木綿の橋を架けたい──そんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進を重ねていく。
両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが……。
果たして最大の危機は最高の好機になり得るのか。
五鈴屋の快進撃に胸躍る、シリーズ第十弾!!
感想・レビュー・書評
-
えがった〜、えがったよぉ〜。゚(゚´Д`゚)゚。
はい、菊&梅の最強助っ人コンビがいよいよ江戸に到着して幕を開ける巻の十『合流篇』
はいもう勝った!はいもう優勝!!
もう勝ち筋しか見えないわ!待ってろ蛸坊主!
それにしても五鈴屋の奉公人はみんなすんばらしい
もちろん主人の幸がすんばらしいからそういう人材が集まってくるんのね ある意味当然の結果
「買うての幸い、売っての幸せ。」を愚直に守り続ける
これなのよ
そして最後は散々やきもきさせてきた梅梅コンビが梅梅梅トリオとなりまして遂に!
こんなもん大号泣やわ。゚(゚´Д`゚)゚。
お梅どん、幸せになっておくれやす -
お梅どーーーん!!よかったよーーー!!
あんさんは可愛い!天然!(褒めてる)場が和む!
もう後2ページというところを左手で掴みながら、最後見ちゃおうか、いつもの大どんでん返しがないか、ドキドキワクワクハラハラ。ああ楽しい。このまま幸せに向かって突っ走ってくれー!
やっと図書館に戻ってきた10巻。嬉しさ倍増! -
合流篇 ― あきない世傳 金と銀シリーズの10作目
2021.02発行。字の大きさは…小。
薄縹(うすはなだ)の空に、仄かな鴇(とき)色が朝焼けの名残をとどめる。
辺りに麗らかな陽射しが溢れるまで、今少し、刻(とき)があった。
如月(きさらぎ)、晦日(みそか)。
初午に針供養、涅槃会(ねはんえ)も過ぎて、浅草広小路へと続く表通りには、何処となく長閑な気配が漂う。時折り、ちょんちょん、と聞こえる音、あれは花売りの老女が鋏を鳴らす音だった。
この出だしを読んで、物語に引き込まれて行きます。
江戸時代女性が主人として店を営むことが出来なかった大阪から、江戸へ進出して、知恵を武器に難局を切り開いて行く五鈴屋江戸本店の女主人・幸の物語です。
前作は、困難の中から知恵を絞り、飛躍の芽が出て来る巻でした。そして、今巻は、その飛躍の芽を大切に育て、ここ一番で勝負に出ます。応援してくれる、大切な人が大阪から来てくれました。
此度は、大阪から五鈴屋四代目店主の前妻で、幸の良き理解者で、商売上手な菊栄が、江戸で商売を始めるために大阪から移って来ました。大阪では、女名前で不動産の取得や、店主として商売が出来ません。江戸なら男女の別なく不動産の取得も、商売も出来ます。
試作の藍染めの木綿の浴衣が出来てから、急がず、焦らず2年の歳月をかけて大川の花火の打ち上げの日に合わせて、藍染めに白で抜いた大柄の花火の柄を売り出します。これが売れに売れて……。
【豆知識】
〇縹(はなだ)もしくは縹色(花田色、はなだいろ)とは、明度が高い薄青色のこと。
〇鴇色(ときいろ)は、トキの風切羽の色である。やや紫に近い淡いピンク。
〇如月(きさらぎ)は、2月。
〇晦日(みそか)は、月末。
〇初午(はつうま)は、2月の最初の午の日。旧暦で1年のうち最初の(つまり1月の)午の日も初午には違いないが、通常は稲荷社の祭の日である2月の初午をいう。
〇涅槃会(ねはんえ)は、涅槃講や涅槃忌とも称し、陰暦2月15日、釈迦の入滅(にゅうめつ)の日に、日本や中国などで勤修される、釈迦の遺徳追慕と報恩のための法要である。現在では、3月15日に行なわれているところもある。←Wikipedia
2021.04.03読了
※シリーズの感想と読了日
あきない世傳 金と銀(九) 淵泉篇 2020.10.26読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4758443610
あきない世傳 金と銀(八) 瀑布篇 2020.03.19読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/475844322X
あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 2019.09.14読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4758442843
あきない世傳 金と銀(六)以前の本は、ブクロク登録前に読みました。 -
本当は11巻から読んでなかったのですが…
やっと最終巻まで手元に揃ったので再読。
いや〜嬉しい‹‹\(´ω` )/››
今までの苦労が報われる一巻となってます!
さぁ次巻は音羽屋が何らかの悪巧みをしてきそうなんで不安ですけど…菊栄の先行きも期待大だし吉次の舞台も楽しみ!!
やっぱこのシリーズ面白い(。>ω<)ノ
-
2023/09/02
-
みをつくしの数倍の苦難が…
もう奉公人が素晴らしいのよ!!
早く読んで‹‹\(´ω` )/››みをつくしの数倍の苦難が…
もう奉公人が素晴らしいのよ!!
早く読んで‹‹\(´ω` )/››2023/09/02 -
2023/09/02
-
-
「あきない世傳 金と銀」シリーズも10作目。
ここ2作の辛さを吹き飛ばす、忍耐の後の復活へ。
大阪では女名前禁止の掟があり、女主人として店をやってはいけなかった幸。
五鈴屋の東京での本店という形で成功していたのが、身内が商売敵に走った思わぬ事態になっていた、その後。
絹を扱うことが出来なくなり、雌伏する日々を無駄には過ごさず、木綿の商いに力を入れ、日々の誠実な努力はさらに念を入れていました。
浴衣を街歩きに着られるものにしようと発想し、その柄を考案するのに苦心する賢輔。
2年の月日をかけて、職人たちと一丸となり、絶対に喜ばれるものを作り上げた五鈴屋の面々。
そのお披露目の時がついに。
幸のよき理解者で女ながら商売上手な先達でもある菊栄も、大阪からやってきています。
そして、幸のかっての女衆仲間のお梅にも、春が…
久々に、多幸感に包まれました。すっきり(笑)
またこの先には波乱があるかもしれませんが…?! -
高田郁『あきない世傳 金と銀(十) 合流篇』ハルキ文庫。
シリーズ第10弾。今回も書き下ろし。コロナ禍により、1ヵ月遅れでの刊行らしい。
前巻では次々と五鈴屋の幸に降りかかる苦難とそれを乗り越えた先に見えた新たな光が描かれていた。本巻ではこの新たな光が大きな星となり、輝き出すのか……
呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。主人公幸や奉公人たちが職人と知恵を寄せ合って見出だしたこれまでに無い藍染めの浴衣という新たな光。一方で、未だに燻り続ける結の裏切り。この先、波乱はあるのか。
本体価格620円
★★★★ -
毎巻ハラハラドキドキの連続であったが、久々に安心して読むことができた気持ちのいい第10巻。
今までにない藍染めでの浴衣地を作り上げようという幸たちの奮闘努力が実を結ぶ、まさに盛運の巻。
しかも、お梅さんの恋の成就も。
新しい浴衣地の予想を超えるばかりの売り上げ。
だけど、このまま順調に進むわけなどないだろう。次巻はまた、波瀾万丈が待ち受けているのだろう。
さすがに照れるわ!
さすがに照れるわ!
勝手にいい方向に持っていかないでください!w
この速さ、まるで音速の変人や!
勝手にいい方向に持っていかないでください!w
この速さ、まるで音速の変人や!