- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784765319379
感想・レビュー・書評
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<閲覧スタッフより>
救命できるならその後の人生を後遺症で苦しんでも良いのか?これは様々な考え方があるので正解はないと思います。そしてこの問題を正面からとらえたのがこの本です。著者のイリー先生は集中治療の世界では知らない人がいないくらい有名な集中治療医でこの分野の研究の第一人者です。その先生がICUを退室した後の長期的合併症(集中治療後症候群)について自身の経験を元に語ります。
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所在記号:492.29||イリ
資料番号:35005815
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よい本でした。著者は集中治療医。PICS(集中治療後症候群) の原因がICU(集中治療室)での過度の鎮静によるせん妄によるものであることに気づき警鐘を鳴らし、早期離床の治療方法の確立と普及に尽力されています。
論文や専門書ではないので文章は読みやすいけれど、医学的な内容については専門用語が多出するので、残念ながら正しく理解できたかはわからず。 -
アメリカ集中治療医の大家であるイリー医師執筆で、日本語の集中治療教科書でお馴染みの田中竜馬先生が翻訳する。
そんな最強タッグの本が面白くないわけがないですね。
ただ命だけは助かったが、その末に何が待つのか?
PICSとは?
covid-19流行により以前よりICUという名前を聞く機会は多くなりました。
しかし、ICUを退室した「その後」を知ることは少ないと思います。
我々患者にとっては、いざという時きちんとリスクを知った上で選択できるように。
医療者の方にとっては、ICU退室後も人生は続くということ見失わないでいてもらえるように。
そう願わずにはいられません。 -
世界的に有名なWes Ely医師が市民向けに書いた本。
市民だけでなく、ICUに少しでも関わる医療者にとって必読。いや、本当に必ず読んだ方がいい。僕は読んでよかった。
重症患者が救命ののちにどのようなことに苦しんでいるのか、それをどのように救えばいいのか、いや、救うなんて表現はおこがましい、医療者としてどのように向き合えばいいのか。
Ely医師の言うように、ともするとICUは脱人格工場になってしまいかねない。医療従事者として時と共に薄れてしまう大事な感覚を思い起こすためにも。
I see youと言えるためにも。