- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784762824272
作品紹介・あらすじ
人間科学に仕掛けられた「呪」を解くため,相応の理論的基盤整備が求められている。自らの学範の相対性を認識し,異なる領域と建設的なコラボレーションを行うことを可能とする認識装置(メタ理論,共通原理,総合ルール)の備である。本書で明らかにする「構造構成主義」こそが,そのために体系化された認識論である。
感想・レビュー・書評
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002-サイ
100120062
臨床や研究といったものを根本から考えたい人におススメ。特定の理論や立場、職種を超えた視点を学ぶことができます。「多職種連携」について考え、実践するうえでも示唆的です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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構造構成主義のいわんとしていることは何となく分かるのですが、じゃあ具体的にどうすればこの理路がうまくゆくのか、イマイチ分かりませんでした。
僕は基本的にはファイヤアーベントの「何でもアリ」(人によって色んな考え方があっていいじゃないか!)という主張に賛成なのですが、議論を一つにするための合意形成(会議等)には、著者の言うように『何でもアリの相対主義では統一できない』という欠点があります。
で、対立が起きた場合に、お互いの主張の前提条件を開示して、もう一度練り直そうというのは納得します。これはまだ分かりやすいです。
現象を第一に置いて考える、というのも分かります。
その意義は分かるけど、それがどのように使えば良いか、それがよく分かりません。例えば、医療現場では、理論家と現場の対立はよくある事で云々と言いますが、お互いの前提条件をクリアにして再議論したところで、視界が一気に開けるような大きな変化はないと思います。現状より少しでも前進できれば良い、と著者は言いますが、なんか『構造構成主義(の理路や考え方)によって劇的に変わってくるぜ!スゲーだろ!』という全能感が本書から伝わってくるので、そのギャップが大きいです。勿論僕の読解力が低いからそう思うだけであって、分かる人には分かるんでしょう。僕には構造構成主義の有用性・効果・偉大さが少ししか理解できなかったというだけです。
著者の新作が最近出たので(しかも新書本!)、そちらに期待します。僕の評価はAにします。 -
ようやく読み終えました。ものすごくボリュームがありました。客観的な実在はなく、現象があるんですね。まだまだ未消化です。。
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12/03/08。
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ムツカシイ。。。
多様性があること、便利なツールであることはわかった。
いろんなエッセンスが詰まってるんです。
まさに構造構成主義のように、ここから興味が発展していくのです。
思考のギフトボックス。きっかけ本。
正しく理解しなくちゃ、もったいないね。
少しお休みしたら、また読もう。 -
2006
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私としてはかなりハイスピードで読んだ方だと思います。
(ちなみに私の場合関心の度合いと読む速度は正比例する気がします)
面白かったです。多分完全に理解し切れてはいないと思いますけども・・
最初でドン引きしたのはすでに某所で言ってあるので伏せておくとして。
ソシュールをちょこちょこ呼んでた身としては「恣意性」について
未だ分かってなかったことが若干ショックでした。
言葉は、難しいな・・
いろいろと初めて見ることばかりで、それだけでも勉強になりました。
思想自体に対しては、本当に素朴な感想で申し訳ないのですが
「これすごいな」と思いました。みんながこういう事を少しでも
傍らに置いて考えていたら、どれだけ素晴らしいだろうと。
割と様々な分野が渦巻いてる今の所属学科では、あんまり表には
出てこないまでも小さな対立や誤解が現にあります。
同じ心理学(の基礎系)の中でもこんな状態なのに、外に出たら
どうなっているんだろうとよく考えたりしてました。
ただし、哲学に全く触れたことのない人がいきなりこれを読むのは少々
きついと言うか、上手く消化できないのではないかなと思ってます。
私自身だいぶ慣れてきた(抵抗が無くなってきたというレベルですが)
状態で読んでいるので、周りのM1に即オススメできるかというと、
厳しいかなと・・。もちろん、関心のある方は別ですが。
言語をやっていると、主客問題や視点といった問題を回避せずに
いられないので、その対処法の1つを頂けたというのが大きな収穫だと。
あと知覚パラダイムを使っているので、知覚研究法のところの応用は
参考にしてみようと思ってます。
それから前の日記にもちらっと書きましたがアナロジー法が適切に
使えるようになったらものすごく強いだろうなと。
私はまだまだ研究者としてヒヨッコで、よそ見をしないで
早く自分の分野を極めろと先輩方にも怒られっぱなしなのですが
この思想(と哲学的な視点)は大事に持っていきたいと思います。
専門性が高くなる前に視野を広げておけばそれ以上狭まることはないと
信じつつ。