〔文庫〕生命の暗号 (サンマーク文庫 E- 37 エヴァ・シリーズ)

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  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763181831

感想・レビュー・書評

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  • 村上和雄(1936~2021年)氏は、京大農学部卒、同大学院農学研究科博士課程修了、米オレゴン医科大学研究員、米ヴァンダービルト大学医学部助教授、筑波大学応用生物化学系教授、筑波大学遺伝子実験センター長、同大学先端学際領域研究センター長、同大学名誉教授、(財)国際科学振興財団専務理事、同バイオ研究所所長、茨城県工業技術センター長、全日本家庭教育研究会総裁等を歴任した、分子生物学者。1983年に、高血圧の原因となる酵素「レニン」の遺伝子解読に成功し、世界的に注目された。日本学士院賞受賞。瑞宝中綬章受章。
    また、著者は、生命の存在は、ダーウィンの進化論では説明できないとし、「サムシング・グレート」なるものの存在を信じる、所謂「知的設計論者」(「知的設計論」は「intelligent design」とも呼ばれ、生物や宇宙の構造の複雑さや緻密さを根拠に、「知性ある何か」によって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする理論)に近い立場を取る。
    本書は、1997年に出版され、2004年に文庫化された、著者の主著ともいえるロング&ベストセラー。
    私は、文系キャリアながら、生命科学や遺伝子工学は関心のある分野の一つで、これまで関連するいくつもの本(新書等の一般書だが)を読んでいるが、著者に関しては、小川洋子の『科学の扉をノックする』の中で読んだことがあるだけで、今般新古書店で偶々目にして、手に取った。
    著者は、「私は科学と宗教は同根と思っている」と書き、その主な主張は、「サムシング・グレート」が作った30億の情報が入っている遺伝子の能力を最大限に活かす(使うべき遺伝子をONにし、使うべきではない遺伝子をOFFにする)ことが大事であり、そのためには、「志を高く」、「感謝して生きる」、「プラス発想をする」の3つが重要、ということである。
    そして、それらが、著者の科学者としての知見・実績に基づいて書かれている点が、スピリチュアル系の本と一線を画している。
    一方、私は基本的に合理主義者で(但し、科学技術の発達が人類を幸福にすると考える「近代科学至上主義」ではない)、世界的な進化生物学者リチャード・ドーキンスの書いた『さらば、神よ』(文庫では『神のいない世界の歩き方』)をはじめとする著作を支持する立場で、宗教を否定はしないが、それは使われ方が大事と考えている。(原理的な一神教が、世界の人々の対立の原因の一つになっていることは、論を俟たない)
    本書のような本は、読まれ方が大事と思われる。
    (2024年1月了)

  • 60億個ある細胞一つの中に5億個の遺伝子があり、順序良く並んでいる。人だけでなくこの世に存在する全ての生き物に共通する。生命は何かに生かされている。サムシンググレートなるものが存在する。遺伝子は親から遺伝する所が大きい一方全てではない。離婚した親を見て自分はそうならないように意識する事で変えられるもの。つまり意識や感情で遺伝子をON、OFFできるのだ。
    更に遺伝子は幸福な遺伝子、不幸な遺伝子がある。例えばガンになる遺伝子、病気になる遺伝子。
    この様な遺伝子をOFFにするには気持ちの持ち方が大切。つまり心と体はバランスするのだ。

    その様な不幸な遺伝子を抑え幸福な遺伝子をONにする方法を3つ紹介する。

    1.高みを目指す
    親の親の親のと続いていくとサムシンググレートに繋がっていく。自分の平素の行いを正し、高みを目指す事で親や先祖、サムシンググレートが喜び、褒美をくれる。誰かのためにという気持ちでギブandギブの気持ちが大切。

    2.常に感謝の気持ちを持つ
    人類の知識を集結させても大腸菌1つ作れない。生命は存在しているだけで奇跡。臓器一つ一つに細胞があり役割が異なる。その役割を全うしてくれてるお陰で生きていられる。生きているのではなく生かされているという思いで、感謝の気持ちを持つ事が大切。

    3.ポジティブに考える事
    辛い状況においてまサムシンググレートが成長の機会をくれているとして前向きに取り組んでいく事が大切。生命の生みの親は子供に意地悪な事はしない。必ず意味があるとして前向きに取組む事が大切。

  • 筆者は筑波大名誉教授で、高血圧の原因酵素「レニン」の解読で世界的な名声を得ている。

    技術的な話題よりも、「サムシング・グレート」という言葉に象徴される生命の神秘(神や仏のようなもの)へ傾倒していっている様子が伺える。生命の根源を研究し尽くし、「そもそもなぜDNAができたのか。そこから生物の機能が作られていくのか。魂とは何か」という境地に到達するのはなんとなくわかる。

    話は飛躍するが、優秀な経営者や学者が宗教に傾倒していくのはこういうことなのか、という一旦が見えてくる一冊。科学の本でありながら非常に読みやすい内容だった。

  • ●購読の動機と初期的な評価
    村上和雄先生の本を五つか読む内に、遺伝子に関する基礎の基礎を知りたいと思うようになった。
    遺伝子というが、人間は60兆個の細胞からできているから、どの細胞の話なのか?ということがわからない。
    この本がそういう初歩的な疑問を解いてくれると期待する。
    少し読み始めたところだが、期待通りの流れになっている!
    ワクワク!!

    ●本の扉
    https://mugen3.com/hon8.htm#SEC5

  • 完全に同意できないところがあったり、遺伝子について専門的すぎて理解できないところもあったけれど、科学者の方がサムシンググレートを感じている、その実感について書かれた興味深い本でした。
    科学と宗教の根っこは同じだと思うという著者の発言、どちらも自然の真理を解き明かしたいという思いから発しているってことですよね!? 私もそう思う。
    そして、遺伝子をオンにして生きる(人は持っている能力をすべて活かして生きているのではなく、ほとんどの遺伝子がオフだというのがこの本に書いてあること)には、志を高く、感謝して、プラス思考でいることが大切とのこと。私も今年はますます堂々と高い志を掲げて、あらゆることに感謝して、呆れられるほどポジティブ思考でいきたいと改めて決意しました。

  • 図書館の本 読了
    内容(「BOOK」データベースより)
    誰もが無限大の可能性を開花できる!バイオテクノロジーの世界的権威が提言する遺伝子ONの生き方とは。

    コーチングの先生が薦めてくれた本
    結局そこ?という部分もないわけではないのですがSomething greatは近頃あちらこちらで目にします。
    村上和雄は初めて読んだのでちょっと手を広げてみるかなと。
    天に貯金する、この考え方好きです。

  • パワーフレーズ
    「たとえ肉体にいかなる欠点があろうとも、わが魂はこれに打ち勝たねばならぬ。二十八歳になったのだ。今年こそ、いよいよ本物になる覚悟を決定せねばならぬ」

    科学者として「サムシングレート」という科学的に目に見えない何かという恐怖を言葉に起こしたことにこと人の凄みがあると思います。科学的でないようなことも科学の無限のような有限の可能性の中に含まれているとし、その可能性を追い求める、夢の詰まった一冊です。

  • トンデモ理論として批判を受けながら、実業界や教育界に潜行しつつある「サムシング・グレート」の提唱者として知られる著者の代表作です。ただし、「サムシング・グレート」についての体系立った説明はなされておらず、科学の世界で成功を収めた研究者がみずからの人生哲学を語った本といった印象を受けました。

    私自身は、ある程度の体系性をそなえた疑似科学本が好きで比較的よく読んでいるのですが、こちらの想像力を刺激するような本は少なく、優れたSF小説に匹敵するようなものは稀だと感じています。海外のニューエイジ・サイエンスにはリン・マクタガートなど、注目している作家はいるのですが、日本にはそれらに匹敵するほどのスケールの大きな疑似科学はいまだ生まれておらず、とくに体系性という点では、ユング心理学やシュタイナーの人智学、スピリチュアリズムといった人文系のオカルト理論に見られる想像力には遠くおよばないといわざるをえないように思います。

  • 「生命の暗号」 村上和雄
    つらい局面に立たされたとき、その状況でどれだけプラスの発想ができるかです。
    物事には何事も二面性があります。どんな出来事も「良い方」と「悪い方」の2つの解釈が可能です。
    自分の身に起こる事は「すべてプラス」という捉え方をすることです。

    遺伝子の働きは、心に支配される。
    脳が可能と思ったら可能。

    遺伝子には30億の情報
    遺伝子は休まず働いている。

    宝くじを100万回連続で当たる確率

    トマトの阻害因子は土

    生命を守り、生命を育んで、楽しませる方向に遺伝子が働くのは、自然の法則に合致したときです。
    自然の法則に合致した生き方をすればいい。

    「志を高く」 良い遺伝子をオンにする

    「感謝して生きる」
    60兆個の細胞の集まり そこにいるだけで価値がある
    共生的進化論:生物は優勝劣敗で互いに助けながら進化してきた
    サムシング・グレートに感謝していい

    「プラス発想をする」
    どんなことも、天からの試練として受け止める。
    プラス発想をする時、遺伝子がオンになる。

    人を喜ばせるために天に貯金をしておくと、後で1万倍にもなって返ってくる。
    そして、その見返りも自分の代ではなくても、あとの代に見返りがあれば良いではないか。

  • 【内容】
    ポジティブシンキングで、遺伝子もオンになる。

    【得たもの・やってみること】
    ・ポジティブシンキング
    ・否定や自分を制限する言動はやめよう。

    【感想】どこまで科学的かは疑問。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授。米国オレゴン医科大学、京都大学農学部、米国バンダービルト大学医学部等を経て、1978年より筑波大学応用生物化学系教授。同大遺伝子実験センター長、先端学際領域研究センター長等を務め、99年に退官。83年に高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に初めて成功、世界的な注目を集める。90年、マックス・プランク研究賞、96年、日本学士院賞を受賞

「2021年 『コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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