- Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763130556
感想・レビュー・書評
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異例のベストセラーとなった話題作から1年半をかけて、ついに完成! 一番大切な人だから、一番大切な過去を話せなかった・・・。家族の絆と統合失調症の再発防止を鮮やかに描く最新刊。
(「BOOK」データベースより)
第1冊目は、統合失調症という病気のこと、早期発見・早期治療が有効なことを中心に描いていたように思う。そして今回は「家族の絆」がテーマ。
病気を患っている本人が辛いのはもちろんのこと、それを幼い頃から間近で見てきた著者だって辛い思いをしてきた。それでも実の親だもの。切り捨てることなんてできない。
とは言っても、ずっと一緒だと思うと「縛られている」「自由がない」という気持ちも湧いてくることもあるんじゃないかな。そして、そう思った自分を責める。そんな日々を送ってきたんじゃないかな。
統合失調症を患っているお母さんだって、自分の病気を隠そうと必死だった。だって、カミングアウトしたら友人がみんな去ってしまったっていう悲しいことを経験しているんだ。自分が酷い状態になっているときのことを知ったら、誰しもが去っていく。そんな風に思って、隠してきたんじゃないかな。
でも、著者のダンナさんであるタキさんは違った。
最初は著者であるユキさんもタキさんには本当のことを打ち明けられなかったんだ。だって、母親とダンナさん、どっちかを選択せざるを得ない状況になるかもしれないんだもの。でも、タキさんはお母さんを怖がったりしなかった。「本当のお母ちゃんを知ってるから、怖くない」。そう言ったんだ。
長年一緒に暮らしてきた2人。お母さんとユキさん。たぶん、周りのお母さんへの目をとても気にしていたんだと思う。それによってお母さんが傷つくことも多くて、結果として症状が悪化することもあるから。病気のマイナス面が大きく心に刻み込まれていた2人。それはストレスも溜まる。ユキさんも1人だけで抱え込んでしまってた時間が長すぎて、誰にも相談できなかった時間が長すぎて、考え方が固まってしまった部分もあったんじゃないかな。
そこにフワ~っと現れてくれたのがタキさん。彼はとても柔軟な考え方を持った人。ユキさんにもいろんな「気づき」を与えてくれた。お母さんへのより適切な接し方。ほんの少しの気配りなんだけれど、ずっと一緒にいたユキさんは心の余裕がなかったんだと思う。それはユキさんが気配り下手ということではなくて、長い間お母さんと一緒にいたからこそ気づくことができなかったんじゃないかな。こうなったときはこうするんだっていう習慣みたいなものがついてしまっていた。別の視点から見ることができなくなっていたんだと思う。
一番よい薬は一緒にいる人からの本物の優しさかもしれないね。自分がいてもいいんだっていう安心感。お薬をたくさん飲んでも、入院しても、自分の存在を認めてもらえなかったら治らない。
心の病気は難しいけれど、人との絆が最終的なお薬になるような気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何事にも、一緒に、と言ってくれる、
夫・タキさん。
スゴい心の持ち主。こんなに包み込んでくれる人、いるんだな。
家族って、人って、こうやって
支え、支えられて生きているんだなぁと
病気とか関係無しにそう思った。 -
病気一般に対する「夫」の対応って理解の無いケースを主に見てるから、旦那さんの姿に「こんな人いるんや…」て希望を頂いた。すげーなー