- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766001563
作品紹介・あらすじ
平成14年より「暮しの手帖」に連載したエッセイに加筆、書き下ろしの「はじめに ようこそ落語の世界へ」と「あとがき 落語と落語家の正体」をまとめたもの。
感想・レビュー・書評
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先頃亡くなられた立川談志さんの元に入門したのが昭和45年。
第1期真打ちになったのが昭和58年。
そんな著者の履歴と落語会の詳細も、このエッセイ集の中で語られる。
「暮らしの手帖」に平成14年から連載していたらしいけど、それらに加筆してまとめたもの。
全28回、4年と8ヶ月。さぞかし面白い連載だったことだろう。
一冊の本にしてくれたおかげで「暮らしの手帖」を読んだこともない私でも、大変楽しく読むことが出来た。
時事ネタもたくさん登場して、今読むと「ああ、そう言えばそういうこともあった」と懐かしい。
そんなエッセイがマクラになって、落語の語りへと誘う形式になっている。
扱われているのはもっぱら古典落語だが、マニアックなものではなく敷居の低いものになっている。
寄席に行きたくなりますね。切れ味の良い文章の、実に上手な書き方です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「落語の入り口」を案内するという目的で書かれた雑誌連載を一冊にまとめたもの。それと連載当時の世相がいろいろ。落語にうまくはまるように書いてあって、うまいなぁと思いました。地方にいると寄席へ行くということはできないけれど、書いてあるものを読むのは好きです。
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当時の時事ネタを落語とからめています。
小泉元総理の「改革には痛みが伴う」を、「三方一両損」の大岡裁きとからめたり、
借金の取立てを、「掛け取り」という洒落の効いた噺とからめたり…。
立川談四楼の落語ももちろんですが、面白い落語で思いっきりお腹を抱えて笑ってみたいと思いました。 -
落語の立川流真打である立川談四楼さんが、平成14年より雑誌『暮しの手帖』に連載されていたエッセイのまとめと書き下ろし。
18歳で立川談志の弟子になり、楽屋修行の前座からはじまって、二つ目、真打になるまでの苦労話や楽しいお話。
そんなお話の後には毎回、古典落語が一席書かれています。
つまりエッセイの部分が、落語のまくらになっているわけですね。
寄席の仕組みや落語協会の色々、また落語の歴史的な話としては、戦時中は禁演落語なるものが定められていたなど、初心者の私には入門書のような内容になっています。
そして今になって、へぇ~と頷いてしまうようなお話も。
お笑い芸人のことを”色もの”と呼ぶ理由とか、アフロヘアーの仏像で有名な五劫思唯阿弥陀(ごこうしゆいあみだ)の『五劫(途方もなく長い時間)』の意味が、あの『寿限無寿限無、五劫の擦り切れ…。』のなかで解りました。
落語の懐の深さを教えてもらった1冊です。