- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758444132
作品紹介・あらすじ
大学時代のゼミの仲間たちと、隣町の農園を訪ねた大学院生・遠野守人は、
その晩、友人・田辺の母の実家に泊まって、自分と同じく家の声が聞こえる田辺の祖母・喜代との再会を果たす。
古民家〈月光荘〉の管理人となり、早一年。
古い町並みの温もりに包まれ、人と繫がる楽しさを知った守人は、このまま川越の地で働きたいと考えるようになっていた。
その矢先、守人はすべての縁に導かれるように、自分の曽祖父が家の修繕を得意とする大工だったと知り……。
感涙必至のシリーズ第四作。
感想・レビュー・書評
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シリーズ第四弾。
すっかり“三日月堂シリーズ”の姉妹シリーズとなっている感がありますが、今回は朗読グループ「ちょうちょう」が登場。月光荘で影絵を取り入れた朗読会を開催して大盛況でした。
一方、川越で働きたいと意向はあったものの、何をしてよいかわからない状態だった守人ですが、月光荘のオーナーから、今後月光荘をイベントスペースとして本格的に運営するとの事で、それに携わる業務を打診され、まさに“できすぎ”の流れになってきました。
安西さんや愛菜さんの難しい家庭問題にも触れられていましたが、基本月光荘に関わる人達は良い人ばかりですし、彼女達が企画に携わっている時はとても楽しそうで、そういう場所があるって良いですよね。
読むたびに川越の魅力が伝わってくる本書ですが、第三話に出てきた鎌倉にも行きたくなりました。
かなり昔ですが、鎌倉へは何度か遊びに行ったことはあって、毎回すごく楽しかったという思い出があるのですが、「鎌倉文学館」は知らなかったので是非訪れてみたいですね。 -
ほしおさなえの菓子屋横丁月光荘円窓を読みました。
シリーズ四巻です。六巻を先に読んでしまったので前後する形になりましたが、良かったです。
月光荘だけではなく、主人公のお祖父さんの事や、鎌倉が出てきたりして、また鎌倉に行きたくなりました。(^-^) -
シリーズ4作目。
前作で川越で生きていくことを決意した守人だったので、3作で終わるかと思ったら、想像を超えた4作目が出た。
不意打ちでの4作目だったので、何だか拍子抜けな気分で読み始めたが、同級生の田辺の祖父母の家で偶然見つけた曾祖父のエピソードの続きと、守人がさらに川越の街の中に馴染んでいく様子が描かれる。
「三日月堂」シリーズでお馴染みの朗読サークル「ちょうちょう」も登場し、「紙屋ふじさき」シリーズに繋がるエピソードも登場する。
前作でも書いたが、こうして本で読んでいても、川越の街の風景が頭に浮かび、今すぐにでも行きたくなる。
ただ、今回は守人の漱石にまつわるエピソードが多く、それがどこに向かっていくのかが謎。
月光荘が「海が見たい」と言うので、ラストで鎌倉に向かう守人だったが、鎌倉よりも川越の話が読みたい。
複雑な家庭環境の件も何回も出て来て、本当に複雑な家庭環境で育った人間にはうざい。
家族に恵まれなくても、素敵な人たちに出会って、守人が明るくなって、自分の生き方を見つけて、って素敵な話にしたいのだろうけど、何だか、話がいろいろな方向に広がり過ぎている感が否めない。
次作次第だけど、少なくても4作目は評価は低めで。 -
シリーズ4作目。
旅先の鎌倉の海岸での場面がとても印象的。
あたたかな読後感。
あと、人付き合いについて話しているくだりで、ああ、もう、ほんとそうだよねぇ…としみじみ思った。
そこの場面がすごく好き。 -
温かな風が吹いた。自分も鎌倉に行ったみたいに。月光荘が一緒に行けたというくだり、なんとなくそうかなと思っていた。守人もいいものを作ったものだ。
影絵のお話もよかった。安西さんや愛菜さんの家の問題はあれど、それぞれがなんとかしていかなければならないこと。そういうところがごまかされずに描かれていて、よかった気がする。 -
月光荘の管理人になったことで、人と繋がることが楽しくなってきた守人。このまま川越で働きたいと考え始める。
大工だった曽祖父が家の修繕が得意だったことが分かり、曽祖父と家と守人が繋がる。
守人と、曽祖父の守章がそっくりだと言う「家」。全く別人だと言う「月光荘」。その理由がリアル。
月光荘のつたない会話が可愛い。続編が楽しみなシリーズ。 -
三日月堂シリーズやふじさき記念館との繋がりがどんどん出て来て、とても面白い。こうやって、人は縁を紡いでいくのだなと嬉しくなる。