- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760151042
感想・レビュー・書評
-
1917年、モンゴメリが43歳の時にトロントの婦人雑誌に連載されたもの。依頼は「ストーリー・オブ・マイ・キャリア」ということで、自伝というより、これまでどのようにして物を書いてきたか、という内容。自身の日記を多く引用している。
8歳の頃、キャベンディッシュの砂浜に船が座礁したこと、同時期同年代の二人の少年が学校に通うため祖父母の家に下宿していて3人でよく遊んだ、などという子供時代の想い出が印象に残る。
9歳頃に詩を書き、「赤毛のアン」にあるような物語作りごっこを自身でもやったとある。ダルハウジカレッジを終えベルモントとベディックで教師をしていた2年間は、物語を何本も書いたとある。
初めて原稿料をもらったのは、「重大な1週間」として、1895年(21歳)の冬、月曜日にフィラデルフィアの児童向け新聞「ゴールデン・デイズ」(週刊物語新聞でサタデイ・ナイト紙につけられて発行)への短編で5ドルを初めてもらう。さらに水曜にはハリファクスの「イヴニング・メイル」に『男性と女性どちらが忍耐強いか』で5ドル、さらに土曜には雑誌「若者の友」(ボストンで発行されていた児童向け雑誌)に詩を書き12ドルもらった、とある。
1904年の春、日曜学校の新聞に書く短編に使えそうなものを探して、持ち歩いているアイデア帳をめくっていると、「まちがって女の子が・・」というメモを見つけた。プロットが浮かび設定に虜になり、「本を書こう、書きたいものはある。あとは1冊の本に足る長さに広げるだけでいいんだわ」という風に、それは「起こった」のだった、とある。
日記からの引用で、スコットランドへの新婚旅行が結構詳しく載っている。フィンガルの洞窟に行っている。気に入った場所はインバネスとある。
・・訳文のせいかどうかわからないが、文章が硬い感じでちょっと読みずらかった。
訳者の水谷氏によるモンゴメリの生涯の解説がけっこう詳しく載っているのはよかった。日記は9歳で書き始めたが14歳でそれまでのを焼き捨て書き直し、さらに45歳の時にそれまでの日記をすべて書き写し始め48歳の時に写し終わり、それ以後は日々のメモをもとに日記に書き写すようになった、日記は後世に残すつもりで書かれているので、日記自体がいわば彼女の作品だった、とある。
雑誌「婦人の世界」に1917.6月~11月、6回にわたり連載。編集長から「ストーリー・オブ・マイ・キャリア」という題で何か書くように依頼される。1974年出版。
※「婦人の世界」はオンタリオ州トロントで1910年頃から1920年代まで発行されていた婦人向け雑誌。1921年までに1回の発行でおそらく初めて10万部を超え(106,167部)カナダで最多発行部数を誇る雑誌となった。
2019.7.10第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どんな人にも、光と陰があるということですねぇ…知りたく無かったこともあったんだけど。
-
各位
昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管...各位
昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管理するようにしています。
① なんとなく・青空 / 工藤直子 / 詩 / 本 /読了日: 2019-12-11
② 螢草 / 葉室麟 / 本 / 読了日: 2019-12-16
③ あなたのためなら 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 /読了日: 2019-04-10
④ 甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 / 読了日: 2019-05-04
⑤ あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 / 田郁 / 本 /読了日: 2019-09-14
⑥ てらこや青義堂 師匠、走る / 今村翔吾 / 本 / 読了日: 2019-08-27
⑦ ひかる風: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(四) / 中島久枝 / 本 / 読了日: 2019-07-23
※もしよろしければ、皆様の昨年感想を書かれたものの中からベストの順位を教えて頂けたら嬉しいです。
やま
2020/02/07
-
-
モンゴメリが壮絶な一生を送っている中、赤毛のアンシリーズが出版されたのが訳者のあとがきで衝撃的でした。モンゴメリが書いた文章は母親を病気で亡くした子供時代から新婚旅行までですが、モンゴメリが息をするように執筆を支えにしていた事が分かります。
-
モードの生き生きとした語りが楽しい。
-
『赤毛のアン』の作者が、婦人雑誌に連載したエッセイをまとめたもの。少女時代の話から、投稿を繰り返した修行時代、新婚旅行の記録がまとめられている。小説の登場人物に通じる夢見がちな少女を通して、プリンスエドワード島の魅力が語られていて、アンシリーズの続きを読んでいるような気分になる。読み終えた後、訳者による丁寧な解説でモンゴメリの生涯が紹介されており、実生活での苦労を知って、作品世界との落差にびっくりした。
-
『赤毛のアン』の著者が自身の「キャリア」について語ったもの。訳者もあとがきで書いているが、自伝として書かれたものではないので、もうちょっと知りたいなと思うことが書かれていなかったりといった消化不良感もあったが、「アン」の原点がモンゴメリの育った土地や自然にあったのだなぁということを再認識した。
個人的には、訳者あとがきのモンゴメリの方が興味深かった。また、伝記などを読んでみたいと思う。