- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761277222
作品紹介・あらすじ
「成果を出す営業のメカニズム」をデータとロジックで裏づけ
「誰もが使える武器」として体系化。
「がんばっているのに売れない。なぜ?」そんな思いが頭をよぎったことのある方に、ぜひ読んでいただきたくこの本を書きました。
いわゆる「営業本」の多くは、「私はこんな努力をして売れるようになった」というストーリーが書かれています。一方、「自分もそれなりにがんばっているのに、結果が出ない。努力が足りないのだろうか?」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本書は、4万人以上の営業を支援してきた筆者が、営業1 万人+お客様1 万人(合計2 万人)にわたる調査を踏まえ、営業における「急所」を科学的に解き明かした本です。
「急所」を外してしまうと、残念ながら、どんなに努力をしても報われません。しかし、「急所」を押さえたアクション(=「武器」) が身につくと、努力の効率が驚くほど上がり、アポイントや受注が増えていきます。
その急所に対する「武器」を、本書では「ガンバリズムの罠」と「購買者の仮面」というキーワードを用いて、できるだけわかりやすく、すぐに実践しやすい形でまとめました。
営業活動における「急所」とは、「購買者の仮面」の裏にある素顔(=本音)であり、急所を捉えるためには、「ガンバリズムの罠」にハマらないよう注意しながら、お客様が自ら本音をさらけ出したくなる提案活動(=「武器」)が必要です。
本書では、この「武器」を効果的にお使いいただけるよう、結論だけお伝えするのではなく、2万人以上に尋ねたデータの中から、重要なものを抜粋して詳しく解説しています。
「よくあるお客様の表面的なセリフ」に振り回されず、裏にある本音を捉えるプロセスを一緒に考えながら解き進めるように書きました。
「がんばり方を変えたら受注がこんなに増えた!!」こんな喜びの発見がたくさん生まれて、あなたのチームの努力が報われるようになったら、著者としてこの上ない喜びです。
感想・レビュー・書評
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営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する
**著者**: 高橋浩一
職業柄、営業に関する本はたくさん読んでいますが、本書は特に印象的でした。高橋浩一さんが著した『営業の科学』は、営業における「急所」を科学的に解き明かした実践的な指南書です。著者は12年間で4万人以上の営業を指導し、1万人以上の営業と1万人のお客様の調査を基に、営業プロセスの「壁」を乗り越えるノウハウを体系化しています。
本書は、頑張ることが必ずしも成果に繋がらない「ガンバリズムの罠」と、購買者の本音を隠す「購買者の仮面」という二つのキーワードを軸に展開されています。特に、営業における努力が報われない原因と、それを克服するための具体的なアクション(武器)をデータとロジックで裏付け、誰もが使える形で紹介しています。
営業の現場でよく聞かれる「忙しい」「とにかく安く」「検討します」などの表面的なセリフに対して、どのように本音を引き出し、仮面を外させるかが具体的に解説されています。これは、頑張ることを否定するのではなく、頑張り方を変えて効率的に成果を出す方法を教えてくれます。
また、特にマネージャー職の方には必見の内容が詰まっており、「売れてきたことのある人の普通は普通でない」や「確率思考に陥ってとにかく数をやらせる」といった問題点を指摘し、効果的な営業指導の方法も提示しています。
営業活動の本質を捉え、実際に成果を上げるための具体的なアドバイスが豊富に詰まった本書は、営業職の方々にとって非常に有益な一冊です。努力が無駄にならないようにするためのガイドラインとして、ぜひ手に取ってみてください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
具体的な指導方法がわからないマネージャーが頼れるのは、「目標達成プレッシャー」「大量行動」「関係構築」の三種の神器がガンバリズムの罠を生む。
購買者の仮面を外すことが営業の1歩目
ハズレの営業に時間を割きたくない忙しさの仮面
※全ての仮面は表参照
不信・不要・不適・不急の壁を越える
・(見積もりを出したら)すぐに決まりそうですか?
・具体的にはどの水準まで上げたいのか?
・なぜそのやり方を続けてきたのか?
・なにが解決されると成功に近づくのか?
・顧客はサービスの情報を欲している(売り込まれたくないだけ)
・いきなり見積りが来る時は裏側で相見積もりの状態
→高速レスポンスで最初の返答は1日、解決は2日
・価格以外の判断基準を明確にする
・費用対効果も中身はいくつかある
→売上アップやコストダウン
→会社全体が成長する将来イメージ
→ミッション、ビジョンやパーパスの実現
→会社メンバーの心理的負担やストレスの軽減
→もし価格がまったく同じ提案がきたら、次にどこを見ますか?
→お客様のタイプを論理・感情・政治で分ける -
営業に関する本は初めて読んだので、参考になるところも多かったです。ただ、ちょっと厳し目にレビューすれば、あまり内容が整理されておらず、体系的にまとまっているという印象は受けませんでした。タイトルから、営業の全体像がわかる本かと思いましたが、どちらかというと「お客様の本音を引き出すためのテクニック全集」といった感じです。また、想定している業界はよくわかりませんが、サービス寄りの内容な気がします。
本書では「お客様は購買行動における負担から逃れるために仮面をかぶっているので、真に受けて頑張るのではなく、それを外すように努力しましょう」という哲学が一貫して語られています。仮面をかぶっていることが膨大なアンケート結果を根拠として示されています。購買担当者も人間であり、彼らの「モノを買う」という目的を一緒に達成していく姿勢が大事ということがよくわかりました。
そこまでは良いのですが、その後は「はぐらかし」「忙しい」「いきなり」「とにかく安く」「検討します」の5つの仮面が紹介され、それぞれに対するテクニックがつらつらと述べられていて、あまり頭に入ってきません。
あまり整理されていない印象を受ける原因を考えてみましたが、どの仮面も結局は「お客様の負担をやわらげる質問力」とか「客に響く課題解決提案」とか「費用対効果を示す」とか「レスポンスを早くする」ということに帰着し、これらのキーワードがあちこちに出てくるためだと思います。違う仮面だったはずなのにやることが似たような内容になっており、さっきと同じページを読んでいるのか?と何度も読み返す羽目になりました。
このような内容であれば、質問力などの力を高めるとどのように役立つか、という視点で書いたほうがスッキリして良かったのではないでしょうか。
と思ったところで著者の前著「無敗営業」の目次を見ると、どうもそんな雰囲気の本に仕上がっている気がします。前著を読んでみたくなりました。
本書のウリは、切り口を変えて情報量を増やし、前著に対してアンケートの件数も増やして、データで「実は仮面をかぶっているんだよ」という根拠を示しているところでしょうか。
そもそも営業のプロセスを考えるなら、関係構築のステージでぶつかる「忙しい」の仮面を最初にしたほうが分かりやすいのでは。「いきなり」に至っては他の章との被りも多く、もはや不要ではないでしょうか。
また、分かりにくい命名も気になりました。特定質問とか核心質問、課題解決質問とかいうテクニックが書かれていますが、ピンときません。特定質問って何かを特定するための質問?と思いきや、どうも条件付き質問や選択肢付き質問のことをそう呼んでいるようです。核心質問は「困ってないですよね」という質問のことで、課題解決質問と呼んでいるのはSPINという有名なフレームワークのことらしいです。
内容を自分なりにまとめます。
・関係構築における「忙しい」の本音は「時間を無駄にしたくない」。アポイントにこぎつけるには、実力があって時間を割く価値のある営業だと思わせるべし。
そのために→客にちょうど刺さる課題を提示し、費用対効果をざっくりと示す。面談の準備ではレスポンスを重視し、商品紹介では「課題とその解決方法・客と共通点のある事例・他社品との比較」を盛り込む。フォローではレスポンスの速さとお役立ち情報が重要。問い合わせて課題を解決するまでに2日以内を期待されているので、チームで知見を共有できるチャットを用意し、レスポンスの速さを磨く。お客様も社内での調整に追われているので、こまめに状況をアップデートするためにコンタクトは週に1回以上が目安。10分TEL面談も有効。
・はぐらかしの本音は「リスクを避けたい」。BANTCH(Budget, Authorities, Needs, Timeframe, Competitors, Human Resources)に関して情報を取りたいときは、不安を和らげ、負担を軽減し、売り込み感の無い質問をするべし。
そのために→枕詞や深堀り、条件・選択肢付き質問、SPINフレームワーク、5W2Hを駆使する。
・「とにかく安く」の本音は「価格以外の判断基準がない」。高めの予算を取ってもらい、高くても買ってもらうようにするためには、価格以外の判断基準を作るべし。
そのために→要件整理をして顧客の要望(課題解決と費用対効果)に答えていることを示す。要件整理では網羅性、具体化、優先順位について質問してすり合わせる。価格を見せる前にしっかり価値を訴求しておくことが重要。売上アップ・コストダウンだけが費用対効果ではなく、会社の成長やミッションの達成、メンバーの負担軽減ができることも費用対効果として見てもらえる。ただし、予算よりプラス10%は要注意(無理かも)。
・「検討します」の本音は「面倒なので保留したい」。いつの間にかの失注を防いでプロジェクトを前に進めるには、待っていないで助け舟を出すべし。
そのために→商談終盤のクロージング段階では担当者レベルの「そもそもの目的→聞いた感触→進め方への意見」を聞き取り、乗り気だと感じたら「BANTCH→社内予定→ネック」と聞き取る情報を広げ、「会社としてのネクストステップ→こちらへのリクエスト→社内会議後の10分TEL面談のアポ」のように話を進める。決裁者を説得する(あるいは説得するお手伝いをする)ために、なぜこの価格なのかロジックを説明して予算化をガイドし、「課題とその解決方法・解決策の希少性・費用対効果」をアピールする。反応が来ないときにはただのリマインドではなく、お役立ちメールを出すようにする。
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Xで仕事に関して有益なツイートをしてたから購入しました。
顧客向き合いをしてる&コミュが苦手なら、対策が具体的でいい内容だと思います。
お客さんの本音を見極めるのが大事! -
400ページ以上あるがサラッと読める。営業活動を行う上でハマりそうなポイントを1万人のアンケート結果を用いながら解説している。気合いで頑張れ!だけにならないよう、他人が真似できるノウハウになるよう配慮して書かれていることが良く伝わってくる本。
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特に新規開拓を必要とする営業に携わる全ての人に読んでほしい。「仮面」を被ったお客様と、どう仕事を作っていくのかを的確に言語化している一冊。
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営業の効率的な努力方法を記載してある本。
人口減少している外部環境の中で、今までの営業方法に疑問を持っている人が読むと、納得感がある。
昔の営業方法でそのまま管理職をしている人は一度読んでみるとよい。
いかに自分が組織を疲弊させていたかに気付くことができる。
一つ希望を言うと、顧客をセグメントに分けて、セグメント別に効果的な営業方法も記載あると、もっと良いかなと思いました。 -
色んなパターンの断りの本心を暴いている。
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ガンバリズムの罠…がんばり方を間違えているの内容は自身も当てはまるところがあったので、反省と学びを得ました。
ハイパフォーマー、ローパフォーマーの違いを数字で比べながら学べるので頭に入りやすかったです。