- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759312621
作品紹介・あらすじ
バッシングによって貶められた朝生一郎総理と中井昭二財務相の失脚の真実。メディアとは、報道とは、"情報"とは、何なのか?偏執的な報道を繰り返すメディアの実態と情報を鵜呑みにし、無責任な判断をくだす人間の姿を冷静かつ客観的視点で見つめた本格小説。
感想・レビュー・書評
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2009年政権交代前の麻生内閣(麻生、中川ライン)を、小説スタイルの言い切り口調を用いて、正当性を擁護した書籍。
しかし、
?小説としてはオチが弱い
ゆきのんのアランとの交流を主軸は、無理やりだが、おもしろい。
ただし、友人たち、彼氏などの人間模様が決着していないようにも感じる。
?マスコミを突き動かしているのは空気ではなく数字では。
マスコミは、数字が取れるベクトル(バッシング、センセーショナル)を目指す。
そこには、朝日も、読売もない。
?だから、本書もマスコミの同類の域を出ません。
視点としては目新しい当時の麻生内閣擁護論。
このジャンルに飢えている保守層をターゲットにしたマーケティングを目指されている訳で、本書が示しているもの全てに信頼性があるとは思えないでしょう。
?しかし、誰得のナベツネさんの工作は…。
自国内閣を貶める女スパイを差し向ける読売・日テレは、発覚した際のリスクも大きく、また時間も手間も掛かりそうで、メリットが果たしてあるのかと思ってしまいます。
まあ、ナベツネさんの特異なキャラでかろうじて納得感が維持されています。
?じゃあ、どうするんだ? 大衆にはリテラシーなんて持たせられないよ。
最後に、ゆきのんも社内で冷や飯を食わされているようですが、今後どうすればよいのでしょう。
大きくなったネットも、ソースばかりでなく住人もほとんが愉快犯ばかりです。
マスコミ(報道しない力最強)に対抗できる力は2010年代中盤も持てていない状況です。
しかし、自らの偏向報道で自国がディストピアになってしまうと、社員さんも高給が維持できないと思うのですが。
図書館で借りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三橋さんの三部作の第二弾。あまりに現実に即しすぎており、多少どうかな?と思う。もう少しフィクションのおもしろさがあればいいのに。経済関連の解説は、そこそこおもしろいです。
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小説である意味がないかも。
三橋貴明がメディアの偏向報道に対して疑問提起する内容で、それを小説仕立てにしてあります。
文章も平易で読みやすいですが、最低限政治家の名前や出来事を知らないと誰のことを指しているのかわからないかも(この本を読んでる時点でそれはないか)
ただ、三橋マニアは他の本やブログで知ってる内容だと思うし、小説にして躍動感が出たわけでも無いです。
正直この本を読むより、三橋さんの他の著書を読んだほうが良いと思いますよ。
三橋さんの本を読んだことがない人にはオススメです。
しかし、中川さんの酩酊事件がうやむやになってしまう日本って恐ろしい。 -
マスメディアだけが、何を報道しても責任を取らないで済むっていうのは、不公平な気がしますね。あと、日本の新聞社で株式上場しているところが、一社もないっていうのは、知りませんでした。新聞やテレビのクロスオーナシップって何とかならないのかな。など、いろいろ勉強になる一冊でした。
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視野を広げる本
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この一冊を読んで国会と行政、そして選挙に無関心でいられるだろうか。
麻生太郎総理大臣のもと亡くなった中川昭一財務大臣の、所謂、酩酊会見を「彷彿させる」一冊。本書が、本文中でギョーカイの裏側含め架空の名称で書かれているものの、末尾の引用参照で色々実名なのは大丈夫でしょうか。
近似の話題、特にバンドワゴンを象徴するよなものという点では、某維新会と、その構想に合間見える堺市長選を控える、有権者の一人として、出会えて良かった一冊。
同選挙は地方自治と政党政治の狭間で揺れる問題を孕んでいるといえる。司法としては例えば八幡製鉄事件のごとく政党と私人の関係は認めてるんだけど、立法と行政が政党政治に起因して、構造的客観性を失ったら、人気取りや世襲制の横行する、リテラシーの低い発展途上国のままよなー、と感じた。 -
面白かった。自民党の皆さんを美化しすぎなので、これはフィクションだ、と思える・・・。実際の出来事ありきで読むと興味深いけど、それを知らない若者にはどうなんだろう?それはともかく、報道しない自由って怖いなー。
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小説の形を取った、自民党批判の批判をしている。著者の主張はもともと知っていたが、いつものように自民党を礼賛している。民主党に有利と思われる報道を行うマスメディアは敵であり、自民党の政治家は素晴らしく人気がある・・・。
書かれている内容は著者の書籍やブログで述べられているものと同じ。それを小説仕立てにしているわけだが、小説を離れてのメディア批判が目につく。ならば小説にする意味があまりない。ストーリーに添って読者を徐々にマスメディアに反感を持たせ、自民党支持を増やしていく戦略にすれば、著者の目的を達成できた気がする。マスメディア批判と自民党礼賛が露骨すぎて、小説の体になっていないし、特定の集団にしか支持されないのではないか。 -
政権交代時の衆院選において,
その時の空気に呑まれて民主党に投票しちゃった人は,
本書から得るものは多いのではないでしょうか。
マスコミの偏向報道にも問題はあるが,
自分の頭で考えない一般国民にも問題がある。
政権交代時の偏向報道と同様のことが,
今もまた繰り返されている――矮小化された個人攻撃とか。
参院選前に,本書を読んでおくといいと思う。 -
かなり軽いタッチで書いているけど、内容は濃い。マスコミの報道の奇妙な均一感とか、偏りに違和感を感じてたけど、その裏が少し垣間見れた。根が深い問題。どうやって、正しい情報を自分が持てるか、つかめるか。