愛の手紙・説教: 今改めて説教を問う

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  • 教文館
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764263697

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  • 「愛の手紙である説教を聴きつつ生かされる教会の存在そのものが、キリストご自身が書かれた愛の手紙だと言うのである。・・・われわれもまた、愛の手紙である説教を語り続けることによって、教会というキリストの手紙を、キリストご自身が書き続けるみわざに参与するのである」(本書、320頁)

    大変内容の濃い一冊。説教学に留まらない、大変幅広く深い神学的理解に裏打ちされている。ご自身は改革・長老派の伝統に立っておられるが、決して教派の内側に閉じこもっている印象を与えない。

    ドイツで学んだ著者だが、ドイツの神学的伝統の良いところだけではなく、ポスト・キリスト教社会としての課題点もきちんと公平に見ておられる。そして物語神学や帰納的説教論などアメリカの動向にもキチンと目くばせがなされている。

    そして何よりも、教会形成を中心に据えて説教を論じておられるところに好感を持った。説教者の権威の問題を踏まえつつ信徒の主体性を論じ、教会戒規のことにも踏み込んでいる。

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著者プロフィール

1929年、旧満州ハルピンに生まれる。東京高等師範学校付属中学、旧制第一高等学校、東京大学文学部哲学科、東京神学大学博士課程前期課程修了。日本基督教団若草教会、牛込払方町教会、鎌倉雪ノ下教会にて主任担任教師。現在、同教団隠退教師。牧会の傍ら、東京神学大学で実践神学を教え、再三、ドイツに研究滞在、ハイデルベルク大学客員教授(1986-87)、国際説教学会会長(1995-97)。現在、説教塾主宰として、説教者の研修指導に励んでいる。

「2023年 『主よ、わが唇を開きたまえ 説教黙想集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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