- Amazon.co.jp ・本 (108ページ)
- / ISBN・EAN: 9784766136425
作品紹介・あらすじ
偉大な芸術家たちが魅せられた悪魔とはなにか。悪魔をめぐる巨匠たちの作品を通じて、
神話や聖書、文学、芸術、そして人々の中に存在し続けてきた悪魔とその図像の歴史と変遷を紹介します。
感想・レビュー・書評
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悪魔の絵。我々が想像するのは、山羊のツノに蝙蝠の羽を持った黒いもの、ではないだろうか?
確かにその通りなのだが、ではそのイメージができたのはいつから?
古代神々の影響を受けていたり、天才の描いた絵がその後を形作っていたり。
図像と歴史と美術的価値。
オールカラーの美しい悪魔絵に誘われ…
ドラクロワの「ファウストとメフィストフェレス」は一見どちらが悪魔だかわからない。
ゲーテが作った戯曲にインスピレーションを刺激され、一方で死はすぐそば、という警告もあり、まさに舞台の一場面。
恐ろしさよりも、物語の続きを知りたくなる。
パウル・クレーの悪魔は通学カバンについていそうな可愛らしさ。
小鬼、と言った容姿でユーモラス。
でも確かに悪魔の特徴を備えている。
ジョルジュ・ド・フールの「悪の声」は様々なことに思いをめぐらせてしまう。
同性愛は非難されるものか?
この美しき絵画の中で描かれるのは本当に悪なのか?
あまり彫刻には興味がないのだが、「悪魔の頭部」が出展された「難破船アンビリーバブル号の宝物展」は見てみたい!
悪魔に魂を売り渡しても良いほど心を傾けられるほどの何かが、私にもあったら。
著名な画家でないからこそ引きつけられる数々の美術品。
おうち展覧会としてぜひ楽しんで。 -
絵画やアートの世界で描かれた(造られた)悪魔の歴史を辿る1冊。着眼点はとても面白いと思ったけれど、収録点数がさほど多くない(40弱かな)のと、添えられている解説の内容にばらつきがあり、悪魔絵の歴史、それらを網羅するというにはちょっと食い足りない気持ちが残った。あと現代美術になるとイマイチ。
とはいえ、ざっくり悪魔の変容の流れを知るには参考になった。簡単に言うと、動物と合体した怪物のような姿(ギリシャ神話のパンやサテュロスの影響)から、近代になるにつれ人間的な姿(場合によってはイケメン)になっていく。人気の題材は「聖アントワーヌの誘惑」や「最後の審判」そして「失楽園」と「ファウスト(メフィストフェレス)」あたりか。
ウィリアム・ブグローの「ダンテとウェルギリウス」は、悪魔そのものより地獄で殺し合いをしている男性たちの狂気とエロスが混在した迫力が凄かった。ルドンの「聖アントワーヌと悪魔」の悪魔は無駄にイケメン(笑) -
表紙裏に『悪魔絵の歴史と変遷』とあるけれど、そこまでしっかりとした枠組みで語られているわけではなく、気軽に読める分物足りなさも少々。
美術の本にしては珍しく、彫刻や立体物も掲載されているのは良き。ダミアン・ハーストはどこかで観てみたい。 -
悪魔に関する芸術作品が年代別に色々と見ることができます。
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11p「悪魔の地政学」にすごく珍しいミスがあって意味がわかった時吹き出してしまった。
マイナーな画家の絵も収録されていて面白い。失楽園読みたくなった。 -
芸術の中の悪魔の姿の変遷が面白い。