パリのすてきなおじさん

著者 :
  • 柏書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760149117

作品紹介・あらすじ

難民問題、テロ事件、差別の歴史…。世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。だけどパリのおじさんは、今日も空を見上げる。軽くて、深くて、愛おしい、おじさんインタビュー&スケッチ集!

感想・レビュー・書評

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  • 帯が四種類。それぞれ別のおじさんと言葉がかかれている。
    https://www.kashiwashobo.co.jp/book/9784760149117
    より転載
    目次
    はじめに(金井真紀)
    第1章 おしゃれなおじさん
     白と黒にこだわる絵描き/イタリアに通う弁護士/十着しか服を持たない男/アフリカ人街のか
     つら屋/LGBTセンターのボランティア
     <ちょっと寄り道>カルチェ・ラタンの古本屋


    第2章 アートなおじさん
     旅するギター作家/下町の彫金師/小劇場の喜劇役者/モンマルトルの老画家
     <ちょっと寄り道>フリーメイソン博物館


    第3章 おいしいおじさん
     元マーケターのワイン屋/老舗クスクス屋の店主/星付きレストランのシェフ/カレー屋街のタ
     ミル人
     <ちょっと寄り道>パリの地下散歩


    第4章 あそぶおじさん
     ボールを蹴るベルベル人/PSGファンが集まるバーの店主/カフェで出会った競馬の達人/パリ
     在住四十年の日本人ジャーナリスト/競馬場に通う元警官
     <ちょっと寄り道>大統領選挙、候補者集会めぐり


    第5章 はたらくおじさん
     マリの出稼ぎコンシェルジュ/アラブのお菓子を売るユダヤ人/ポルトガルから来た塗装工/中
     国・青田出身の出版人
     <ちょっと寄り道>同時多発テロの現場へ


    第6章 いまを生きるおじさん
     「隠れた子ども」だった人/難民申請中のスーダン人/難民支援団体の事務局長/イラクから逃
     げてきたクルド人/大衆紙「パリジャン」の記者/癌の研究をしていたベトナム人
     <ちょっと寄り道>泡沫候補!

    取材後記(広岡裕児)
    あとがき(金井真紀)

  • パリが好きで、3回行きました。
    いろんなおじさんがいて、多国籍。
    日本のおじさんてイメージが固定されてるけど、パリはこれって型がなくて面白い。

    特に世界中で起こってる戦争の話は、今も続いている。日本にいる私たちは、知ろうとしなければわからない。

  • この本をそばに置いて、中学・高校の歴史と社会の教科書を読み直したい!
    授業がつまらないなぁ、試験勉強しんどいなぁと思っている学生さんに「こんな本ありまっせ」と紹介しようと思います。

    インタビューされるおじさんたちは、みなさんとてもチャーミング。第二次世界大戦を経験した人、移民でパリに来た人、難民として来た人、彼らの語る個人史から社会、歴史が見えてきます。

    自分が生きる世界にはどんな歴史があって、誰が傷ついているのか、誰がどんな風に生きてきたのか。これらを想像することは、きっと社会を(あと自分を)少し変えるきっかけになると、この本を通して思いました。

  • 一万円選書の一冊。

    前半はダラダラとおじさんを楽しんでいたのだけれど。いまを生きるおじさんゾーンで色々考えさせられた。
    特にホロコーストを生き延びたおじさんの話しの生々しさが印象的。
    読み終わったらメルカリ行きだなと思っていたけれど、もう少し手元に置いておきたい。
    人種、文化の多様性をどう受け止めるのか、何を考えるのか。ちゃんと考えよう。

  • おじさんを集める?!
    イラストも素敵だし、パリのおじさんはおしゃれなんだろうなと思ったり。

    ほとんどがパリの街を歩き回ってインタビューしたおじしんたちなのだそうだ。
    おじさんたちには、それぞれに歴史があって、よくこんなに話が引き出せるモノだと思う。

    戦争、テロ、宗教、差別、移民など、色々と考えさせられるし、そんなバックボーンのあるおじさんたちの言葉には含蓄がある。

    一万円選書の一冊。

  • イラストが最高。もっとご老人が良かった。

  • めっちゃくちゃおもしろかった!!⁡⁡⁡
    ⁡まず開いた瞬間⁡に目に入る
    ⁡「ひらめいた。パリでおじさんを集めよう」⁡
    ⁡という一言で一気にワクワク感が増す。

    工房でピカソと一緒に過ごした⁡
    ⁡ことのある⁡おじさんとか⁡
    ⁡地下洞窟に魅了されたおじさんとか⁡
    ホロコーストの⁡⁡隠された
    子供だった⁡おじさんとか…
    ⁡⁡
    ⁡おじさんを通して大事なことが⁡
    ⁡たくさん書かれてある。⁡⁡⁡
    ぜひたくさんの人に読んでもらいたい一冊⁡⁡
    ⁡おじさんってすごい笑

  • パリのお洒落おじさんを紹介してくれる本かと思ったら、それ以上の考えさせられる本だった。
    フランスの移民問題、戦争の歴史、宗教、人種…
    おじさん(というかひとりひとりの人)を通して、その背景を知る。
    とても深い本でした。

  • 2024.3.22市立図書館
    もう一度借りてやっと読み始められた。パリ在住の知人(日本人男性ジャーナリスト、本文でも数か所にフランス事情のコラムを書いている)の協力も得て、二週間ほどかけて街を歩きに歩いてであって話を聞いた20代から90代までの男性67人の姿と言葉を描写したイラストエッセイ。
    パリと言えば「花の都」、おしゃれな観光都市のイメージばかりが強いけれどそれは一面にすぎず、多民族・多文化がひしめくフランスの首都の現在(2017年当時、その2年前にはパリ同時多発テロがあった)と複雑な歴史を垣間見せてくれる。生粋のパリジャンから異国から住み着いて長い人、たまたま流れ着いてこのあとどうなるか知れぬ人まで、基本は一人につき見開き2ページ程度ながら、どの人の言葉もすてきだったりおもしろかったり、あるいは重かった。全部フレーズ登録しておきたいくらい。そのなかでも、いちばん読み応えがあったのは、「75年前「隠れた子ども(ホロコーストから逃れて生き延びたユダヤ人の孤児)」だった人」だろうか。「マリの出稼ぎコンシェルジュ」もふしぎと忘れがたい。寄り道エッセイ「パリの地下散歩」や「フリーメイソン博物館」もすごかった。

    2023.12.17市立図書館
    先週末に金井真紀さんの公演を聞き、読んでみたくなったので予約した。
    年末年始の徒然にと思ったけれど、暮れから1月いっぱいは読書どころじゃなくてけっきょく読めないまま返却。またいつか。

  • いわた選書2冊目!

    タイトルからどういう内容の本か想像できなかったけど、読み出すととても面白かった。パリって華やかな観光地のイメージしかなかったけど、重い歴史があるんだなあと

    おじさん一人一人の生き方、哲学がとてもかっこいい。これ、日本でやるとどんなおじさんが集まるのかなあ

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著者プロフィール

1974年千葉県生まれ。文筆家・イラストレーター。「多様性をおもしろがる」を任務とする。著書に『はたらく動物と』(ころから)、『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『虫ぎらいはなおるかな?』(理論社)、『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)など。難民・移民フェス実行委員。

「2024年 『それはわたしが外国人だから?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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