ワークショップデザイン論 第2版

  • 慶應義塾大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784766427202

作品紹介・あらすじ

▼好評のワークショップ指南書を7年ぶりに改訂!
▼ワークショップの企画- 運営- 評価までをわかりやすく解説。
▼第2版では、適切な課題設定の仕方やファシリテーションについての最新知見も収載!

近年、企業研修や学校教育などでますます需要が高まるワークショップの好評指南書を7年ぶりに改訂。
ワークショップの「企画―運営―評価」のサイクルを、理論をもとにわかりやすく解説する構成はそのままに、第2版では、適切な課題設定の仕方や、ファシリテーションについての最新の知見も盛り込み、さらに利便性を向上した。

感想・レビュー・書評

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  • 問いのデザインと重複する部分が多かった。ワークショップ設計の具体的な知識を得ることができる

  • 電子ブック(MeL)
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000099490
    ※学外で利用する場合は、マイライブラリまたはRemoteXsからアクセスしてください。

  • 個人的に意識して取り組んでいたことが体系的に書かれていたので、裏づけをもらえた形で自信を持てた。ワークショップ企画をする際に流れを確認するときに再度読みたい。

    ワークショップの基本構造は、導入⇒知る⇒創る⇒まとめ

    個人的にメモしておきたい新たな学び
    ■学習を生起する企画の要件
    1.楽しさ
    2.矛盾と葛藤
     ⇒創る活動における課題設定は、相反する条件を含めるとより議論が活性する。
    3.リフレクション
    4.実践者にとっての実験
     ・WSは実践者が作りあげた企画を媒体とした、参加者とのコミュニケーション。⇒この考え方が自分には薄かったので、新たに取り入れたい。運営側としても心構えが変わり、参加者の変化をより細やかにとらえられるようになるのではと思う。
     ・定式化しない。⇒新しい要素、を毎回入れるように工夫する。

    5.余白のある設計
     ⇒確かに、柔軟な対応をするためには何事も余白を設けることが大事。

    ■運営の要件
     設計とファシで調整していく。
    1.参加者の多様性
    2.葛藤状態の調整
    3.安心できる環境
    4.多様なレベルの参加
    5.実践の内省

  • ワークショップと学習:
    1 ワークショップと経験学習
    ワークショップの範囲
    ワークショップの特徴
    経験学習の系譜
    デューイの経験学習
    コルブの経験学習モデル
    ワークシヨッブの鉴本構造
    2ワークショップとノンフォーマル学習
    ノンフォーマル学習
    参加体験授業
    授榮とワークショップの違い
    3ワークショップと創造的活動
    創造的活動の意義
    創造と学習をつなぐ葛藤
    集団の多様性と創造
    学習目標としての創造性
    創造的経験学習
    4ワークショップのデザイン
    インストラクショナルデザイン
    デザイン研究
    IDとデザイン研究の課題
    デザイン論からの示唆
    ワークショップのデザイン

    ワークショップを企画する:
    1コンセプトの生成
    ベテランの企画のブロセス
    コンセブトとは
    コンセブ卜生成のステークホルダー
    コンセプト生成の手順
    準備段階
    生成段階
    検証段階
    2プログラムの作成
    プログラムのモデル
    プログラム作成のステークホルダー
    ブログラム作成の手順
    作る活動の作成
    知る活動の作成
    導入の作成
    まとめの作成
    プログラム検討
    成/6導入の作成/7
    3事例:資生堂グループ TRUST8
    4企画の要件
    楽しさ
    葛藤と矛盾
    リフレクション
    実践者にとっての実験
    余白のある設計

    ワークショップを運営する:
    1ワークショップの広報
    コミュニティ戦略としての広報活動
    広報のステークホルダ一
    広報を支える記録の活用
    情報の発信
    情報の収集
    情報の共有
    2フアシリテーション
    ファシリテーターの基本姿勢
    ファシリテーターの役割
    ファシリテーションの困難さ
    導入のファシリテーション
    知る活動のファシリテーション
    創る活動のファシリテーション
    まとめのファシリテーション
    観察と調整を支える知識構造
    3事例: CMAPクリケットワークショップ

    ワークショップを評価する:
    1「ワークショップ評価」に必要な視点
    「ブログラム評価」からの示唆 「教育評価」からの示唆
    ワークショップにおける「学習評価」
    2 2つの評価
    総括的評価 
    形成的評価
    3 『ワークショップ評価』のための手法
    経験カリキュラムと学習評価
    創造性や芸術領域における評価

    ワークショップ実践者を育てる:
    1実践者の全体像
    日本におけるワークショップ実践の普及
    ワークショップはどんな人が実践しているのか
    2ワークショップ実践者の熟達
    ベテランと初心者の違い
    ベテランも昔は初心者だった
    3ワークショップ実践者とその専門性
    ワークショップ実践者の奥態
    ワークショッブ実践者の専門性とは何か
    4実践者が学び育つ環境とは
    「個人レベルの灾践論」の構築
    デザインモデルの共有と伝達
    自己の経験に対する内畨の促進
    他実践者からの学習
    専門家としてのアイデンティティ形成

    ワークショップと学習環境:
    1ワークショップと共同体
    実践共同体
    実践共同体育成の7原則
    実践共同体の発展段階
    2ワークショップと空間
    アフォーダンスとシグニファイア
    ソシオペタルとソシオフーガル
    ワークショップスタジオの条件
    空問のレイアウト
    3ワークショップと学習環境
    学習環境のデザイン
    活動・空間・共同体のデザイン
    メタワークショップ

  • ワークショップとは何か?を理解できるように、具体的な事例と学術的な裏付けをバランスよく配置したテキスト。2022年度ゼミⅡの教科書にも指定しています。

  • とても具体的にワークショップの実践方法が記載されていて勉強になった。「学び」について学術的根拠なども記載されておりかなり深い内容だった。

  • 「問いのデザイン」に続いて読みました。

    こちらはちょっと学術的

    さくっと読みたいなら「問いのデザイン」がお勧めです!

     楽しさと葛藤
     自由と制約
     日常と非日常

    これらのバランスを考慮した課題や問いかけを意識していきたいです

  • 最近は、イノベーションの発出について、「一人の天才の発想ではない」というのが通説だ。
    人は「多様な人々との共創」でこそ、イノベーションを起こすのだ。
    著者はこのことに着目して、大学院で研究をし博士号まで取得した人物。
    人はどうすれば能力を開発できるのか。
    「ポテンシャル」という言葉があるが、まさにそれをどうやって開放するのか。
    元々持っている能力の全てをどうやったら出せるのか。
    それらを体系的にまとめたのが本書だ。
    記述方法があまりにも論理的なので、本当に学術論文のようだった。
    (文章表現がとても文学的ではないため、感情に訴えるものではない)
    面白いのは「個人の能力をどう高めるか」ということではなく、「メンバーでものすごいことやっちゃうパワーはどうすれば出せるのか」というアプローチをしているところ。
    確かにチームになった時に、とんでもなくもの凄いチカラを出すことは実感として理解できるだろう。
    2009年WBCの日本チーム然り。
    2016年リオ五輪の体操日本チーム然り。
    2019年ラグビーワールドカップの日本チーム然り。
    スポーツを例に挙げれば枚挙に暇がない。
    しかしここでは、「ワークショップ」を例にして説明している。
    (著者の研究課題が「ワークショップ運営」だ)
    ものすごく簡単に言えば「会議」のことだ。
    普段会社で行っている会議。
    色々な会議があるだろう。
    取締役会、部長会、営業会議、日常の報告会、朝礼的な朝会、引継ぎのための会などなど。
    ふと立ち止まって考えてほしい。
    イノベーションを起こそうとして、会議を運営しているだろうか。
    答えは否である。
    取締役会はイノベーションを起こす会ではないし、当然に朝会だってイノベーションを起こす会ではない。
    そもそも目的が異なるのだ。
    ここでは「イノベーションを起こす(目的の)ために、会議を別で開催する」ということが大事なのだ。
    それが「ワークショップ」の本筋だ。
    そこでは日常を離れて、普段の会議とは異なる様相で会が開催される。
    発見をし、学びをする会なのだ。
    どうすればワークショップが上手く運営できるのか。
    ファシリテーターの役割や、スタッフの役割。
    会場の設営の方法など、事細かに仮説、実験、検証を繰り返す。
    ここまでワークショップ運営について研究した本というのはあるのだろうか。
    (というか、研究した人がいるのだろうか?)
    海外では会議ファシリテーションなどもかなり研究されている。
    闊達な意見が出る会議では、結果的に合意形成され意思決定されたもののクオリティが非常に高いことが分かっている。
    これは納得がいく答えだ。
    問題は「毎回高いレベルの結論を引き出すためのワークショップは、どうすれば開催できるのか?」ということだ。
    そこでも延々に仮説、実験、検証が記載されている。
    一瞬アホらしいと思うかもしれないが、侮ってはいけない。
    それではあなた一人でイノベーションを起こしてみればいい。
    このアプローチを批判するならやってみればいい。
    それよりも、多様な人たちとコラボレートして、独創的なアイディア生み出していく方が建設的ではないか。
    「素晴らしいチームは、とんでもないチカラを発揮する」
    空気を読んで忖度している会議では、絶対にそんな力は生まれない。
    我々日本人の特長でもあるが「同質化」はイノベーションを阻害する。
    似たような人たちが似たような意見を言っていても、イノベーションは絶対に起こらない。
    ラグビー日本代表のように、多様なメンバーのチカラを結集するからイノベーションが起こるのだ。
    多様になるためには、意識して外部の血を吸収していくしかない。
    同じ会社で、同じ部署で、同じメンバーではいけない。
    旅をして、他の人と会い、そこで学ぶ。
    そうすれば、同じメンバーの会議でも違った意見が言えるということも指摘されている。
    つまり、日々勉強。
    一人ではイノベーションは起こしづらい。
    しかし、一人一人が日々勉強して自身をアップデートしていかなければ、イノベーションには繋がらない。
    そのアップデートされた能力を、ワークショップの場で最大限に開放する。
    本当にこれらを真剣に取り組んでいかないと、日本企業は遅れていくばかりだ。
    これからは益々、過去に例がない課題に対して、企業としてどう対処していくのかが問われていく。
    ワークショップを正しく運営できないと、未曾有の出来事に対応ができない。
    新型コロナウイルスも一つの大きなきっかけだ。
    この出来事で、日本中の様々なレベルで対策会議が開かれたことだろう。
    果たして高いレベルの結論を出せたであろうか?
    思考停止に陥ってないだろうか。
    これらの会議スキルは本当に必須なのである。
    自分でもワークショップ運営、ファシリテーションスキル、グラレコスキルなど磨いていきたいと思っている。
    (2021/3/31)

  • ワークショップ指南書です。
    ワークショップの企画、運営、評価までを解説してあります。
    単なるノウハウ書ではなく、学術的な裏付けに基づかれた書かれています。
    いろいろと示唆に富みます。

    近年、企業研修や学校教育などでますます需要が高まるワークショップの好評指南書を7年ぶりに改訂。
    ワークショップの「企画―運営―評価」のサイクルを、理論をもとにわかりやすく解説する構成はそのままに、第2版では、適切な課題設定の仕方や、ファシリテーションについての最新の知見も盛り込み、さらに利便性を向上した。


    本章の冒頭で紹介した森(2008)の実験においても、ベテラン実践者は初心者に比べて、企画を設計する際により多くの「保留」を行っていることが明らかになっている。つまり、活動の構成や進行の仕方を事前に全て決定しておくのではなく、当日の参加者の様子を見て適切な対応をすべきところは積極的に保留としておき、また決定ができる部分もあくまで「仮の決定」とし、当日の状況によっては柔軟に変更する姿勢を持っていることがわかっている。
    ただし、注意すべき点は、ベテラン実践者は入念なシミュレーションを行った上で決定を保留している点である。シミュレーションが不足したまま決定を当日に先延ばしにしても、運営の際に対応できずに実践が失敗することは目に見えている。ベテラン実践者は、想像によるシミュレーションを繰り返し、どの時点でどのようなことが起きるか、もしくは起き得るかに関して事前の予測を立てており、それら予測に対してしかるべき企画の修正案や活動案を用意している。このように設計に余白を残しながら、段階を追って企画を決定していく「柔らかな決定」が、ベテランの実践を支えているのである。 ー 93~94ページ

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著者プロフィール

東京大学大学院情報学環 教授
1967年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退。博士(人間科学)。茨城大学講師、助教授を経て2000年東京大学大学院情報学環准教授。2014年より現職。専門は情報化社会における学習環境のデザイン。開発研究とフィールドワークを連携させた研究を展開している。著書に『ワークショップデザイン論』(共著、慶應義塾大学出版会)、『学習環境のイノベーション』(東京大学出版会)など。

「2022年 『活躍する若手社員をどう育てるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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