久野恵一と民藝の45年 うつわ2 (日本の手仕事をつなぐ旅)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766128505

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  • 砥部焼の予習。
    #松山旅行本

  • <閲覧スタッフより>
    百円ショップが台頭し安くて丈夫な食器が食卓に並ぶことが多くなりました。個性のない食器ばかり使っていませんか?職人さんの手作りの器は、ひとつひとつに趣きがあり味わい深いものです。長く民芸の世界に携わってきた著者ならではの視点で職人さんとうつわが紹介されています。
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    所在記号:750.21||クノ||2
    資料番号:20105169
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  • 鎌倉に民藝店をもち、日本の民藝運動に関わってきた故・久野恵一さんの言葉をまとめた一冊だ。
    大日窯、中井窯、丹波焼、楢岡焼など日本各地の窯元との出会い、関係性などが忌憚なく語られている。
    「見るものはないと思った」という取り付く島もないような所感や、自分と一緒に開発したかたちのものが他店で売られることの遺憾や、自分の思う方向と離れた創作をしていく職人たちへの思いなど、負の感情についても正直に書かれていて面白い。

    特に、今や人気の窯元の一つである中井窯が、かつては鳥取のたくみ工芸店におんぶにだっこの窯だったのが、柳宗理のプロデュースで久野氏が思う民藝とは別の方向で有名になっていくくだりなどは非常に興味深く読んだ。

    久野氏が大変なこだわりを持っていることは伝わってくるけれど、文章を読んでいるだけでも彼の強い自負や性格が伝わってくるので、彼に反発する人もいるだろうな、と思う。
    さらには、何が美しいか、というのはとても個人的なものだから、久野さんの言う「良い」が万人にとって「正解」なのかはわからないよな、とも思った。

    職人だって食べていかなきゃいけないし、お金は多く稼げた方がいいだろうし、どこまで「民藝」に操を捧げて義理を通すのか、というのは難しい問題で、それができなかったからといって全然だめだ、というものでもないと思う。
    久野さんがいたからこそ生み出された潮流や製品もあっただろうし・・・久野さんのしてきたこと、各々の職人がしてきたこと、というのは簡単に正誤をつけられる問題ではないのだと思う。

    今やおしゃれな生活アイテムとしてアパレルショップでも売られている「民藝」の職人が、そもそもどういう生き方をした人だったのか、というのがこんな風に描かれている本というのはそうそうないだろうな、と読み終えてしみじみ思った。

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