ワーキングメモリと学習指導: 教師のための実践ガイド

  • 北大路書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762826986

作品紹介・あらすじ

ワーキングメモリとは何か? 実は子ども個々のワーキングメモリ容量と学習遅滞とは密接に関連している。学習遅滞児の教育に悪戦苦闘する教師のために,ワーキングメモリの機能を理解し問題を抱えた子どもにどのような指導を行えばよいか,学習を成立させるために教師が理解すべき新たな知識をわかりやすく整理した。

感想・レビュー・書評

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  • 本書には、教師の発達障害児への対応処方箋が書かれるが、ワーキングメモリーの能力開発方法は書いてない。むしろ、教育的な伸ばし方がないかのごとき書き振り。WMの機能低下が注意散漫を招来している点は新奇情報。さらに、補助具・提供情報の簡明化・短文化、あるいは頻繁な情報提示でWMの機能低下に対応、とある。確かに、多数の生徒を抱える立場では有益であるのだろうが、私が知りたいことと違う。また、現象面として現れる「聞こえにくさ」「聞き落とし」とWMの機能低下との関連性や、この主因についても?。やはり判らないことが多い。

  • 非常に興味深い内容ばかりが書かれた本であった。と言っても、僕は正直、読む前から内容の大半を知っていたので、なんら新たな情報を得るには値しなかったのではあるが、それでもやはり面白い本であった。

    本書の特徴は、なんといっても、ワーキングメモリーについて何ら知識の無い人向けに書かれた実学書であるということである。何ら知識の無い人と言うのは、とりわけ、教師である。本書の前半部は、ワーキングメモリーについて概説している一方、後半部については、ワーキングメモリーが引き起こす、教育現場における児童の問題とその対策法が書かれているのである。
    どうしてワーキングメモリーが教育と関係があるのかと言われると、(本書を読めばわかるのだが、)3歳のときのワーキングメモリーの成績が小学生、ひいては大学生以降の、その子の学業成績を明確に反映しているからである。すなわち、ワーキングメモリーの容量が少ない子は、勉強で躓くことが多いと言うわけである。しかも、そのワーキングメモリーの容量はトレーニングによって改善することはないのだと言う。
    では、子供たちに対してどのように教育すれば、ワーキングメモリーのハンデを緩和することができるのか。・・・・そのようなことが本書に書いてある。

    後半部の実際的な対策法の部分には、僕はあまり興味はなかったのではあるが、正直、前半部に書かれている事実を知った時の衝撃たるや、筆舌にたえない。一読に値すると思う。

    そして、何よりも、好意的に感じられるのが、本書の著者が眉唾ものの議論を展開する「業界人」ではなくて、列記とした認知心理学者であるということである。記憶の基礎研究者なのである。

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