幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下) (ハルキ文庫 た 19-32)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 715
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758446211

感想・レビュー・書評

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  • 待ち望んだシリーズ最後の作品。期待が大きすぎたかも知れない。四話の作品だが、どれも中途半端に終わった感じ。
    第一話 暖簾
    八代周助の話し。幸と賢輔の結婚を、賢輔の親にどう説明するか悩む周助。賢輔が九代となることで、身を引こうとする周助。悩んだ末の結論は・・
    第二話 菊日和
    幸の江戸店も菊栄の店も惣次の店も大火で焼けて仕舞う。いち早く立て替えた菊栄と惣次の関係が微妙に接近する。
    第三話 行合の空
    行方不明となっていた妹の結のその後。忠兵衛と二人の娘と共に旅籠を経営。相変わらず結は姉の幸への恨みと反発心がぬけない。忠兵衛は恨みを捨てたよう。結と娘達の将来はどうなるのか?
    第四話 幾世の鈴
    幸と賢輔が結婚して10年後。大阪で九代目となった賢輔に試練が訪れる。九代目としての判断が試される時。幸も61歳。子供の無い夫婦の後継問題も出て来る。微妙に結の子供も絡んで来るが、ここでは進展せず。
    どれも、なかなかスッキリしない終わり方。この後も続きそうに見えて、完全に終わりのようだ。

    • はまだかよこさん
      わざわざコメントありがとうございました。
      終わってしまいましたが、
      なにか期待をさせる「あとがき」が……
      待ちましょう ね

      いつ...
      わざわざコメントありがとうございました。
      終わってしまいましたが、
      なにか期待をさせる「あとがき」が……
      待ちましょう ね

      いつもありがとうございます
      これからもよろしくおねがいいたします
      2024/03/14
  • 高田郁『幾世の鈴 あきない世傅 金と銀 特別巻 下』ハルキ文庫。

    特別巻の下巻も五鈴屋ゆかりの4人の人物を主役に据えた短編4編を収録。そして、今回も巻末付録に『治兵衛のあきない講座』を収録。

    明和九年に起きた行人坂の大火後、五鈴屋ゆかりの人びとの人生の断片が温かい筆致で描かれる。

    2016年に刊行の始まった本編が完結し、特別巻という形式でスピンオフ短編が書下ろしの上下巻で刊行された。今後もこういう形式でシリーズは刊行されるようなので楽しみはまだ続きそうだ。願わくば最後には二人で微笑む幸と結の姿を見たいものだ。


    『第一話 暖簾』。元桔梗屋の五鈴屋八代目店主・周助の暖簾を巡る迷いと決断を描いた短編。幸は登場せず。

    『第二話 菊日和』。江戸に留まり、小間物商『菊栄』店主として新たな流行りを生みだすべく精進を重ねる菊栄の姿を描く。ここにも幸は登場せず。

    『第三話 行合の雲』。結のその後が描かれる。姉への嫉妬や憎しみから五鈴屋の染め物の型紙を持ち出した結も50歳を迎え、様々な思いが去来する。その果てに辿り着いたものは。幸と結の再会と互いに互いを認め合うという幸せな結末ではなかったが、仄かな光を垣間見ることが出来た。

    『第四話 幾世の鈴』。還暦を迎えた幸が、九代目店主で夫の賢輔とともに五鈴屋の暖簾をどう守り、その商道を後世にどう残すのかを熟考し、決意したものとは。タイトルの『あきない世傅』の意味がついに明かされる。

    本体価格700円
    ★★★★

  • 何か頑張った日にご褒美として、いつも我慢している「新刊」を買うことにしている。
    ...けれど今回は無理だった。買っちゃえ(笑)

    音羽屋忠兵衛の変わりようにビックリ!
    そして、敢えて賢輔どんと呼びますが、幸に対する態度が...照れるぅ。2人の間の空気に、何かモゾモゾするぅ。

    まあ結局、このシリーズの人達はみんないい人だったということだ!よかったよかった。
    またいつか五十鈴屋の皆さんと会えるといいね。

    • ひまわりめろんさん
      わー!何わいより先に読んどんのやー!わー!
      わー!何わいより先に読んどんのやー!わー!
      2024/02/29
    • へぶたんさん
      えへへへへへへ(//∇//)
      お先にゴールさせていただきましたで〜
      えへへへへへへ(//∇//)
      お先にゴールさせていただきましたで〜
      2024/02/29
  • あ〜ついに完結でおます。゚(゚´ω`゚)゚。
    それぞれのその後…みんな長生き笑笑

    五十鈴屋の100周年!
    幸が還暦で店は賢輔が9代目として頼もしく、幸は愛し愛され…店も繁盛!!
    気持ち良く了!でおますε~( ̄、 ̄;)ゞフー

    楽しませてもらいました〜♪

    小骨のように刺さっていた妹の結も…まぁ良しとしよう!結の娘の話は…
    なるほどそうきたか〜と
    いつか会うんだろな…と
    上手く決着つけたなぁ…と
    やっぱ結嫌いでおますけど!

    高田さん上手いな!!


    さぁ次はどんなシリーズか?
    楽しみながら待ちます‹‹\(´ω` )/››


    • みんみんさん
      一気読みできるの羨ましいだす笑笑
      一気読みできるの羨ましいだす笑笑
      2024/04/09
    • ひまわりめろんさん
      もうちょっとで予約が回ってきそうめっちゃ楽しみでおます
      もうちょっとで予約が回ってきそうめっちゃ楽しみでおます
      2024/04/25
    • みんみんさん
      ちょっと我慢やで!
      気〜引き締めて待ちなはれε~( ̄、 ̄;)ゞフー
      ちょっと我慢やで!
      気〜引き締めて待ちなはれε~( ̄、 ̄;)ゞフー
      2024/04/25
  • 8年にも渡って読み続けたシリーズもとうとうこれで終焉を迎えた。あっという間の8年だった。まだ幼かったあの幸が還暦なんてね。いつの間にか年を越されてしまった。

    特別巻下巻4編の短編はどれも長年のファンにとって嬉しいものばかり。気になっていた人たちのその後が分かって安心できた。

    菊栄と惣次が程よい距離感でいい関係を築いていて良かった。ほんとお似合い。たとえ夫婦にはならなくても、互いに助け合って精進する2人。2人メインの物語も読みたくなった。

    一番驚いたのは結。
    結に関してはずっと心配していたけれど、まさかあの蛸をカッコいいと思える日が来るとは、本当にびっくり。あの蛸も落ちるところまで落ちて一皮剥けたのだろうか。一皮剥けた蛸が側にいるなら、結もきっといい方向へ導かれるはず。可愛い娘たちにも恵まれて、結を大人にしてくれたのだろう。この娘たちの物語もいつか読んでみたい。手作りのお守りが幸の元へ渡って本当に良かった。

    そして幸と賢輔、2人の行く末に思いを巡らせて本を閉じたい。

    髙田先生の新しいシリーズものも、心よりお待ちしてます。ありがとうございました。

  • あきない世傳、いよいよ15冊め特別巻下
    これを持って終了!

    「人はどう生きるのか」という話だったように思う。
    上手く物事が進んでいる時の心構え、どうにもならない程の絶望の時の対処、自然災害も。
    「万里一空」と言うことばが出てくる。
    空はひとつに繋がっている、いろいろな縁が結ばれて商売は(人生も)成り立つ。だから人に手を貸せる時は貸して、借りる時は借りる、と言う意味。
    今の時に置き換えるなら、地震等に遭い困っている方々に手を伸ばすとか、かなぁ!

    そして私が最終巻で一番嬉しくて、安心できたのは、姉の「幸」に散々あたり散らし、恨み抜いていた妹が、自らの心の持ち方至らなさに心底気づいて姉の幸せを祈るまでになれた事。
    本当に良かった!

    作者によれば、この本のきっかけとなったのは、
    「いとう呉服店」(後の松坂屋)十代目店主の宇多という女性。
    困難に屈しない女性を、と新たに創り上げたのが本作の主人公「幸」であったと。
    幸は9歳で大坂天満の呉服商へ奉公に出される。
    この巻では63歳。享保期田沼意次のいた頃の時代。

    作者は、書きたいこと 書かずにはいられないこと
    題材はまだまだ有ると。
    次回作、楽しみに待つ事にしよう!

  • 浩太さんの本棚で「あっ、もう発売されてるんだ」と慌ててAmazonポチッとな

    とうとう終わってしまった
    八年間楽しませていただきました

    高田郁さんの本は全部読破でーっす

    気になっていた賢輔とのこと、菊栄のこと、結のこと
    平らにされてうんうんと本を閉じた
    タイトルの「あきない世傳」の意味も読者に

    待ってる友に渡そう

    後書きにあるように、著者はまだまだ書いてくださる様子
    タイミングを見計らい とあります (´∀`*)ウフフ
    楽しみに待っています

    ≪ 流れゆく 商い世傳 五十鈴川 ≫

    • 浩太さん
      はまださん

      いつも有難うございます。
      私の方は他の本を買いに行った時に偶然見つけて慌てて購入した物です。高田先生は半年に一回の新作な...
      はまださん

      いつも有難うございます。
      私の方は他の本を買いに行った時に偶然見つけて慌てて購入した物です。高田先生は半年に一回の新作なので、そろそろと思いながらもノーマークでした。あまりにも期待していたせいか、評価が辛口になってしまいました。
      結との関係もいつかは繋がりそうな気がして、もっと読みたいシリーズでした。

      2024/03/13
  • 読み終えて、ただただ感動。後の五十鈴屋が、すばらしい店になってよかった、幸が幸せになってよかった。このシリーズがこの形でとうとう完結したことに、うれしさと一抹の寂しさを感じる。
    あきない世傳の題名、ただ金銀が町人の氏系図になるぞかし という時々出てきた言葉の意味。これが、最後に明らかにされ、鳥肌立つような感動を覚えた。
    これを最初の構想に据えて、8年間の執筆の間、物語の中を貫く一本の川の流れのように描いている。
    すごい。やっぱり高田郁さんはすごい。
    あー、最初からもう一回読みたくなるわ。



  • 完~

    完~!

    完~!!!

    『あきない世傳』シリーズがスタートしたのは2016年。
    毎年2巻ずつ発行されて2022年の第13巻が最終巻でした。
    そして、昨年8月の『特別巻 上』
    そして、そして、この『特別巻 下』で本当に終わってしまいました。
    あぁ…

    幸が九歳で大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆奉公にあがってから53年。
    幸と一緒につらい日々を乗り越え、一緒に喜び…
    もう五鈴屋の一人になった気持ちで応援し続けました。

    これで本当に終わりなの…、と思っていたら
    髙田さんご自身が
    「タイミングを見計らい、五鈴屋の後継者たちの物語を、お届け」
    と、おっしゃっているので
    それを楽しみに待ちましょう。

    さらに、
    作家として「書きたい」「書かずにはいれれない」題材が私にはあります。
    充分な準備期間を経て、新たなシリーズを紡いで参ります」
    と、おっしゃているので
    もう楽しみでしかありません!

  • はぁ…良かった。心地よい余韻に浸りました。
    五鈴屋に縁のある人びと、本編では語られなかった登場人物1人1人の想いに感じ入ってしまいました。

    大火や飢饉、嫌がらせなど幾度となく様々な窮地に立たされながらも、「買うての幸い、売っての幸せ」を心情に、知恵を絞り、心を配り、苦難を乗り越えてきた幸と奉公人たち。
    これまでの長い道のりを改めて思い出し、胸がいっぱいになりました。

    読みながらそれぞれの人生に想いを馳せ、言葉にならないくらい様々な感情がわきあがってきた。
    読めて良かった。「特別巻」最高でした!!

    他作品も含め、髙田さんの生み出す心に染み渡るような温かい作品が本当に好き!!

    巻末「治兵衛のあきない講座」も嬉しい。
    いつか「代替わり」の五鈴屋の物語で、ふたたび馴染みの面々と会える日が待ち遠しいなぁ。

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著者プロフィール

髙田 郁(たかだ かおる)
1959年生まれ、兵庫県宝塚市出身。日本の小説家、時代小説作家。元々は漫画原作者で、その時のペンネームは川富士立夏(かわふじ りっか)。
中央大学法学部卒業後、1993年集英社の女性向け漫画雑誌『YOU』で漫画原作者としてデビュー。その後山本周五郎の「なんの花か薫る」に衝撃を受けて、時代小説の執筆に至る。2006年「志乃の桜」で第4回北区内田康夫ミステリー文学賞区長賞(特別賞)を受賞。2007年「出世花」で第2回小説NON短編時代小説賞奨励賞を受賞。そして2008年に同作を含む短編集『出世花』で小説家デビューを果たした。
代表作に、全10巻で300万部を超える大ヒット『みをつくし料理帖』シリーズ。同作は2012年にテレビドラマ化。2013年に『銀二貫』が大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project」の第1回受賞作品に選出、2014年にNHK木曜時代劇にて林遣都主演によりテレビドラマ化された。

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