- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784759810820
感想・レビュー・書評
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Man the Hunted ―
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『ぼくらの頭脳の鍛え方』
書斎の本棚から百冊(立花隆選)23
人類史・文化人類学
タイトル通りの内容。 -
表題(man the hunted)通りの内容。現代の事例含め人類が捕食されることについて、書かれている。人の起源が初めヨーロッパに求められていたというのは、なるほどと思った。
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読みたい
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途中しんどかったけど、面白かった。蛇やらライオンが怖くなった。苦労して生き延びるために進化した能力は、現代では快適な生活になりすげて退化している能力もあるんじゃないかと思った
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狩猟民族として描かれることの多い、初期人類について、実は圧倒的に被食者の立場であった、という新しいアイデアを投げかけた本。内容自体は面白い部分もありますが、訳仕方とか脚注がついてないとこで減点してこの点数。
化石証拠、他の霊長類の行動習性などからみても、初期人類は明らかに狩られる側であり、むしろそこにいかに対応してきたか、というのが自然選択として現在の人類の進化に結びついている、というのがおおまかな筆者の意見。
序盤は捕食者であった証拠をいろいろ示し、かつ大型ネコ科動物、大型イヌ科動物、猛禽類、大型爬虫類などの捕食者たちの捕食戦略が説明され、非常に興味深いです。
後半はそもそも人類が捕食者であった、というアイデアがなぜでてきたのか、そしてその根底にある西洋的な価値観と非学術的な論理の飛躍を批判します。
序盤はとても興味深く読めますが、後半からは言い方が回りくどいし、証拠が少ないという理由で過去のものを批判しても、新しい筆者の意見がどの程度信頼できるのか、という別の疑問が生じただけでした。日本人の感覚としては、筆者の意見の方がしっくりくるのですが、それを説得力のある説明ができているかといえばそうではない。同じような内容を繰り返しているし、「まあ多分そうだよねー、人類なんて非力だし」という感想で片づけられかねない。
それと脚注がこの本に収められていないというのが個人的にはあり得ない。これだけ他の研究成果から引用もしてて回りくどい表現も使ってる文章で、脚注はウェブサイトって、まったくもって不可解。
あと「Man the hunter」に反論する内容なんだから、邦題もそのままにすべきだったんじゃないですか。誤解を生む。 -
すごく納得。
読み物としても面白い。 -
初期のヒト科は一般に言われる「狩る側」ではなく、むしろ「狩られる側」だったという話。「狩り」もせず、食べる側になっている身としては、狩る、狩られる、ということに想像がつきません。
ヒトは猛獣にとって美味しい食糧だった、故に大した武器も持たないヒトは集まり、知恵を出すようになっていったという話。
「食べられて」の記載が多く「進化した」はちょっとだけ。
本当にヒトは「狩る側」ではなかったのか、という話はどうも煮え切らない。まあ、こういうことは結論が出ないほうが楽しいけれど。 -
著者はヒトは狩りをする側ではなく、むしろ肉食動物に捕食される「狩られる人」として進化してきたという説を唱えている。
ヒトの祖先、アウストラロピテクスなどのいわゆる原人は狩猟を主な食物獲得の手段としていたと考えられてきたが、
実際にはその他の現生霊長類と同じように、ライオンやハイエナの祖先などの肉食動物によって捕食されていて、
食物連鎖の頂点などでは決してなかったということを、捕食された痕跡のあるヒト科の化石などから検証してゆく。
発達した脳や高い言語能力など人を人たらしめた進化も、肉食動物からの防衛能力として進化してきたもので、
人が大型の動物などを狩猟しはじめたのは、6~8万年前からのこと。私たちの先祖であるヒト科が姿を現したのが今から700万年前とすると、ごくごく最近のことでしかない。
「ジョーズ」「アナコンダ」など人間が捕食される映画のようなショッキングな出来事が、先祖ヒト科にとってはごく日常の光景だったと想像すると、
とても恐ろしい日常のような気がするが、現在のように他の動物に捕食される脅威を感じることなど皆無なことのほうが特異な状況と言えるのかもしれない。
本書の最後に書かれている「最古のヒト科の物語」でその緊迫した日常がシュミレートされているが、
公園のベンチで何の不安もなく一時間でも二時間でも安全に(安全だなという意識すらしないが)昼寝ができる現在の私たちの生活と重ねてみることで、
あらためて恵まれた環境の時代に生まれてきたものだと思った。
いかにしてヒトが食べられていたかを想像させられてしまい、非常にスリリングに読める。
そしてヒトと自然や動物との関わりなど色々と考えさせられる本。