昭和の焼きめし 食堂のおばちゃん(14) (ハルキ文庫 や 11-16)

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  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758445788

感想・レビュー・書評

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  • 食堂のおばちゃんシリーズ14冊目。
    姑の一子と嫁の二三が切り盛りする、はじめ食堂。
    万里と入れ替わるように入った皐が頼もしい即戦力となり、
    今日も食堂は、美味しい料理と常連さんの語らいで賑やか。
    近所の閉店した店に居抜きで開店したラーメン屋の話が中心。
    第一話 ラーメンで、こんにちは・・・近所の「鳥千」が閉店し、
      居抜きで女店主のラーメン屋が開店。
      だが近くには謎の男が出没する。そして火事!  
    第二話 笑顔のタンメン・・・ボヤを出したことでラーメン屋は
      休業に。更に閉店の危機。男の正体も判明する。でも、
      涙の雨の後には笑顔の晴れ間が訪れる。
    第三話 昭和の焼きめし・・・店での話題は昭和の焼きめし。
      皐に作る祖父の中条の焼きめしは孫への温かい心が籠る。
      そしてまたしても、ラーメン屋に事件が起こる。
    第四話 再会のリゾット・・・数年ぶりのケイタとアランの来店は、
      店に活気を与えてくれた。雑炊は日本のリゾットだ。
      また、ラーメン屋の事件もあっさりと解決する。
    第五話 ときめきコロッケ・・・コロッケ談議に中で、気になる
      カップルたちの今後。でも自分で選んだ相手だから、
      後悔はしないだろう。そして、忘年会もコロッケ!
      だってコロッケは、手間暇と愛の結晶だもの。
    <巻末>食堂のおばちゃんのワンポイントアドバイス・・・レシピ。

    優しい心遣いが味付けになる大衆食堂での、人情話短編集。
    相良千歳が店主の「ラーメンちとせ」が開店し、
    様々な事件が起こるけど、はじめ食堂も面々や八百屋の松原団の
    助力と気遣いによって解決への糸口に導かれます。
    ラーメン・ブーム、SNS、電動過熱、ラム肉、ムスリムなどの
    現代の話題に、畳や銭湯の減少なども語られています。
    そして料理とお酒の話がなんかパワーアップしているような~。
    悪しきことも良きこともあれ、美味しい料理は元気の源。
    皐も、はじめ食堂が自分のいるべき場所だと認識出来て良かった。
    それにしてもランチメニューが700円かぁ。
    自宅兼店舗だからとは言うけど、その努力には恐れ入ってしまう。

  • 疲れてるときでも気楽に読み進められて、読んだあとは元気が出た。いつもは巻末のレシピ集は読まないけど、今回は作ってみたいものばかりで試してみようと思った。

  • はじめ食堂の近所の焼き鳥屋が閉店して居抜きで若い女性にラーメン屋として貸し出すと言う。だが、開店早々ボヤ騒ぎがあり…

    若いのに1人で頑張る千歳が応援したくなりました。そして、自分で味噌汁の店を開店する気でいた皐が、はじめ食堂の居心地の良さと千歳が自分よりも若いのに店をやっている事に考え出したのもいいキッカケだったと思います。
    できれば、万里が抜けたはじめ食堂には皐にいて欲しいです。

  • 久しぶりにこのシリーズを読んだけど、相変わらずずっとお腹が刺激されて大変w ランチメニューも夜の居酒屋メニューも美味しそう。しかも安い!この物価高に23区内で700円。
    今作から登場のラーメン店主千歳がメイン。
    物騒な事件が続いて、おばちゃんシリーズらしくないなと思ったりもしたけど、ラストの展開に「えっ」と声に出るくらいの急展開。
    忘年会に参加してみたい。

  • 「はじめ食堂」のシリーズ14作目。
    今回は、常連さんたちはちょっと傍に控えて、新しい風が吹く。
    「はじめ食堂」とともに古くから続いていた近所の焼き鳥屋の「鳥千」が店を畳んで、店舗は居抜きで貸すことになった。人気のラーメン店で修行した、相良千歳(さがら ちとせ)が独立して開業する「ラーメンちとせ」が入る。
    挨拶に来た千歳を、二三はすぐに気に入った。
    八百屋の松原団(まつばら だん)は、少し前から名前は出ていた。
    このカップルは、常連に加わるのかな?

    コロッケに関しては、同感。
    手作りすると、本当に手間がかかるのだ。
    でも「所詮はコロッケ・・・なのよね・・・」と、昔ママ友も言っていた。
    努力の報われない一品なのである。
    本のタイトルは「ときめきコロッケ」の方でも良かったかも。

    第一話 ラーメンで、こんにちは
    第二話 笑顔のタンメン
    第三話 昭和の焼きめし
    第四話 再会のリゾット
    第五話 ときめきコロッケ

  • 毎回美味しそう…

  • 一子さんの「喝」に今回もスッキリ!
    言葉に重みがあるよなぁ。
    店舗への空き巣用に「ご苦労費」という名の自衛策。
    なるほどね、店舗を荒らされるくらいなら5万円くらいは安いものか。
    貝類冷凍すると旨み増すという、本作家さんの別シリーズ「ゆうれい居酒屋」レシピ登場に歓喜!

  • シリーズ14作目にもなると、安定の物語運びなのだけど、登場人物の成長や変化が見られてホッとする。性同一性障害の孫(体は男性、心は女性)を認められず、距離を置いていた祖父が食堂のおばちゃんたちのおかげで孫との関係を修復、今では孫の良き理解者となっていて、この2人の関係性がとても温かい。心配ばかりかけて、と詫びる孫に「心配できる相手がこの世にいるのは幸せなことだ」と応じる。
    物語の中では他にも、一緒に泣いたり怒ったり、励まし合いながら生きている関係が幾つも登場する。刺激的な作品ではないかもしれないけれど、魅力的。

  • 前も思ったけど、別居婚するなら男性も実家を出て自立しろよ。
    男側が生活の雑事を実家に担わせておいて、結婚に反対する母親だけが悪者扱いがとにかく不快。
    別居婚を描くなら、生活面で自立している男女の話にしてください。
    料理研究家の人は何も悪くないけど、このカップルが登場するのがだんだん苦痛になってきた。
    不快なので読み飛ばしてます。

  • 今回も美味しく、心温まるお話し。まだまだ続きを読みたい。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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