タクティカル・アーバニズム: 小さなアクションから都市を大きく変える
- 学芸出版社 (2021年6月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761527693
作品紹介・あらすじ
個人が都市を変えるアクションを起こす時、何から始めればよいのか。都市にインパクトを与え変化が定着するには何が必要なのか。本書は、小さなアクションが拡散し、制度を変え、手法として普及し、社会に定着するアプローチを解説。アメリカと日本の都市の現実に介入し、アップデートしてきた「戦術」を解読、実装しよう。
感想・レビュー・書評
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2023.05.21
仕事で道路活用などの社会実験を企画することになり、早速読了。
多くの事例が掲載されていることから、各事例の成功した点や改善点を学ぶことができた。
また、タクティカルアーバニズムの出自がまとめられていて勉強になった。アメリカでは、タクティカルアーバニズムはニューアーバニズムの都市像の具現化のための手段であるのに対して、日本では大きな方向性やビジョンが支配的でないという状況。
一方で、ビジョンを持たないタクティカルアーバニズムが住民に都市の自治意識を取り戻すきっかけになっている。
最近は多くの都市で行われる公共空間活用の実験。都市の風景も同じようになってきているという危機感を抱く。他の地域と差別化するには、その地域らしさが滲み出る必要がある。そうなると、長期的なビジョンやエリアブランディングが必要であり、その手綱を握ることが専門家の役目かもしれない。
今後、何度もこの本に立ち返るだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これからのまちづくりは、日常に溶け込んだ住民の住民による住民のためのまちづくりだと思う。なんとなくしか読んでないが、それを実現可能にしていくのがタクティカルアーバニズムだと感じた。
ただ、「社会的弱者を生み出す社会実験になっていないか?」ということがソーシャルワーカーを目指す者として気になる。自分はそういった視点からもっとまちづくりをみてみたい。 -
タクティカルアーバニズムに関する事例紹介など。
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・P16:タクティカル・アーバニズムとは[私見:要はITにおけるアジャイル]
タクティカル・アーバニズムは「"意図的"に長期的な変化を触媒する、短期的で低コストかつ拡大可能なプロジェクトを用いたコミュニティ形成のアプローチ」と定義される。
典型的な形としては、「長期的で大きな投資」(所用5〜10年)を行う前に、「短期的で費用のかからないイベント(あるいはデモンストレーション)」(1日〜1ヶ月)、「実験」(1ヶ月〜1年)、「暫定的デザイン」(1〜5年)と、段階的に次のスケールへと進んでいく。この反復的なアプローチが、タクティカル・アーバニズムの特徴である。 -
自分のまちを自分たちで作っていく取り組みである「タクティカル・アーバニズム」に可能性を感じ、手にとった本。
結果、やはり読者の違いによって読後感は異なるのだろうなと想像します。
まず、これから都市に立ち向かっていこうという方に対しては、その基本的な考え方と、モチベーションを高めてくれるキラキラ事例を紹介してくれています。
「タクティカル・アーバニズム」概念について知りたい研究者・学生に対しては、都市計画思想史における立ち位置や、日本における位相が紹介されています。
ただ、この手の他の本も同様ですが、事例や取り組みのキラキラ感がやはり強調されるので、各取り組みの裏にある試行錯誤や泥臭い政治的駆け引き、個人的な葛藤などは当然触れれていません。
多くが、「〜〜〜の背景から、〜〜のような取り組みを開始し、〜〜〜のような街の変化が起きた」という程度の表現にまとめられます。
この書籍に勇気を得て、実際にまちに飛び込んでいこうとする方々のニーズからすると少しギャップがあるような気もします。
まあそれでも、チャレンジなくしては何も変化はないのでしょうが。 -
東2法経図・6F開架:518.8A/I99t//K