なぜ疑似科学を信じるのか: 思い込みが生みだすニセの科学 (DOJIN選書)

著者 :
  • 化学同人
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本棚登録 : 152
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759813487

作品紹介・あらすじ

現れては消える数々の疑似科学。私たちは、科学の仮面をかぶったニセ物をどう見きわめ、いかにつきあっていけばいいのだろう。本書では、疑似科学の問題点や科学と疑似科学をめぐる考え方を整理するだけではなく、疑似科学を信じてしまう傾向を、「ニセ物なのに信頼のおける科学だと思い込む誤信念」ととらえ、その核心に迫る。宏観異常現象による地震予知や血液型性格学をはじめとして、疑似科学に共通してあらわれる特性を鋭くついた決定的な入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 科学的であることと、科学的を装うことの違いを平易な言葉で、懇切丁寧に書いてあって、一気に読めました。
    一番わかりやすかった例え話は、「科学」というブランドに対して「疑似科学」が偽ブランドとして弊害があるというくだり。その導入部から「なぜ人は疑似科学にだまされるのか」ということを心理学の立場から解説されてゆきます。
    そして、「科学」の限界(境界?)と、実社会で必要とされている技術とのあいまいな関係についても言及されていて、それでも「科学的であれ!」という主張に感動しました。
    しばらくはマイブームになる1冊です。
    お節介にも甥っ子の高校生に買ってあげようかと思ってます。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それでも「科学的であれ!」」
      この著者が書かれた「超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ」や、安斎育郎の「人はなぜ騙さ...
      「それでも「科学的であれ!」」
      この著者が書かれた「超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ」や、安斎育郎の「人はなぜ騙されるのか―非科学を科学する」「だます心 だまされる心」を読むと溜息が出ます。
      が、、、読み込めば「騙し」のテクニックを会得出来るんじゃないかと莫迦なコトを考えてしまいます。
      2013/06/28
  • ”心理学者の”菊池先生による疑似科学本。心理学者の端くれとしてとても面白く、同時に身につまされる本であった。心理学における再現可能性にかんする読書会(http://togetter.com/li/461278)に参加した直後に読み始めたのでなおさら。と同時に、次の心理学の講義に活かせる内容もたくさん。

    最後の、疑似科学を「雑草」に例えたところが、この本の精神をよく表していると思う。雑草が生えてくるのもまた自然の営みであり、草むしりによって体(思考)も鍛えられる。そして雑草が一本も生えない庭は、コンクリ固めだったり除草剤まみれの不自然な空間である、と。疑似科学を敵視するのではなく、柔らかく、真摯に、そしてむしろその存在を糧として「知」を養っていこうという著者の姿勢に感銘を受けました。心理学者必読。と言わせてもらおう。こういう姿勢を維持し、こういう文章をかける大人になりたい。

  • 請求記号 404/Ki 24

  • 2021-07-26
    疑似科学は人の認知特性に寄り添ったやさしい科学。妙に納得した。非科学/未科学/疑似科学 を明確に説明していて、スッキリ。
    オカルト=疑似科学ではないんだよね。それそれ。それが聞きたかった。

  • 科学とは積み上げであり、仮に10個確認実験が必要な状況で9回確認できても1回確認できなければ、主張したい理論や検証方法を見直す必要がある。
    そこをすっとばして、都合の良いデータを部分的に集めて示したのは擬似科学、おまじないに過ぎない。
    気休めになるなら別に良い気もするが、そうではなくて、本来、治療や他のことに使えるお金や時間を消費してしまうのは損失である。
    先日まで経皮毒を信じていた戒めとして読んだ。

    (蛇足)
    自分が信じてしまった背景としては、
    1.理論的に考えて効果はあるのか?思考を続けることはしんどい。
    2.でも理由なく思考を停止するのは後ろめたい。
    3.その状況で、権威がありそうなものに効果あるんだよ〜と言われて、お任せしましたー、と委ねるのは、少し後ろめたさを減らせるのだろう、
    と思った。

  • 一見科学的な用語やデータで飾られているだけで、実際には科学とは言い難い偽物の科学-疑似科学-
    なぜ我々は疑似科学を信じてしまうのか?著者の専門とする認識心理学を元に、その心理の核心に迫る。

    騙されないようにする指南書、ではなかったですね。
    特に目新しいことではなく、「まあそうだろうな」という内容で、解説部分が長くちょっと飽きてしまうかも。
    雨乞いの錯覚や認知バイアスなどは、ちょっと面白かったです。
    騙すために疑似科学を使うのは勿論駄目ですが、厄介なのは本気で信じている人。
    ですが一刀両断に断罪しているだけではなく、上手く付き合っていくことだ大事だと書かれていることに好感が持てました。世の中正論だけでは回らないということです。

  • 疑似科学がしぶとく信じられ続ける理由を認知心理学の観点から説明した本。疑似科学と科学の境界がそんなに明白でないことも,心理学には科学的でないものからザ・科学なものまであることも書かれている。2012年刊というけど,2015年あたりからの心理学における再現性問題の後に書かれたのかと思ったくらい,今ちょうどタイムリーな話。

  • 2016/04/22


    日本でB型とAB型は結構不利

    まさか2011年まであったとは。。


    ハイテク製品が人間の認知向けに変更された
    (ランダム)

  • 擬似でなくとも偏見は悪い、の手前で議論してる

  • 菊池先生の本は、どれも読み易く判り易く、面白い。
    これまで出された本とそう変わりがある訳ではないが、認知心理学、あるいは科学としての手法等から、科学と疑似科学の違い、問題や、誤解を説明してくれる。
    近代社会に生きて行くにあたって、この手の本には一度は目を通しておかないと行けないだろうね。
    てか、学校で教えることって、こういうことも必要なんじゃないのかね。

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