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  • Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763006011

作品紹介・あらすじ

ウツ気味の中年ヴァンパイアの俺が拾った少女は、「人間牧場」から逃げてきた赤い血のかよった本物の「人間」。その新鮮な血をいただくお楽しみを後回しにして奇妙な同居を始めたのだが、ガキを育てることの面倒といったら…そしてその楽しさときたら…!スリルでクール、滑稽でホロリとする、吸血鬼モノの「快作」、ついに日本上陸。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は人口のほとんどが吸血鬼になった世界。吸血鬼の中年男性が人間の少女を拾い、父代わりになって育て上げる、というストーリー。
    物語の導入は、吸血鬼に母を惨殺された少女を拾うという重苦しいものだけれど、全体の展開はいわゆる子育て奮闘記といった印象。少女が6歳から18歳になるまでが描かれ、特にまだ幼い頃のてんやわんやが面白かった。
    主人公である吸血鬼の回想や独白は泣かせるところもあるけれど、ラストの描写には詰めの甘さも感じる。母を吸血鬼に殺された少女が、長じて吸血鬼になることを選ぶとき、ここまであっけらかんとしたものになるだろうか。後半は展開が駆け足だったからか、内面の葛藤が感じられないせいで、いまひとつ説得力を欠くように思った。

  • 面白かった^^吸血鬼モノと言うのをどけても父と娘の子育て奮闘記としてとてもリアル且つ興奮感ある作品です。皮肉でシニカルな笑いも㈲。ハードな描写もありますが,そう言ったモノが×な私が太鼓判を押してオススメします(^_-)b
    初心者パパのマーティが可愛いんだ(*^m^*)登場人物一人一人にドラマがあり世界に息づいていて,手に触れられそうなリアルさ。そして愛らしさ。辛辣な陰の部分を皆が持ちながら,ちょっと哀しくて優しいお話。ラストはハッピーエンド(〃∇〃)

    じーんときますよ★

  • 大吸血時代

    内容 :
    ウツ気味の中年ヴァンパイアが拾った少女は、本物の「人間」。
    血をいただくのは後にして奇妙な同居を始めたが、ガキを育てることの面倒と、そして楽しさときたら! 
    スリルでクール、滑稽でホロリとする吸血鬼モノ、日本上陸。

    著者 :
    大学で創作を教えたり、グリーティングカード会社や漫画家向けのジョークを書くなど、さまざまな仕事を経て作家になる。


    2008/5/30 読み終わる。

    <!-- 2012/11/21 Yahoo!カレンダーTodoにあったので追加したが、読んだ記憶が無い・・・。 -->

  • 退屈しのぎで始めたはずのことなのに、いつの間にか、それに自分の生活を支配されている。何かの虜になるときというのはそんなものだ。この作品を読む限り、吸血鬼にも同じことが起こるようだ。
    物語の舞台は、近未来と思われる。世界の主は吸血鬼。人間社会とほぼ変わらない社会を営みながら、日の光を避け、人工血液を飲んで暮らしている。残り少ない人間たちは富裕層のお楽しみ用としてひっそり飼育されている。
    不死身の吸血鬼がつらいと感じること、それは「退屈」。退屈が昂じて自殺に走る者も多い。主人公マーティもそうだった。彼は生からの逃避行の途上で、小さな人間の女の子と衝撃的な出会いをする。人間牧場から逃げてきたイスズ。母を亡くした彼女を、マーティは家に連れ帰る。いずれその血を飲むという思惑に胸膨らませ、死ぬほどの退屈も忘れて。ところが人間の女の子は思った以上に手のかかる生き物だった。物を食べる。トイレにいく。生意気を言う。何より他の吸血鬼の目から隠しておくのが一苦労だ。優雅だったマーティの独身生活はかき乱され、イスズ中心のものに変わる。だが彼には不思議な幸福感があった。手のかかるチビ、でも、笑顔が可愛い……。
    クールで皮肉な物言いが身上のマーティだが、牙の生えた今もなお、昔死んだ父を慕い、母を懐かしむ。彼の根本には、失われた自分の家族を愛する気持ちがある。彼がイスズへの庇護欲に目覚めるや、加速度的に良き育ての父に変貌していく姿は微笑ましい。イスズを育てながら、自らもどんどんエネルギッシュになっていく。
    吸血鬼の日々の糧である人工血液が存在しなかったら、救いのない話になっていたかもしれない。なんといってもイスズは、飲んでしまいたいくらい可愛い娘なのだから。
    吸血鬼にとって、退屈よりもつらいのが喪失感だという。思春期を迎えたイスズは彼女なりのやり方で吸血鬼の友人や恋人を作り、やがてマーティの手を離れる。その際のマーティの狼狽ぶりは気の毒なほどだ。勿論、世の常の例に洩れず、何かを失った後には必ず何かが得られるのだが。
    文中にはアン・ライスの小説や映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』などなど、吸血鬼ものの新旧の定番作品も登場して、そつがない。

  • マーティ:吸血鬼  イスズ:人間の女の子
    イスズは母親と二人で穴倉に暮らしていたが、吸血鬼に母親を殺害される マーティが少女イスズの父親代わりになり一生懸命育てる ホノボノシーンがいろいろある 
    マーティに恋人ローズができて、イスズには彼氏ロビーができてだんだんつまらなくなってきた まぁ、いつまでも少女のままってわけにはいかんわな
    表紙 中澤英明「子供の顔 クマ」イスズにぴったり 可愛い!(#^^#) 

  • ほとんどがヴァンパイアになった世界。人間牧場から逃げてきた女児と、彼女を拾ったヴァンパイアとの親娘の物語。ホラーではないので、温かな気持ちで読み終えた。

  • お父さんの娘に対する愛情が海よりも深く山よりも高い(?)

  • ヴァンパイアものとしては格段のコメディ
    人口比率が逆転し、人間は牧場で飼育されている。
    その中で第二次世界大戦のときに吸血鬼になったマーティはイスズを保護し、「先のお楽しみ」のためにイスズを育てることにする
    ヴァンパイアの子育て騒動なのだが、実年齢100歳を超えるマーティが振り回される。マーティの一人称なのがまた楽しい。
    イスズが成長し、結婚し、めでたくヴァンパイアになってハッピーエンド。

  • 「吸血鬼もの」というよりは「親子もの」

  • イスズよりマーティンがかわいかった。

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