■大学の教授が書いたリーダー論であるため、実態と理論と乖離があるのか、ないのか。そういう視点で読んだ。
■マネジャーの本質的な仕事とは、「適切な情報を配る」こと。マネジャーは「情報を獲りに行く」(マネージング・バイ・ウォーキング・アラウンド)というのも共感。ハーバート・サイモンの「限定合理性」(すべてわかって物事ができるということはあり得ないという考え方)には納得。
■しかし、P.24の①~④で最も大事な仕事は何かの正解には納得がいかなかった。マネジャーは成果を出すためにいるのであり、その他はそのための手段でしかないはずだ。
■ロバート・カッツの3つの能力や「ゆで蛙」の話はすでに知っていた。
■第5講人事部の論はピンと来なかった。企業の人事部の人に話を聞いて講義をしているのだろうが、人事部の建前論をうのみにしていて、人事部にいない人による人事部への目線には配慮がない。
■企業のサラリーマンを長くしている人間にとって、この本は理論より理屈としか感じられない。著者の理論は正しいが、著者が実践を体感していないことがわかってしまう内容だ。