食欲人

  • サンマーク出版
3.97
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763140579

作品紹介・あらすじ

科学誌『New Scientist』ベストブック受賞!
「人類にとって重要な書」と
世界中のアカデミアから絶賛、続々!

「面白くて一気読みした」
D・シンクレア(ハーバード大・医学大学院教授)

なぜ人間だけが食べすぎるのか――
シドニー大学の世界的栄養学者2名が
「人類の食欲の謎」に迫る。
旅は、「バッタ」から始まる――。
門外不出の研究写真つきで贈る
知的興奮の冒険!

本能のしくみを明らかにした本書を読めば
「食べすぎ前」に満足し、
体重を増やさずすむ。

感想・レビュー・書評

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  • 食に関する書籍、健康思考の指南書の多いこと、わかっているけど誘惑に満々た現在の環境とどう戦って行くかが問題だ!

  • 何気ない食生活への警鐘を鳴らす本
    全生物に共通するタンパク質欲は生きていく上で必要な栄養素を摂るための羅針盤としての役割を果たしてきた。
    現代企業戦略の末多用されている化学物質は、有害であるだけでなく、食物のタンパク質比率を薄めてしまい飽食へも誘ってくる。

    食べることは辞められないし、幸せを感じる大きな柱であるので、自身でコントロールして健康な生活を送っていきたい。

  • “どんな場合にも優先されるのは一定量のタンパク質の摂取なのだ”


    生物学者である著者が、完璧な栄養バランスで食事をするヒヒや、バッタの食欲システムなどをきっかけに、あらゆる生物に普遍的に存在する食欲システムは存在するのかに迫った作品。そのカギとなるのはタンパク質である。

     昆虫や動物を含めた私たち生物は、タンパク質欲が満たされるまで食べ続ける。だからと言ってタンパク質を多く摂れば良いというわけではなく、タンパク質の過剰摂取は老化を早め寿命を縮める生物学的プロセスが作動する。
     現代の食事はタンパク質の割合を減らし、食物繊維の含まれていない“美味しい”食事によって食欲システムのブレーキが効きにくくなっているこれらを理解した上で、生物学的な食欲システムとうまく向き合っていく必要がある。

    実験室の中だけでなく、気の遠くなるようなフィールドワークによる観察の過程が面白かった。摂食記録を得るために砂漠で12時間ぶっ通しで1匹の野性のバッタを追跡したり、観察対象のサルの警戒を解くために、デング熱や自然災害に晒されながら半年間森の中で生活したりと、この本の見どころは過酷で気の遠くなるような研究に挑んだ昆虫学者の執念なのではと思った。

  •  生物は、必要なタンパク質ターゲット量に達するまで食べ続けてしまう。
     
     現代の食事は低タンパク質 高炭水化物 高脂肪食が多いため、タンパク質を満たそうとすると自ずと太る。
     食物繊維は食欲のブレーキになる。

     高タンパク質で低糖質な食事は、早死にするが繁殖数は多くなる。
     低タンパク質で高炭水化物食が、成長は遅いが長生き。
     高脂肪だとメリットを打ち消す。

     超加工食品は太る。
     
    教訓
     ①自分のタンパク質ターゲットを理解する

     ステップ1 1日のエネルギー必要量を計算する(ハリス ベネディクト法)

     ステップ2 このカロリーのうち、どれだけをタンパク質から摂る必要があるかを計算する。
      係数 子ども→0.15(15%)
         18〜30歳→0.18
         妊婦 授乳期→0.20
         30代→0.17
         中年(40〜65歳)→0.15
         老年(65歳〜)→0.20

     ステップ3 ステップ2で算出した値を4で割って、1日に摂取すべきタンパク質のg数を算出(タンパク質1gは4kcal)

    ② 超加工食品を避ける

    ③ 高タンパク質食品を食べる

    ④ 繊維を食べる

    ⑤ カロリー信奉をやめる

    ⑥ 食べ物を混ぜ物にしない

    ⑦ 空腹の時に食べる

    ⑧塩味が欲しいことの意味を知る

    ⑨ 食欲を信じる

    ⑩ 運動時は20〜30gタンパク質を摂る

    Ⅺ 睡眠を利用して食べない時間を作る

    Ⅻ 体内時計に合わせて食べ、眠る

    13 こもらず外に出る
     

  • 一生し続けていかなければならない「食」。「糖質」「脂質」に比べタンパク質の知識はちょっと不足気味。本書を読み、「食」に関する知識をレベルアップしたい

    #食欲人
    #デイヴィッド・ローベンハイマー
    23/5/30出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/42hL7fw

  • 「タンパク質欲が満たされなければ、動物はそのまま食べ続ける。いったん十分なタンパク質が得られれば、摂食を促していた食欲は止まる。」

    健康のためにも、タンパク質、食物繊維ファーストで食べるのを意識しようと思った。超加工食品を避けて、ホールフードを食べよう!

  • 面白かった。食にまつわる話。動物は生まれながらに本能で身体が必要とする栄養を摂取しようとする。バッタも犬猫もゴリラも人間も。
    ⚫︎動物が持つ強力なタンパク質欲が脂肪や炭水化物などの他の栄養素の過剰または過剰摂食を引き起こしている。タンパク質欲が満たされなければ動物はそのまま食べ続ける。十分なタンパク質が得られれば摂食を促していた食欲は止まる。
    ⚫︎大切なのはタンパク質、炭水化物、脂肪、ナトリウム、カルシウムのバランス。タンパク質の摂りすぎはよくない。老化を早め、寿命を縮める生物学的プロセスが作動する。
    ⚫︎ショウジョウバエの実験によると、高タンパク質のハエは最も短命。一方で産卵数が最も多かったのも高タンパク質。繁殖と寿命では栄養上の要件が異なり、生物は長寿より繁殖を選ぶようになっている。
    ⚫︎低タンパク質、高炭水化物は寿命に良い。肉や魚、卵を減らしながら、低カロリーの野菜や果物、豆など炭水化物を増やす。高脂肪食は寿命にはダメ。低タンパク質、高炭水化物で寿命の長さと老後の健康は良好になるが、太ってしまう。低タンパク質でより多くのカロリーを摂取する。脂肪や炭水化物の代わりに食物繊維を増やすと太らない。
    ⚫︎沖縄は100歳以上の人口割合かわ他の先進国平均の5倍。低タンパク質、高炭水化物。タンパク質率はわすか9%。肥満とはほぼ無縁。食物繊維が高く、カロリー摂取が低いから。

  • 人が、「いま食べたいもの」をどのように決めているのか、その決め手が「タンパク質」にあるということは知りませんでしたし、様々な実験からデータを取って論理的に展開される議論は説得力があります。

    体が必要とするタンパク質を摂取するために「食欲」があり、それに従って食事をしていれば、「本来であれば」体調を壊したり、肥満や高血圧などにはならない、というのも面白い分析だと思います。人々がそれぞれの(多様な)ライフスタイルの中でどのように「必要なタンパク質量」を変化させているのか、そしてその影響はどのようなものなのか、というところにも支店が向けられています。

    一方で、後半からは「科学的に生成された(人工的な)食糧は体に良くない」という議論へと向かい、それはそれで間違いではないのでしょうが、ちょっと興ざめだった、というのが正直なところです。

  • 食事に興味ある人は読むといいと思う。
    食事の認識が変わる。

  • 【背景】
    ①なぜ読むか
    心身の健康を食事から考える。
    ②何を得たいか
    「タンパク質欲」への知識。
    ③読後の目標
    知識を元に、食生活を改める。
    【著者】
    デイヴィッド・ローベンハイマー
    スティーブン・J・シンプソン
    【出版社】サンマーク出版
    【感想】
    食べたい物を食べることの大切さを学んだ。「食べたい」という思いは本能的なものであり、ホメオスタシスの影響を受けて、自然にバランスを考えてくれている。
    自身の食生活を振り返ると、超加工食品があふれていることに気がついた。フレッシュな食材を選ぶようにしたい。

    本書からは話が逸れるが、私たちの食生活は大きく変化しつつある。お惣菜やホットスナックのコーナーが年々拡大している。私たちの食生活から「調理」が減り、「購入」がその分を補填している。
    私自身も魚を上手に捌くことができず、「これでいいのだろうか」と悶々としている。本書では、栄養素的な側面から警鐘を鳴らしていたが、文化的側面からも食を考えていかなければならないのではないのだろうか。、

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著者プロフィール

シドニー大学生命環境科学部栄養生態学教授およびチャールズ・パーキンス・センター栄養研究リーダー。オックスフォード大学で研究員および専任講師を10年間務めた。世界中の大学や会議で講演を行っている。スティーヴン・J・シンプソンとの共著に『The Nature of Nutrition: A Unifying Framework from Animal Adaptation to Human Obesity』(未邦訳)がある。シドニー在住。

「2023年 『食欲人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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