ふたりの道 小間もの丸藤看板姉妹(五) (ハルキ文庫 み 12-5)
- 角川春樹事務所 (2022年8月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758445092
作品紹介・あらすじ
残暑の頃。小間物商「丸藤」の手代として信頼厚い吉蔵が、実家の味噌屋の主となるため、店を去ることになった。
吉蔵を敬愛する総領娘の里久は、動揺を隠せない。吉蔵は主・藤兵衛に、「私の次の手代は里久お嬢さんに」と進言。
今まで自らが丸藤で培ってきたすべて、商人としての自覚と自信を里久に教えこむことを、最後の奉公とさせてほしいと頭を下げる。
商いに向き合う里久の奮闘、妹・桃の嫁入り、そして里久の縁談……成長した看板姉妹の物語、感動のシリーズ完結篇。
感想・レビュー・書評
-
姉・里久の決断、妹・桃の覚悟。
姉妹の一段と成長した姿が頼もしい完結篇でした。
このシリーズは怖い事件も起こらず悪人もいない、穏やかな話なので、物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、登場人物の心情を細やかに描きながら芯の通った物語で好感が持てました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
202208/まだまだ続いてもよさそうだったのに今回でシリーズ最終は残念。里久・桃、どちらも自分達らしい選択で良い終わり方だった。主人公達に都合よすぎる展開も多かったけど、登場人物達が魅力的でとても良いシリーズ、全作楽しませてもらった。
-
2023.03.08
-
悲喜交々ありつつ、明るい前向きな最後で良かったです。とにかく家族が仲良くて丸藤全体奉公人も良い人ばかりで素敵。両親が店のことより娘の幸せ第一に考えているところが本当に素晴らしいと思います。
-
脇道に逸れず一本道を突き進んだ最終巻。
もう少し丸藤姉妹の物語が読みたかったし、奉公人等々丸藤に係る人達の物語も読みたかったです。
桃の選んだ道は大団円で、小さなお店を大きく発展させる桃の気概にぐっときました。
2人で幸せになってほしいと願わずにはいられません。
里久の選んだ道はほろ苦い。
新しい商いのカタチというのなら女店主と職人夫婦で切り盛りするお店になるのはダメだったのだろうか。
丸藤の店の格だと難しかったのでしようか。
こうなってしまっては、長吉が成長して婿に入る未来も有りかなとも思いました。
長吉は今はまだ子どもですが、長じれば里久と案外お似合いかもしれません。
最終巻は駆け足で、もっと色々読んでみたかったというのが一番の感想になってしまいます。
メインもサブも魅力的な人物達なので、番外編で補完があればうれしいです。期待。 -
惣介がお屋敷廻りの荷づくりの手をとめ、そうですねえと相槌をうった。そうじゃのう、と彦作もうなずく。
-
あぁ、やはり